その他 : 自殺予防等に関する活動、6割が認知
5月29日、内閣府の自殺対策推進室は、「自殺対策に関する意識調査」の結果を公表した。調査結果では、回答者の約6割が、自殺したいと考えている人や自殺者遺族を支援するボランティア活動があることを知っていると答えている。
内閣府の自殺対策推進室は、 自殺に対する国民の意識や自殺サイトへの接触などの実態を把握し,今後の施策の参考とする目的で、「自殺対策に関する意識調査」を実施した。
調査時期は、今年2月21日から3月9日。調査対象は、全国の20歳以上の者 3,000人。
調査内容は下記。
(1) メディアについて
(2) 悩みやストレスに関することについて
(3) 自殺やうつに関する意識について
(4) 自殺予防等に関するボランティア活動について
調査方法は、調査員による留置法(封筒による密封回収)。
有効回収数(率)は、1,808人(60.3%)。
5月29日に公表された調査結果では、自殺を扱った報道への関心」を扱った報道への関心については、「かなりある」と答えた者の割合は14.4%。「少しある」が50.1%となっている。一方「あまりない」は29.5%、「まったくない」は4.9%となっている。
不満や悩みやつらい気持ちを受け止めて耳を傾けてくれる人がいるかについては、「同居の親族(家族)」を挙げた者の割合が69.1%と最も高く、次いで「友人」が51.9%と高くなっている。以下、「同居の親族(家族)以外の親族」(27.4%)、「近所の知り合い」(8.3%)の順となっている。なお、「いない」と答えたものも6.3%いた。
ストレス等の原因については、最近1ヶ月間にストレス等があると答えた者(1,067人)に、その原因を聞いたところ,「勤務問題」をあげた者の割合が48.3%。「家庭問題」が42.3%と高く、以下、「健康問題」(31.5%)、「経済生活問題」(22.3%)などの順となっている。
自殺を考えた経験について、「今までに本気で自殺したいと思ったことがあるか」と聞いたところ、「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は19.1%。性別に見ると、「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は女性(21.9%)で高くなっている。年齢別に見ると、「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は20歳代(24.6%)、30歳代(27.8%)で高くなっている。職業別に見ると,パート・アルバイト(25.8%)で高くなっている。
さらに、今までに「自殺したいと思ったことがある」と答えた者(346人)に、そのとき誰に相談したか聞いたところ、「相談したことはない」と答えた者の割合が60.4%となっている。相談した相手としては、「友人」と答えた者の割合が17.6%で最も高く、「同居の親族(家族)」(13.9%)と答えた者の割合を上回っている。以下、「同居の親族(家族) 以外の親族」(4.9%)、「医師」(4.9%)、「職場関係者」(3.2%)と続く。
自殺予防等に関するボランティア活動の周知度については、自殺したいと考えている人や自殺者遺族を支援するボランティア活動があることを知っているか聞いたところ、「知っていた」と答えた者の割合が58.3%となっている。
また、自殺したいと考えている人や自殺者遺族を支援するボランティア活動について、どのように考えているか聞いたところ、「興味があり、ぜひ参加したいと思う」と答えた者の割合が1.0%。「興味があり、機会があれば自分も参加してみたいと思う」が11.6%となっている。一方、「興味はあるが、実際に自分が参加しようとは思わない」と答えた者の割合が63.2%。「興味がない,自分には関係ないと思う」が19.9%となっている。なお、「すでに参加している」は0.3%。
「自殺対策に関する意識調査」の結果は、下記に掲載されている。
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/survey/report/index.html