その他 : 無認可共済の相談窓口
改正保険業法により、NPO法人などが行っている根拠法のない自主共済(いわゆる「無認可共済」)は、今年3月31日迄に「少額短期保険業」の登録を行なわないと、4月1日以降の事業継続ができない。3月10日、生命保険協会と日本損害保険協会は、NPO法人などが行っている無認可共済が、「少額短期保険業」に移行するのを支援するため、それぞれ無料の相談窓口を設置。四月末まで生保・損保の専門家らが相談に応じる。
共済とは、一定の地域または職域でつながる者が団体を構成し、将来発生するおそれのある病気や負傷などの事故に対して共同の基金を形成し、これらの事故の発生に際して一定の給付を行なう仕組み。
2006年4月1日に改正保険業法が施行される前、共済には根拠法を有する共済のほかに、根拠法のない自主共済(いわゆる「無認可共済」)があった。
根拠法を有する共済の代表的な例は、農業協同組合(JA:農業協同組合法)、全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済:消費生活協同組合法)。これらは、保険業法の規制は受けないが、これに代わる法律による規制を受け、各々の主務官庁の監督を受けて事業を行なっている。
これに対し、NPO法人などが行ってきた根拠法のない共済とは、特定の者を対象としている限りは保険業に該当せず、免許を受けずに事業を行なっても保険業法違反にならないとされてきた。
しかし、2006年4月に改正保険業法が施行され、根拠法のない共済事業に保険業法の規定を適用されることになった。
改正保険業法により、2006年4月1日時点で契約者1,000人以上の規模の自主共済に取組んでいる団体は、同年9月30日までに「特定保険業」の届出をし、2008年3月31日迄に「少額短期保険業」の登録を行なわないと、2008年4月1日以降の事業継続ができない。
この「少額短期保険業」になるためには、相互会社か株式会社でなくてはならないため、NPO法人が新たに「保険業」を行うことはできなくなる。
ただし、改正保険業法では、特例措置として、2006年4月1日時点で自主共済事業を行なっているNPO法人については、特定保険業の届出と少額短期保険業者の登録を行なえば、NPO法人として他事業との兼業で少額短期保険事業を実施することが特別に認められた。
少額短期保険業者の登録の届出を済ませたNPO法人の名簿は公開されていないが、一昨年9月30日の届出期日までに、10のNPO法人が届出を済ませているとのこと。
3月10日、生命保険協会と日本損害保険協会は、NPO法人などが行っている無認可共済が、「少額短期保険業」に移行するのを支援するため、それぞれ無料の相談窓口を設置した。
この相談窓口では、移行に必要な書類に重要な不備がないかなどを、生保・損保の専門家がチェックし、アドバイスする。実施期間は、4月末までだが、状況によっては延長することも検討しているとのこと。
「無料相談窓口」の詳細は下記を参照のこと。
1)生命保険分野
生命保険協会
http://www.seiho.or.jp/data/news/h20/20080310.html
2)損害保険分野
日本損害保険協会
http://www.sonpo.or.jp/news/information/2008/0803_03.html