その他 : 認定NPO法人が湿原約150haを取得、保全へ
北海道東部の浜中町で活動する認定NPO法人霧多布湿原トラストが、ラムサール条約登録湿地である霧多布（きりたっぷ）湿原とその周辺の民有地約150ha（ヘクタール）を購入することになった。同トラストは土地を買い取り後、保全していく予定。2月1日から今回の土地買い取りにかかる1200万を目標に寄付を募集している。
霧多布（きりたっぷ）湿原は、北海道東部の海岸線に広がる、広さ3,168ｈａの国内で３番目に大きい湿原。ワタスゲやエゾカンゾウが咲く国内最大級の「花の湿原」としてその美しい雄大な景観が親しまれ、特別天然記念物のタンチョウをはじめ、エゾシカやキタキツネなど多くの生き物が生息している。
認定ＮＰＯ法人霧多布湿原トラスト（理事長：三膳時子）は、1986年に任意団体である「霧多布湿原ファンクラブ」として発足。その後、2000年にＮＰＯ法人格を取得して、名称を霧多布湿原トラストに変更している。2004年には、国税庁からNPO支援税制の対象である「認定NPO法人」として認定された。当時の認定取得は、北海道のNPO法人として初めて、またナショナル・トラスト団体としても初めてであった。
現在は、地域に密着を維持しつつ、日本各地に支援者を広げている。
霧多布湿原およびその周辺の環境保全を目的として、同湿原の民有地の買収及び借り上げ、宅地造成などにより埋め立てられた湿原の再生、霧多布湿原のファンづくり活動、「霧多布湿原センター」を拠点とした環境教育活動などを展開。
同湿原を囲む1200ｈａの民有地の内、2008年末までに440haを取得し、保全している。
このような活動が評価され、2006年には環境省が主催する「第3回エコツーリズム大賞」を受賞した。
新聞報道などによると、同トラストが買い取ることとなった土地は、昨年まで町内の農事組合法人が所有していた。しかし、農事組合法人が解散することとなったため、「湿原を守ってもらいたい」との条件で同トラストへの売却を決めたという。
土地は湿原部分と高台部分合わせて150ha（約50万坪）にものぼり、同トラストが買い取る民有地としては最大規模。今回の土地取得で湿原内の民有地1200haの内、約半分の590haを保全できることになる。
（今回取得した湿原周辺の様子 写真提供：霧多布湿原トラスト）
土地の取得には、1200万円が必要となる。同トラストは一時的に自己資金と借入金でこれをまかなう予定。
2月1日からは、この1200万円を集めることを目標に、「霧多布湿原５０万坪買い取りプロジェクト」を開始。全国約3000人の会員を中心に、一般の市民にも広く寄付を呼びかけている。同トラストは認定NPO法人であるため、寄付金控除の対象となる。
寄付は郵便振替の他、オンライン寄付サイト「GiveOne」からのクレジットカード決済も利用可能。
また、Yahoo！ボランティア インターネット募金でも「壁紙購入」と「Yahoo！ポイント」による募金の受け付けている。
同トラストの理事長三膳時子氏は、
「『身近な自然を未来の子どもたちへ引き継ぐこと』をミッションに、身近な霧多布湿原を子どもたちに残すという夢の実現を目指し、活動を続けてきました。
今回の土地取得で、その夢にまた一歩近づくことができました。会員の方をはじめ、様々な方のご支援のおかげで湿原の半分を保全できることになり、大変感謝しています。
ご寄付を通じて、貴重な湿原の保全に、一緒に取り組んでいきませんか？ご支援よろしくお願いします。」と呼びかけている。
お問い合わせは、認定NPO法人霧多布湿原トラスト（TEL:0153-62-4600）まで。
詳細は認定ＮＰＯ法人霧多布湿原トラストのホームページを参照
http://kiritappu.or.jp/
オンライン寄付サイト「GiveOne」の「霧多布湿原５０万坪買い取りキャンペーン」ページは下記から。
http://www.giveone.net/cp/pg/CtrlPage.aspx?ctr=pm&pmk=10034
Yahoo！ボランティア インターネット募金
「湿原を未来の子どもたちへ ～霧多布湿原50万坪買い取りプロジェクト～」ページは下記から。
http://volunteer.yahoo.co.jp/donation/detail/3135001/
