その他 : 市民による寄付と助成を13年、軌跡を出版
市民活動や地域社会の総合的支援を行うNPO法人ローカルアクション-シンクポッツ・まち未来(NPOまちぽっと)(東京都新宿区)の助成事業「草の根市民基金・ぐらん」は、1995年から市民による寄付を市民による活動へ助成する市民ファンドを運営してきた。その仕組みの解説や13年の軌跡がまとめられた「市民ファンドが社会を変える~ぐらんが紡いだ100の物語~」が2月5日出版された。
運営主体であるNPO法人ローカルアクション-シンクポッツ・まち未来(NPOまちぽっと)は2007年にNPO法人コミュニティファンド・まち未来とNPO法人東京ランポが合併して誕生したNPO法人。
地域を豊かにするために必要な事業をつくり出し、継続した活動を定着させるために必要な「お金」「知恵」「情報」「仲間」についての総合的な支援を活発に行っている。
「草の根市民基金・ぐらん」は、1993年に生活クラブ生活協同組合・東京が設立、その後2004年にNPO法人コミュニティファンド・まち未来が運営主体になり、合併に伴い、現在はNPO法人ローカルアクション-シンクポッツ・まち未来(NPOまちぽっと)が運営主体となっている。東京都内の団体を対象に、助成を行う東京ローカルの市民ファンドだ。
ぐらんの大きな特徴は、市民による寄付で成り立ち、寄付者自身が運営に関わっている点。
活動を助成するための財源は、企業や行政からの補助金・助成金ではなく、すべて100%が一般の市民からの寄付によるもの。 2008年度は約500名の市民が寄付者ととして参加、ぐらんを支えている。
また、運営は、NPOまちぽっとから委任を受けた「草の根市民基金・ぐらん運営委員会」が担っている。運営委員会のメンバーは、様々な市民活動の実践者やNGO・NPOの専門家など。
助成事業で極めて重要となる助成先の選考は、市民の寄付者の中から選考委員を募り、運営委員と一緒に選考を行い、寄付者参加型の選考を実践している。
市民によるファンドレイジング(資金開拓)を行い、寄付を集めて助成の財源を確保し、2008年までの13年間で、100のNPO・NGOへ3,511万円の助成を実施、寄付者と助成団体との交流も継続してきた。
今回出版される「市民ファンドが社会を変える~ぐらんが紡いだ100の物語~」には、市民ファンドの仕組みやぐらんが助成してきたNPO・NGOの物語、日本の助成金制度の概要、今後のNPOへの資金的支援のあり方など、以下のような充実した内容が盛り込まれている。構想も含むと15年間にも渡る、「NPOを通じて社会をつくる」ぐらんの活動がわかりやすくまとめられている。
●プロローグ 市民の寄付で市民事業を育てる 樋口 蓉子
●第1章 市民が作った助成の仕組み 奥田 雅子
●第2章 ぐらんが支援してきたNPOとNGO 奥田 裕之
●第3章 日本の助成制度と、ぐらんのオリジナリティ 牧田 東一/高田 幸詩朗
●第4章 市民がNPOを育てていくために 奥田 裕之
*巻末資料 ぐらんが助成した団体一覧
(写真提供:草の根市民基金・ぐらん)
2009年2月5日発行 / 価格:1600円 / 発行:コモンズ
3月6日には出版記念パーティーが、東京・中野の中野サンプラザにて開催される。ぐらんの関係者や市民の寄付者、様々な分野の専門家、助成団体のスタッフなどが参加する予定。
●日時:3月6日(金) 18:30~20:30
●場所:中野サンプラザ15階 エトワールルーム
問合せは、草の根市民基金・ぐらん(NPOまちぽっと)担当:奥田まで。
TEL: 03-5941-7948 メール: info@machi-pot.org
「市民ファンドが社会を変える~ぐらんが紡いだ100の物語~」の概要は下記ページを参照。
http://www.commonsonline.co.jp/siminfandohtml.html
草の根市民基金・ぐらんの詳細は下記サイトを参照。
http://citizensfund-grand.org/
運営主体のNPO法人ローカルアクション-シンクポッツ・まち未来(NPOまちぽっと)については、下記サイトを参照。