その他 : 各地のNPO、定額給付金の寄付を呼びかけ
定額給付金の支給が本格化し始めたのを受け、各地のNPOが定額給付金の寄付を呼びかけはじめている。シーズが確認しただけでも2月12日発表されたNPO法人ファザーリング・ジャパンによる父子家庭支援の「フレンチトースト基金」をはじめ、NPO法人チャリティ・プラットフォームの「定額給付金基金」などが寄付呼びかけを開始している。
定額給付金は、3月4日の2008年度第2次補正予算の財源関連法案成立により、3月5日から全国の市町村で支給が開始された。2009年2月1日を基準日とし、18歳以下あるいは65歳以上の者には2万円が、それ以外の者には1万2000円が支給される。支給方法の詳細は、自治事務(自治体が自らの判断と責任で行う事務)であるので、各自治体で異なる。多くの自治体は4月から支給事務を本格化させはじめた。
自治体の中には、大阪府や川崎市など定額給付金の自治体への寄付を促しているところも存在する。
定額給付金の当初の目的が、「物価高騰の影響を受ける生活者支援」だったこともあり、ホームレスやひとり親世帯、DV被害者など社会的弱者の支援を行うNPOが積極的に取り組み始めた。支給時期が近づくにつれ、次第に幅広いNPOが定額給付金の寄付を呼びかけはじめている。
シーズが確認したNPOによる定額給付金の寄付の呼びかけは以下の通り。大きく分けて3タイプに分類できる。
1つ目は、「個々の団体が独自に募集し、事業実施するタイプ」で、定額給付金の寄付呼びかけの先駆けとなったNPO法人ファザーリンク・ジャパンの「フレンチトースト基金」がこのタイプに当たる。集めた寄付金で、父子家庭に毎月4万円(1年)の給付金や父子家庭支援団体へ100万円の助成(1回)を実施する計画だ。
2つ目は、「個人・団体のネットワークなどがキャンペーンを行い寄付を呼びかけるタイプ」で、キャンペーンの実施主体がNPOや市民活動団体を紹介するなどして、寄付を呼びかけ、個々の団体が寄付を受け入れる形。「定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク」やとちぎコミュニティファンド「定額給付金活用・合同寄付キャンペーン」などが該当する。
3つ目は、「ある団体が一括して募集し、他団体へ分配するタイプ」で、大きな話題となったNPO法人チャリティ・プラットフォームの「定額給付金基金」がこのタイプに当たる。寄付金は一旦チャリティ・プラットフォームが受け入れるが、寄付者の希望に沿った分野の参加団体へ分配される形だ。
シーズが確認した定額給付金の寄付を呼びかけている団体は下記の通り。
凡例:実施主体と基金/キャンペーン名称・目的/仕組み・期間・現状・問合せ先・リンク
※各項目の情報は公開されている範囲でできる限り記載した。
■1.個々の団体が独自に募集し、事業実施するタイプ
NPO法人ファザーリング・ジャパン「フレンチトースト基金」
父子家庭を支援するための1億円基金を創設、父子家庭への給付・父子家庭支援団体への助成を行う。
2009年4月1日~2009年9月30日
518,000 円(4月10日現在)
ft@fathering.jp 050-8884-4252
http://www.ftfund.jp/index.html
NPO法人日本禁煙学会「タバコ対策基金」
寄付を募り、禁煙希望者や受動喫煙被害者のサポートなどタバコ規制に有効な事業を実施。
随時
desk@nosmoke55.jp 090-4435-9673
http://www.nosmoke55.jp/
NPO法人ほっとポット
240万円を目標に寄付を集め、生活困窮者の相談・支援事業を実施。
~2009年6月30日
300,000円(4月6日現在)
hotpot-fmt@tuba.ocn.ne.jp 048-793-5160
http://hotpot2006.blog102.fc2.com/blog-entry-280.html
http://hotpot.sakura.ne.jp/019.html
7人の会(有田芳生氏ら7名で構成)
650万円を目標に寄付を集め、ニューヨークタイムズへ拉致問題の意見広告を掲載する。
意見広告分の受付は終了
12,040,718 円(4月6日現在)
http://jinken.asia/
NPO法人難民支援協会
寄付を募り、生活に苦しむ難民の支援事業を実施。
随時
03-5379-6001
http://www.refugee.or.jp/jar/topics/activity/2009/03/30-1820.shtml?smm0903
NPO法人ボラナビ倶楽部
寄付を募り、「月刊ボラナビ」発行や「ボラナビ」サイト運営事業を実施。
随時
011-242-2042
http://npohokkaido.jp/volunavi/modules/volunavi/index.php?content_id=44
■2.個人・団体のネットワークなどがキャンペーンを行い寄付を呼びかけるタイプ
定額給付金をNPOへの寄付に!関西ネットワーク(柏木宏氏ら5名が呼びかけ人)
関西の市民ファンドや中間支援組織をサイトで紹介、NPOへの寄付を促進する。
2009年3月~
KyufukinNPO@infoseek.jp 06-6465-8391(大阪ボランティア協会内 担当:早瀬)
http://www.hnpo.comsapo.net/knpo/
とちぎコミュニティファンド「定額給付金活用・合同寄付キャンペーン」
18の団体をピックアップ、サイトやチラシを使い、合同で寄付を呼びかける。
2009年4月~6月
tvnet1995@ybb.ne.jp 028-622-0021
http://www.tochigiweb.jp/fund/
NPO法人ドネーションシップわかちあい「困った時はお互い様」~定額給付金を助けあいに使うキャンペーン~
定額給付金の使い道を考え、困っている人のため役立てることを提案。参加者の声や報告をサイト上で集める。
ドネーションシップわかちあい自身も寄付を受け入れ、野宿者支援活動などに寄付する計画。
2009年2月28日~
yume@donationship.org 075-621-3128
http://blog.goo.ne.jp/donationship
■3.ある団体が一括して募集し、他団体へ分配・再寄付するタイプ
NPO法人チャリティ・プラットフォーム「定額給付金基金」
全国80の幅広い分野のNPOが参加、寄付は寄付者の希望する分野のNPOへ分配される。4月27日には設立記念イベントを開催する。
2009年3月18日~2009年6月30日
678,213円(4月14日現在)
kikin@charity-platform.com 03-5770-3150
http://www.charity-platform.com/kikin/
まだシーズが確認していないが、定額給付金の寄付を募っている団体は多数存在すると考えられる。そうした団体をご存じの方はぜひ下記連絡先までお寄せいただきたい。NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会 ニュース担当:関口 npoweb@abelia.ocn.ne.jp 03-5292-5471