その他 : NPO7団体、難民支援緊急キャンペーン開始
特定非営利活動法人(NPO法人)難民支援協会など、日本国内の難民支援活動を行っている7団体は、5月から「難民支援緊急キャンペーン」を開始した。政府からの生活支援金が予算不足で打ち切られ、生活に困窮する難民が続出しているため、共同で寄付を集め、生活資金を支援する。
今回「難民支援緊急キャンペーン」を呼びかけているのは、国内での難民支援に取り組んでいる社会福祉法人や社団法人、NPO法人など下記の7団体。
・社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
・カトリック東京国際センター
・全国難民弁護団連絡会議
・社会福祉法人 さぽうと21
・社会福祉法人 日本国際社会事業団
・社団法人 日本福音ルーテル社団
・特定非営利活動法人 難民支援協会(事務局)
日本に対する難民申請は10年前の10倍以上に急増している。難民申請をしてから、実際に難民と認定されるまでには、平均2年以上かかる。難民申請者へは、その間の生活を維持するために、唯一の公的な生活支援金「保護費」が支給されていた。しかし、難民申請者の急増に予算の確保が間に合わず、予算不足に陥り、政府は、支給対象者を半減させることを決定した。呼びかけ団体によれば、月100人以上の難民が支給を打ち切られる見込みとのこと。在留資格のない難民申請者は就労を許可されず、働くことができない。また、生活保護も受けられないため政府からの保護費が、唯一の生活費であることが多い。そのため、保護費支給の打ち切りは生死に関わる問題となる。
こうした事態を受け、呼びかけ団体らは外務省に対して2008年12月に「難民申請者の生活保障のための措置を求める申し入れ」、2009年5月には再度「難民申請者の生活保障のための措置を求める再申し入れ」を行い、保護費の支給に必要な予算確保などの措置を講じるよう要請していた。
しかし、現実に支給を打ち切られる難民申請者が続出したことから、政府に対する支援体制強化を要望しつつ、緊急を要する支援を実施するため今回の寄付キャンペーンを開始。
キャンペーンは5月~9月末まで実施予定で、目標金額は5,000万円を目指す。既に、5月の開始から6月15日までに、約650万円(6,483,370円)の寄付金・助成金が寄せられている。単身者で1人当たり30,000円を基準に、支援金の支給も開始。既に162人(延べ269人)に支給が行われ、申請者からの感謝の言葉も寄せられている。
キャンペーンへの寄付は、事務局を担当する認定NPO法人難民支援協会へ、クレジットカード・郵便振替・銀行振り込み・現金書留で可能。難民支援協会は認定NPO法人であるため、キャンペーンへの寄付金は寄付金控除を受けられる。
また、寄付(1口5万円、2口以上)で協力する「協賛団体」と、広報などで協力する「賛同団体」も募っている。
認定NPO法人難民支援協会事務局次長の石井宏明氏は、
「自由を求めて日本に逃れてきた難民の生活が困窮しています。今まで外務省の生活支援金に頼っていた難民申請者100名以上、明日をも知れず、いつ住む家を追い出されるか分からない状況で、NPOに助けを求めて私たちのところに来ています。
本来、日本は難民条約に加入し、難民を保護することを国際的に約束しています。難民をホームレスにしないように、最低限のセーフティネットは政府の資金でお願いしたいのですが、申請者の予想を超える急増で予算が枯渇した今、予算増額に向けた働きかけと、民間でも何とか当面の危機をしのげるように緊急カンパを実施しています。みなさまのご協力を切に願っています。」
と呼びかけている。
キャンペーンに関する問い合わせは難民支援緊急キャンペーン事務局まで。
Tel.03-5379-6001 Email: info@refugee.or.jp
難民支援緊急キャンペーンの詳細は、認定NPO法人難民支援協会内の下記ページを参照。キャンペーンの経過報告も掲載されており、オンラインでクレジットカードによる寄付も可能になっている。
http://www.refugee.or.jp/support/kifu_2009em.shtml