その他 : 高齢者、NPO活動に関心はあるが未参加
内閣府が6月に公表した、高齢化の状況や、高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向についてまとめた、「平成20年版高齢社会白書」で、NPO活動について、関心は高いが、きっかけや情報の不足で実際に参加している人は少ないということが明らかになった。
内閣府が6月に発表した、「平成20年版高齢社会白書」によれば、日本のの総人口は、平成19(2007)年10月1日現在、1億2,777万人で、前年(1億2,777万人:18年10月1日現在推計人口)に比べてほぼ横ばいになっている。
しかしながら、65歳以上の高齢者人口は、過去最高の2,746万人(前年2,660万人)となり、総人口に占める割合(高齢化率)も21.5%(前年20.8%)となり、初めて21%を超えたとのこと。
白書では、高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向として、「高齢者の社会参加活動」についても報告。
地域の福祉や環境を改善することを目的としたNPO(市民活動団体)活動に関心があるかについてみると、「既に活動に参加している」が3.6%、「今後参加したいと思っている」が9.2%、「関心があるがよく分からない」が34.4%となっており、これらを合わせた「関心がある」が47.3%となっている。一方、「関心はない」が42.6%となっている。
NPO活動に参加しなかった理由についてみると、「きっかけや機会がない」が50.5%で最も多く、「NPO活動に関する情報がない」との回答が29.6%、「参加する時間がない」28.8%となっている。
こうしたデータから、白書では、高齢者は、NPO活動に対する関心は高いが、きっかけや情報の不足で実際に参加している人は少ないと分析している。
地域のための奉仕的な活動の報酬についての考え方をみると、「地域活動とはいえ、交通費などの実費ぐらいは受けてもよい」が45.1%と最も多く、「地域活動だから、謝礼や報酬などは受けるべきではない」が31.1%、「交通費などの実費に加えて、謝礼の意味で日当ぐらいの報酬は受けてもよい」が8.8%となっており、奉仕的な活動の報酬について、有償であってよいと考える高齢者が多いことが示された。
「平成20年版高齢社会白書」は、内閣府サイト内、下記に掲載されている。
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2008/zenbun/20index.html