No.100 NPOWEB Mail Magazine(2008/01/07配信)
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現在では情報が変化している可能性があります。ご注意ください!
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シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
■2008-1-7 ■
■No.100 NPOWEB Mail Magazine
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あけましておめでとうございます。
おかげさまでシーズのメールマガジン「NPOWEB Mail Magazine」も、新春早々、
記念すべき100号目となりました。皆様のご愛読に心から感謝を申し上げます。
ありがとうございます。
これからも、シーズは、このメールマガジンを通じて、皆様に様々な情報発信を
行っていきたいと思います。今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
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《1》 教えて!事務局長 (第5回)
〔認定NPO法人制度の改正に質問!〕
《2》見逃せない! 注目のニュース
◆認定要件の緩和実現、期間が5年に(2007年12月14日)
◆民主党、寄付税制を税額控除が可能に(2007年12月26日)
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《1》 教えて!事務局長 (第5回)
〔認定NPO法人制度の改正に質問!〕
前回、与党税制改正大綱が決定して、認定NPO法人制度の要件緩和が実現
することをお伝えしたところ、たくさんの方から質問をいただきました。
今回は、その質問にお答えする形で、シリーズ「教えて!事務局長」で、松原
がみなさんの疑問にお答えします。
(なお、便宜上、一人の人が質問している形で、書いてみました。)
問:「認定要件の緩和が実現する」って聞きましたけれども、これは決まったこと
なのですか?
松:うーん。一応、通例なら、「決まった」と言えるとは思うのですが。
例年、12月に与党税制大綱が決定すると、それをもとに財務省が、翌年度の
税制改正法案を作ります。そして、1月からの通常国会に予算関連法案として
出して、通例なら、3月末までに予算案と一緒に国会で、成立します。すると、
3月31日までに、その細目を決めた政令・省令が、官報で公表されます。
そして、4月1日から新制度スタートというのが、お決まりのパターンとなって
います。
ただ、今年はねじれ国会で、どうなるか分からないですからね。選挙も可能性
がないわけではないし。。。
問:じゃあ。いつから改正がスタートするか、分からないのですね。
松:今の政治の状況次第ですから、誰も分からないのではないでしょうか?
予算関連法案が3月末までに通れば、4月1日からで、遅れれば、それだけ
遅れるということしか、今はいえません。
問:法案が成立しないということはないのでしょう。認定要件の緩和は、誰か
反対するのですか?
松:与野党とも、認定NPO法人制度をより使いやすいものにしていこうという
ことでは、一致していただいています。ただ、認定NPO法人制度が個別で議論
されるのではなく、他の税制改正案などと一括で、予算関連法案として審議され
ます。ですから、他の法案と一括して、賛成・反対となるので、認定制度だけで
賛成・反対というわけではないのです。
問:今回、認定の有効期間が2年から5年に延びました。これは大きな改善だと
思いますが、一方で、新公益法人は、いったん公益認定を受けたら、取り消
されない限り、ずっと寄付優遇措置を受けられます。なぜ、認定NPOだけ5年
なのですか。不公平な気がするのですが・・・・
松:ここは、いろいろな議論があったところです。最初、シーズを始めNPO側は、
新公益法人と同じく、認定の有効期間を廃止するように要望しました。
しかし、新公益法人のように、永続的な認定となると、むしろ毎年の審査が厳
しくなって、NPO法人にとっては、もっと負担になるという意見が、政府や国会
議員からいただきました。また、新公益法人制度とせっかく制度を切り分けた
のに、近くなると、「また、一緒になったらという統合論も出てくるよ」、ともアド
バイスを受けました。5年の期間として、5年一括でパブリックサポートテストを
するなどした方が、よりNPO法人の負担を減らせるだろうという判断で、5年と
いう結果に落ち着いたわけです。
問:新公益法人制度とNPO法人制度は、別ものという理解は国会議員でも
広がっているのですか?
松:この考えは、けっこう多くの議員・政府関係者に理解されています。厳しい
規律(ガバナンス)に基づいて、政府に公益認定される新公益法人と、自由で
政府の関与をでえきるだけ減らし、情報公開で律していこうというNPO法人
とは、違う制度であるというのが、現在の大方の整理です。
問:地方税の寄付控除は、認定NPO法人すべてに対象になるのですか?
松:まだ、正直良く分かりません。
地方税法の条文と、それに基づいて作られる各自治体の条例を見なくてはいけ
ません。ただ、気になるのは、税制改正大綱では、この寄附金控除の対象と
なる寄附金は、「地域における住民の福祉の増進に寄与するものとして都道府県
又は市区町村が条例により指定したもの」となっています。「地域における住民の
福祉の増進に寄与」ですから、都道府県内や、市区町村内に事務所や活動範囲
がある認定NPOに限られてしまう危険性があります。
ここは、今後、税法改正や、条例制定の動きをきちんとウォッチしていく必要が
あるといえるでしょう。
問:認定制度の改正は、まだまだ続くということですね。
松:そうです。認定NPO法人制度とNPO法人制度というのは、行政のお墨付き
ではなく、自由で、市民が支えるる活動によって、新しい社会サービスを生み出
していこう、それによって、日本社会を強くしていこうという運動の一翼でしかあり
ません。その意味では、制度改正は、一つ一つがゴールではなく、次なる始まり
として捉えておくことが重要です。
もっともっと、NPO法人制度を良くしていく必要があると思います。
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《2》 見逃せない!注目のニュース
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◆認定要件の緩和実現、期間が5年に(2007年12月14日)
12月13日、与党税制改正大綱が決定された。認定NPO法人制度については、認定
の有効期間を5年(現行2年)に延長し、パブリック・サポート・テストの実績判
定期間も5年の合算で、5分の1以上とするなど、大きな改善が実現した。
また、企業からの損金算入限度枠も拡大された。
→詳細は https://www.npoweb.jp/2007/12/その他-【速報】認定要件の緩和実現、期間が5/
◆民主党、寄付税制を税額控除が可能に(2007年12月26日)
12月26日、民主党税制改正大綱が決定された。大綱には認定NPO法人制度の要件
緩和が盛り込まれた。また、寄付税制に関して、所得税額の5%を上限に税額控除
できる制度を創設し、「総所得の40%」を上限とする所得控除制度との選択制とする
ことが提案されている。
→詳細は https://www.npoweb.jp/2007/12/その他-民主党、寄付税制を税額控除が可能に/
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