No.038 『NPOと自治体の協働、三つの誤解』(2002/09/27配信)
バックナンバーの情報は配信当時の情報です。
現在では情報が変化している可能性があります。ご注意ください!
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シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
■2002-09-27■
■No.038 NPOWEB Mail Magazine
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祝☆┃9┃月┃1┃8┃日┃に┃5┃0┃0┃0┃0┃0┃件┃達┃成┃〜┃!┃★祝
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—事務局より—
2002年9月18日午後12時31分、シーズのホームページ「NPOWEB」のアクセス数が、
50万件を突破しました♪♪ \(^_^)/ バンザーイ。事務局一同、大喜びです。お昼休み
時間の人が多かったのでしょうか、今回は多数のご応募をいただきました。ありがとうご
ざいました。今後とも「NPOWEB」を、どうぞよろしくお願いします。(S)
10月18日に「NPOと助成財団の協働が社会を変える」というシンポジウムを開催しま
す。助成財団のNPO支援の事例や、今後の支援の方向性などについて、議論が行われる
ことと思います。助成金や助成財団に関心のある団体にとっては、必聴のシンポジウムだ
と思います。ぜひぜひお越し下さい。(M)
詳しくは、シーズホームページをご覧下さい。
→ http://www.npoweb.gr.jp/newsinfo.php3?newsid=750
♪♪♪♪50万件ヒット記念キャンペーン・結果発表♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
シーズのホームページへのアクセス数が、50万件を達成しました。
シーズでは、50万件のアクセスを記念して「NPOWEB50万件ヒット記念キャンペーン」
を行いました。当選者の結果発表はホームページで行っています。
結果発表を見る?→ http://www.npoweb.gr.jp/0001/50.html
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★メルマガ・コラム 『NPOと自治体の協働、三つの誤解』(松原明)
★見逃せない!注目のニュース 千葉県、認証期間を3ヶ月へ ほか
★シーズからのお知らせ! NPOと助成財団の協働が社会を変える
★トクトクNPOサポート情報 損保ジャパン記念財団 群馬県共同募金会 ほか
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★☆★☆メルマガ・コラム★☆★☆
『NPOと自治体の協働、三つの誤解』
最近、自治体とNPOとの協働の事例や進め方を聞いていると、どうしても誤解してい
るとしか思えないことが多くなってきた。今回は、それらの誤解の中で、自治体担当者が
とりわけよく陥りがちな誤解を三つ取り上げてみる。
■NPO支援とNPOとの協働との違い
第一の誤解として、「NPOとの協働」は「NPO支援」と同じものであるという誤解が
ある。
そこまで行かなくても、「NPO支援の最大の施策は、NPOとの協働である」という意
見をしばしば聞くことがある。
これらの考え方の問題は、NPO支援とNPOとの協働は基本的に違う、ということを理
解していないことにある。
NPO支援という場合は、NPOの活動がしやすくするためのさまざまな支援策のことを
いう。たとえば、NPO一般の活動を活発にするための課税の減免措置を講じたり、NPO
支援センターをつくって場の提供をするといった施策である。
一方、NPOとの協働という場合は、ある共通の目的を達成するために、自治体とNPO
とが共に事業に取り組むことを指す。たとえば、行政が持つ公園などの運営管理をより住
民ニーズに合ったものにするために、その公園に住民ニーズを反映することを目的として
いるようなNPOに委託したり、補助金を出したりするといったような場合である。
つまり、NPO支援が、自治体の特定政策目的と関わりなく、NPO活動の一般の促進・
発展を焦点とするのに対し、NPOとの協働は、自治体の特定政策目的の遂行に焦点があ
るということが違う点である。
■目的における対象の重要性
第二の誤解は、自治体とNPOとの協働とは、自治体とNPOとの二者関係で成り立つと
考えていることだろう。
例えば、自治体がNPO支援センターをつくるとする。そうすれば、「NPOに関係する
事業は協働が望ましい」ということで、いきなりNPOに支援センターの運営を委託しよ
うとする自治体が後を絶たない。地元に、委託するにふさわしいと思えるNPOがない場
合には、自治体が声をかけてNPOをつくってまでして委託するケースがある。
また、わざわざ協働事業を行うために、自治体がNPO向けの事業をつくることも少な
くない。
これらはすべて、自治体が、NPOとの協働をNPOと自治体との二者関係だけで捉えて
いることからくる結果である。
協働の前提には、「共通の目的」がなければならない。そして、この「共通の目的」に
は、自治体でもNPOでもない第三者である「外部の対象」が存在しなければならないの
である。
この外部の対象には、地域の住民、介護の必要な高齢者・障害者、環境などがある。
そして、このような対象が、逆に、自治体とNPOとの協働の必要性を生み出してくる
ことを理解する必要がある。
地域によるニーズの多様化や、地方分権の進展において、自治体は、中央省庁のビジョ
ンだけに追随しているわけにはいかない状況となっている。このとき、住民側がさまざま
なニーズを持っているといっても、それをどうすればいいのか、専門的に解決するための
手段まで理解していることは稀であろう。
ここにNPOが注目される理由がある。
日本のNPOの多くは、障害者や高齢者などといった当事者やその関係者が、自らニーズ
を実現するために作った組織である。その中で、専門的なノウハウを蓄積してきている団
体も徐々に増えてきている。
これらのNPOと協働することで、より利用者や住民のニーズに適切に対応できる自治体
サービスが実現できる可能性が生まれてきているわけだ。
■協働における対等な関係とは何か
第三の誤解は、「協働事業において自治体とNPOは対等な関係に立たなければならない」
というよく言われる主張から来る誤解である。
これは、「対等な関係」とはつまり「契約関係」であり、それは事業委託を意味してい
るという形で展開していく誤解である。ここから、ときどき聞かれる「委託の方が補助よ
り協働にふさわしい」という誤解が生まれることになる。
そもそも、委託事業においては、事業の責任は自治体にあり、NPOは委託された範囲で
責任と義務を負うのが原則である。決して、委託事業の内容において「対等な関係」が成
り立つものではない。
では、協働における「対等な関係」とは何を意味しているのだろうか。
それは、NPOが、自治体の監督下にあるような存在ではなく、あくまでも独立した民間
団体であることを意味している。
従来、自治体が、社会福祉法人や外郭団体、地域の団体に事業を委託したり、補助を行
う場合、自治体は、その事業だけでなく、団体全体を監督する場合が往々にしてあった。
このような旧弊を脱し、「対等な関係で協働を進める」というのは、協働する事業にお
いてはそれぞれの役割分担や責任を決めるが、その他のNPO の事業には基本的に自治体は
関与しないことを意味している。
自治体とNPOは、協働している事業以外では、それぞれ独立した活動が前提になってい
るという当たり前のことを確認しているに過ぎない。
しかし、この当たり前の事がなかなか理解できないようだ。
NPOがなぜ今社会にとって重要かといえば、民間が自立的に社会的課題に取り組む力を
強くしていくことが地域経営にとって、とても必要となっているからに他ならない。その
意味では、むしろ民間の自主性を支援する事業補助の方が、委託よりも、より未来を睨ん
だ協働の仕組みといえるかもしれない。
委託事業に過度にシフトすることは、NPOの自立性やNPOの発展にとって、素直に肯
定できるものではないのである。
(松原明)
「ガバナンス 2001年12月号」より一部加筆修正して転載
※「ガバナンス」は、(株)ぎょうせいが発行している自治体職員・NPOワーカーな
どを対象とした月刊誌です。松原は、『Visions of NPO』というタイトルで、月一回
連載をしています。
「ガバナンス」についてのお問い合わせは、(株)ぎょうせい 03-5349-6666まで
★☆★☆見逃せない!注目のニュース★☆★☆
NPO News ◆……………………………………………………………………………………
千葉県、認証期間を3ヶ月へ
……………………………………………………………………………………………………◆
千葉県は、現在開かれている千葉県議会に、NPO法人の認証までにかかる期間を、
4ヶ月から3ヶ月に短縮する条例を提出した。条例で、認証期間を短縮することを決
める例はめずらしい。
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp/
ニュースコーナー中、9月25日のNEWSにて紹介
NPO News ◆……………………………………………………………………………………
NPO法人認証数8千超える
……………………………………………………………………………………………………◆
内閣府の発表によると、NPO法人の認証数が、8月30日までの累計で8千法人を
超えた。申請数は、9千を超えている。
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp/
ニュースコーナー中、9月20のNEWSにて紹介
NPO News ◆……………………………………………………………………………………
日本経団連、認定要件緩和等を要望
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日本経団連は、9月17日、「平成15年度税制改正に関する提言」を発表した。
NPO法人への税制に関しては、認定NPO法人制度の認定要件の緩和や、みなし寄付金
制度の創設を求めている。
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp/
ニュースコーナー中、9月19日のNEWSにて紹介
NPO News ◆……………………………………………………………………………………
8月中の認定申請は2件
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国税庁の調べで、NPO支援税制の対象となる「認定NPO法人」になるための認定
申請は、8月中に2件あったことがわかった。また、認定申請に関する相談は、全国で
38件だった。
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp/
ニュースコーナー中、9月18日のNEWSにて紹介
□■□■お知らせ□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
シーズのホームページNPOWEBは現在、大幅リニューアル作業中のため、
一部機能を制限しております。ニュースや助成金といった主要な情報は通常通り
ご覧になることができます。皆さまには大変ご迷惑をお掛けしておりますが、
なにとぞご了承下さい。リニューアル後のNPOWEBにどうぞご期待下さい。
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★☆★☆シーズからのお知らせ!★☆★☆
NPO Event ◆…………………………………………………………………………………
NPO支援財団税制研究会 第2回シンポジウム
「NPOと助成財団の協働が社会を変える」(千代田区)
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日 時:10月18日(金)13時〜17時(受付開始:午後12時半)
場 所:全日通霞ヶ関ビル 8階会議室
千代田区霞が関3−3−3
【交通アクセス】・銀座線 虎ノ門駅から5分
・日比谷線、千代田線、丸の内線霞ヶ関駅から8分
今、NPO活動を支援することで、社会をよりよく変えていくという助成財団の役割に
関心が高まっています。しかし、そのためには、助成財団とNPOとの関係の見直しや、
企業などを含めた助成財団を支える環境の強化など、新しい課題が現れてきています。
当研究会では、NPOとの協働によって、助成財団がどのように社会を変革していけ
るのか。良い関係とはどのような関係なのか。また、それを活発にする環境をどう作っ
ていくのかをシンポジウムを通して議論していきます。ぜひ、ご参加ください。
■シンポジウムプログラム
第1部 基調講演「今なぜNPOと助成財団の協働が必要なのか」
講 演:雨宮孝子氏(松蔭女子大学教授)
第2部 「NPOと助成財団の協働で社会がどう変わろうとしているのか」
パネラー
石崎 登氏((財)三菱財団常務理事)
加形拓也氏(環境NPO奨学生(東京大学4年))
近藤恒夫氏(日本ダルク本部代表)
中村 裕氏 ((財)ハウジングアンドコミュニティ財団プログラム・オフィサー)
水田 恵氏 (NPO法人自立支援センターふるさとの会代表理事)
山中千花氏 ((財)損保ジャパン環境財団プログラム・コーディネーター)
コーディネーター
堀内生太郎氏((財)損保ジャパン記念財団顧問)
第3部 「NPOと企業・助成財団の協働を進めるのに何が必要か」
パネラー
蟹江宣雄氏((財)トヨタ財団常務理事)
高成田亨氏(朝日新聞論説委員)
田村和久氏(ファイザー製薬(株)企業文化部長)
中村国生氏(NPO法人東京シューレ事務局長)
山岡義典氏(法政大学教授) ほか
コーディネーター
松原 明氏 (シーズ事務局長)
資料代:2千円
申込み:申込用紙で、FAXにてお申し込みください。
主 催:NPO支援財団税制研究会
後 援:(財)公益法人協会、シーズ、(財)助成財団センター、日本NPOセンター
協 賛:(財)伊藤忠記念財団、(財)キリン福祉財団、(財)損保ジャパン環境
財団、(財)損保ジャパン記念財団、(財)トヨタ財団、(財)三菱財団
お申し込み・お問い合わせ先:
NPO支援財団税制研究会 事務局
(財)損保ジャパン記念財団 担当:田中・境
電話:03-3222-3622 FAX:03-3222-3634
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp/newsinfo.php3?newsid=750
お知らせコーナーにて紹介
★☆★☆トクトクNPOサポート情報★☆★☆
★9月18日、19日、20日、24日、26日、27日更新の助成金情報です。
●(社)成年後見センター・リーガルサポート
公益信託成年後見助成基金 (9月30日締切)
●パタゴニア日本支社自然環境保護支援プログラム係
2002年度第1回「自然環境保護支援プログラム」 (9月30日締切)
●(財)花王芸術・科学財団 平成15年度科学技術研究助成 (9月30日締切)
●国際協力事業団
草の根技術協力事業(草の根パートナー型) (10月30日締切)
●(財)日本社会福祉弘済会
平成14年度日本社会福祉弘済会社会福祉助成 (10月31日締切)
●社会福祉法人群馬県共同募金会
平成14年度先駆的活動(ベンチャー)配分 (10月31日締切)
●(財)損保ジャパン記念財団
平成14年度社会福祉(自動車購入費)助成 (11月5日締切)
●(財)石本記念デサントスポーツ科学振興財団
第25回 (財)石本記念デサントスポーツ科学振興財団学術研究募集 (11月11日締切)
●(財)ユニオン造形文化財団
空間造形デザインに関する助成 (11月15日締切)
●(財)名古屋都市センター・特定非営利活動法人ボランタリーネイバーズ
なごや・まちコミ映像祭”2002”作品募集 (11月30日締切)
●社会福祉法人宮城県共同募金会 ボランティア・NPO活動助成金 (11月30日締切)
●(財)花王芸術・科学財団
平成15年度(第13回)芸術文化活動助成 (11月30日締切)
●(財)ロームミュージックファンデーション 2003年度助成 (12月16日締切)
●パタゴニア日本支社自然環境保護支援プログラム係
2002年度第2回「自然環境保護支援プログラム」 (2003年3月31日)
●国際協力事業団 草の根技術協力事業(草の根協力支援型) (常時募集)
●(財)花王芸術・科学財団
国際会議(材料分野、生命分野、情報分野、環境分野)の助成 (常時募集)
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp/subsidy_list.php3
トップページの〆切間近の助成金情報とまだまだあります助成金等情報で紹介
★9月17日、26日、27日更新のその他のNPO支援情報です。
●広島市私立保育所設置希望者募集 (10月15日締切)
●低・未利用地活用促進モデル調査平成14年度調査地区の募集 (10月18日締切)
●第3回 セブン-イレブンみどりの基金 環境ボランティアリーダー海外研修
(10月31日締切)
●第6回「こども未来賞」エッセイ募集 (11月15日締切)
▽詳細はシーズホームページで!
http://www.npoweb.gr.jp
トップページのその他のNPO支援情報にて紹介
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★シーズの活動は、C's会員の方々の会費と、皆様の寄付によって成り立っています。
お問い合わせは、シーズ事務局までお願いいたします。
e-mail : npoweb@abelia.ocn.ne.jp
TEL : 03-5227-2008
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