その他 : 内閣府調査、NPOの6割がネットで情報発信
内閣府が8月1日に公表した「平成19年度市民活動団体基本調査報告書」の副題は、「市民活動への参加や支援に必要な情報に関する調査」。
この調査の目的は、NPO法人が市民や企業から支援を得るために取り組むべき課題のうち、「情報発信」の面に注目し、その取り組みと課題について実態を把握し、望ましい支援策を検討するための基礎資料とすること。
NPO法人の「情報発信」に着目して調査を実施した理由について、内閣府は、市民や企業等が参加、あるいは支援を決定するためには、当該団体の活動の目的や事業内容について情報を得て理解し、共感を得ることが前提となるからだとしている。
アンケート調査の実施期間は、平成20年2月14日から3月3日。それに先立つ1月下旬には、アンケート調査の設計のための事前調査として、情報発信に熱心なNPO法人とNPO法人への支援実績のある団体、あわせて6団体を任意に選んでヒアリング調査も実施したとのこと。
アンケート調査の対象は、平成18年11月までに設立認証されたNPO法人のうち、無作為抽出した5000法人。1469法人から回答を得た。(宛先不明・活動休止団体を除いた回答率は32.3%)
調査結果では、情報発信の状況について、過去1年間に行った情報発信の取組みの内容(複数回答)は、「インターネット上にホームページやブログを開設している」(59.0%)、「イベントのチラシを作成し、配布している」(52.8%)、「機関紙やニューズレターを発行している」(47.7%)の順。インターネットだけでなく、紙媒体を活用した情報発信を行っている法人の割合も高いことが明らかになった。
情報誌などの発行頻度は、「年1-2回」が24.0%。「年4回」が22.9%。「月1回」(16.7%)、「2ヶ月に1回」(9.7%)、「月2回以上」(5.6%)と続き、約8割の法人が紙媒体による情報発信を定期的に行っていることが示された。その一方で、過去1年間に「発信なし」と答えた法人が20.1%あった。
ホームページやブログ、メルマガなどのインターネットを活用した情報発信については、64.7%の法人が過去1年以内に情報発信したと答えている。その頻度は、「月1回」(15.9%)が最も多く、ついで「年1-2回」(9.6%)、「週1回以上」(9.1%)、「月2回以上」(7.6%)、「年4回」(6.8%)、「2ヶ月に1回」(5.6%)の順。その一方で、「ほとんど更新なし」と答えた法人も9.1%あった。
インターネットを活用した情報発信の内容は(複数回答)、「法人の連絡先」(51.7%)、「法人の沿革や活動理念」(41.7%)、「イベントなどの開催情報」(43.3%)、「活動報告」(41.7%)、「活動への参加方法」(39.0%)が多く、「活動メンバーの名前」(24.8%)、「定款」(15.6%)、「寄付や寄贈の方法」(13.6%)と続く。
なお、活動資金を得るために、過去1年間に「市民や企業から寄付や寄贈を増やすための取組みを行ったか」の問いには、複数回答で、「特に行わなかった」と答えた法人が41.7%で最も多かった。ついで、「特定の個人や企業に直接的に寄付や寄贈を働きかけた」が37.6%。「機関紙やニューズレターの内容や配布先の工夫」が22.3%、「コンサートやイベントなどの利用」(12.6%)となっている。
また、寄付や寄贈を増やすために有効な手段・方法については、複数回答で、「特定の個人や企業に直接的に働きかける」と答えた法人が51.1%で最も多かった。ついで、「機関紙やニューズレターの内容や配布先の工夫」が20.6%。第3位には、「認定NPO法人制度の活用」(16.0%)が入っており、過去1年間に行った取組みについての答えでは4.2%と低かった「認定NPO法人制度の活用」が、寄付を増やすための有効な手段として認識されていることが明らかになった。
内閣府が8月1日に公表した「平成19年度市民活動団体基本調査報告書」は、内閣府サイト内下記に掲載されている。
http://www.npo-homepage.go.jp/data/report23.html