その他 : アートNPOデータバンク2007
NPO法人アートNPOリンクが3月末にまとめた「アートNPOデータバンク2007」で、約7割の団体が過去に助成制度に申請したことがあることが明らかになった。その一方で、「申請にかかる事務作業が煩雑」といった助成制度の使いづらさも明らかになった。アートNPOリンクでは、この「アートNPOデータバンク2007」を希望者に配布(着払い)している。
NPO法人アートNPOリンクは、2003年10月に開催された「第1回全国アートNPOフォーラム in 神戸」で発表されたステートメントを遂行する組織として2003年に発足。2006年1月にNPO法人認証。文化芸術活動に取り組む、いわゆる「アートNPO」の課題解決や基盤強化、ネットワーク促進などの中間支援活動を行っている。
NPO法人アートNPOリンクは、これまで各地で開催してきた「全国アートNPOフォーラム」を通して、参加した「アートNPO」から「もっと全国で活動しているアートNPOについて知りたい」、「パートナーシップを組むことができるアートNPOについて知りたい」、「アートNPOの社会的認知度を上げてほしい」などの意見が多かったことから、昨年度より「アートNPOデータバンク」を発行。今回が2回目の発行となる。
今年の「アートNPOデータバンク2007」は、以下の内容から構成されている。
1.アートNPOリンク活動紹介
2.アートNPOの基盤整備のためのリサーチ・検証結果報告
3.アートNPOの取り組み(その広がりと課題)
4.アートNPOリンク会員情報
5.アンケート回答団体情報
6.全国のアートNPO一覧
「2.アートNPOの基盤整備のためのリサーチ・検証結果報告」では、昨年9~10月に全国のアートNPO法人を対象にアンケート調査を実施した結果が報告されている。
この調査の対象は、昨年9月末現在、定款上に「学術・芸術・文化・スポーツ」(NPO法「別表第2条関係第4号」)を掲げて、アートを主たる活動分野としているNPO法人。同時点で32630あった全国のNPO法人のうち、約3割の10552法人が第4号目的を掲げており、このうち2割の2006法人をアートを主たる目的に活動をしている団体として調査の対象とした。
回答数は182法人(回収率:9.1%)。有効回答数は178(有効回答率:8.9%)。
今年度の調査は、助成制度の活用概況と課題をテーマに行われた。
調査結果では、約7割にあたる124の団体、過去に助成制度に申請したことが「ある」と回答。
2006年度については、74団体が合計146件の助成金を得ていた。平均助成金額は894,548円。
申請したことが「ない」と答えた団体に、その理由をたずねたところ、複数回答で、「どのような助成があるのか知らない」(48.1%)がトップ。続いて「申請が難しそうだ」が35.2%、「活動内容にあてはまる助成分野がない」が同じく35.2%。さらに、「申請するための時間・労力がない」が29.6%。
助成制度の難点や不便な点についての質問では、「とても困る」という回答が多かったものは、「申請にかかる事務作業が煩雑」(38.8%)、「お金が後払い」(35.4%)、「全額助成でない(自己負担金が必要)」(34.8%)。
また、「もし、自由に使える助成金があったら何に活用したいか」との問いには、「職員給与」(24.7%)をあげた団体が最も多かった。2位以下は、「人材育成・教育研修費」(15.2%)、「広報」(12.9%)と続く。
アートNPOリンクでは、現在、希望者に、「アートNPOデータバンク2007」を配布している。ただし、送料(佐川急便)は希望者負担。希望者はアートNPOリンク事務局まで、名前、所属、郵便番号、住所(建物名会社部署名)を明記の上、research@arts-npo.org までメールで申し込むこと。
アートNPOリンクのホームページは下記。
http://arts-npo.org/