その他 : 新公益法人制度、半年で公益認定は5件
6月2日、内閣府は昨年12月からスタートした新公益法人制度の利用状況を公表した。公表されたのは、2008年12月から2009年5月までの半年分の移行認定・移行認可・公益認定に関する申請数など。公益認定の申請は全国で26件、期間中に公益認定されたのは5件だった。
内閣府は、公益法人information内に「新公益法人制度における全国申請状況(平成20年12月~平成21年5月)」というお知らせを掲載。その中で「新公益法人制度における全国申請状況(H20.12.01~H21.5.31)」という参考資料を公表した。
その資料によると、平成20年(2008年)12月から平成21年(2009年)5月の半年で、旧公益法人から公益社団・財団法人(新公益法人)への移行認定の申請は105件となっている。105件中、実際に可否の判断がなされた(処分)件数は13件。13件の移行認定は全て認められている。
また、旧公益法人から一般社団・財団法人(一般法人)への移行認可の申請は33件と、移行認定の約3分の1の件数にとどまっている。33件中、実際に可否の判断がなされた(処分)件数は6件。6件の移行認可も全て認められている。
移行認定・認可に関しては、平成19年(2007年)10月段階で全国に約2万5000法人存在している旧公益法人(特例民法法人)の内、申請があったのは計138法人、割合にして0.55%に過ぎない。旧公益法人(特例民法法人)は新制度施行後5年以内に移行認定・認可の申請をしなければ、解散したとみなされるため、多くの法人は移行申請を行うものとみられる。しかし、今回公表された結果から推測するに、多くの法人は新制度運用の様子見をしており、実際の申請は行っていないようだ。移行に関して処分を行ったのは、全国で9都府県・内閣府のみで、大半の自治体ではまだ答申も出ていない。そのため、今後もしばらくこのような低申請数の状況が続くことが予想される。
一方、一般社団・財団法人から公益社団・財団法人になるための公益認定の申請は、26件となっている。
認定NPO法人制度はスタート後半年で申請件数が11件であった。制度設計が大きく異なるために正確な比較はできないが、認定NPO法人のスタート時と比較して、公益認定の申請件数は比較的好調とも言える。これには、認定NPO法人には、最低でも2事業年度の実績が必要なのに対し、公益認定では実績は不要で、計画のみでも申請できることが影響していると思われる。
公益認定申請の26件中、実際に可否の判断がなされた(処分)件数は5件。5件の公益認定も全て認められている。内訳は、公益社団法人2件・公益財団法人3件。具体的には下記5法人が期間中に公益認定を受けた。
公益認定による公益社団・財団法人(公示順)
・公益社団法人にいがた被害者支援センター
・公益財団法人SchoolAidJapan
・公益社団法人福井被害者支援センター
・公益財団法人国際医学教育財団
・公益財団法人流財団
シーズでは、今後も新公益法人制度の運用状況を報告していきたい。
今回の公表内容は、公益法人information内の下記ページにて確認できる。(URLは短縮サービスを利用)
http://qurl.com/1q9w7