その他 : 公法協、東京都の公益判断基準に意見提出
財団法人公益法人協会は、6月30日、東京都公益認定等審議会へ「公益目的事業の判断基準(案)」に関する意見書を提出した。意見書には、「事業の対象地域を原則として区市町村区域以上であることとするのは違法の疑いがある。」との意見が盛り込まれている。
平成18年6月、公益法人制度改革3法が成立。今年12月の施行が予定されている。
公益法人制度改革によって、今年12月1日からは、剰余金の分配を目的としない社団及び財団は、その行う事業の公益性の有無にかかわらず、準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することができる「一般社団法人」及び「一般財団法人」となることになった。
そして、「一般社団法人」及び「一般財団法人」のうち、公益性が認定された法人については、「公益社団法人」、「公益財団法人」として税制上の優遇措置が講じられる。
この公益性の認定は、昨年4月1日に内閣府に設置された「公益認定等委員会」、または各都道府県に設置される「合議制の機関」が行うとされている。また、公益認定の基準については、国における政・省令が制定され、今年4月には、内閣府公益認定等委員会において「公益認定等に関する運用について(公益認定等ガイドライン)」が公表されている。
東京都では、昨年3月に東京都公益認定等審議会条例が制定され、今年1月に東京都公益認定等審議会(以下、「審議会」)が発足。この審議会が、法令に基づき、また国のガイドラインを参考にしながら公益性の判断を行うとされている。
同審議会は、都における地域特性や事業内容を踏まえて公益認定を行うための「公益目的事業の判断基準(案)」を作成し、6月12日に公表。パブリック・コメント募集を開始した。
6月30日に、財団法人公益法人協会が提出した意見書は、このパブリック・コメントの募集に応えたもの。
要望書は、「全般」と「個別事項」の2部からなっている。
「全般」では、第2(基本理念)の(1)「民間の団体における自発的で多様な活動を促進するものであること」、及び(2)「公益の増進に寄与するものとして、都民からの支持や支援を得られるものであること」について、公益活動の原点に立ち、民間公益活動への支援姿勢を明文化したものとして評価。今後この理念に即し、市民の目線に立った認定業務に当たるよう要望している。
「個別事項」では、
1.事業の対象地域を原則として区市町村区域以上であることとするのは違法の疑いがある。
2.法令・補助金等による事業と類似した民間の事業に「社会にもたらす利益が同等以上」の条件を課すのはおかしい。
3.団体がどのような法人格を選択するかは団体の自主的な判断に委ねられるべきで、個別法の法人格に誘導するのは認定業務の権限外、など5項目の意見を述べている。
公益法人協会が、東京都公益認定等審議会の「公益目的事業の判断基準(案)」に提出した意見書の全文は、公益法人協会サイト内、下記に掲載されている。
http://www.kohokyo.or.jp/non-profit/seidokaikaku/kohokyo/ikensho080630.pdf