その他 : 選挙公約にNPO法・税制改正を、各党へ要望
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会は、政権公約(マニフェスト)向け「特定非営利活動法人(NPO法人)制度に関する要望書」を、6月30日までに自民党・民主党・公明党・社民党・共産党・国民新党・新党日本の所属国会議員を通じて、各党へ提出した。連絡会は、引き続き、要望事項がマニフェストに盛り込まれるよう働きかけていく。
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(以下、連絡会)は、1999年に設立された全国41のNPO支援センターの全国ネットワーク。NPO法改正や認定NPO法人制度の改正について、NPO側の意見をまとめたり、各地での制度改正の運動を展開している。シーズは世話団体の1つを務めている。
「特定非営利活動法人(NPO法人)制度に関する要望書(以下、要望書)」は、連絡会が6月15日にまとめた。
一.市民の自発性に基づき活動するNPOの社会貢献活動を支援し、より信頼性の高い制度にするため、特定非営利活動促進法(NPO法)の改正を行うこと
二.支え合い・助け合いの地域コミュニティ活動や国際援助活動などを活性化するため、認定NPO法人制度の大幅な改正と寄付税制の大幅な拡充を行うこと
上記の特定非営利活動促進法(NPO法)や認定NPO法人制度の改正などを要望している。
参考ニュース 「マニフェスト向け要望書を各党に提出へ」(2009/06/15)
/2009/06/その他-マニフェスト向け要望書を各党に提出へ/
要望書の提出は、各党のNPO・市民活動担当やマニフェスト担当国会議員を通じて行われた。(提出順)
■民主党( http://www.dpj.or.jp/ )
福山哲郎 参議院議員( http://www.fukuyama.gr.jp/top/ )
6月16日(火) 13:00~13:30
(提出時の模様 6/16)
福山議員とは、認定NPO法人が増えない点や法人認証・定款変更に4ヶ月もかかる点などの問題意識を共有。民主党としても、NPOや市民活動の重要性はよく理解していると述べ、また、NPOと議員との懇談会についても話題になった。
■社会民主党( http://www5.sdp.or.jp/ )
辻元清美 衆議院議員( http://www.kiyomi.gr.jp/ )
6月18日(木)12:15~12:30
(提出時の模様 6/18)
辻元議員は、「ぜひマニフェストに盛り込んでいきたい」と積極的な姿勢を示した。NPO法改正などについても意見交換を行った。
■公明党( http://www.komei.or.jp/ )
上田勇 衆議院議員( http://www.isamu-u.com/ )
6月19日(金)16:00~16:20
(提出時の模様 6/19)
上田議員とは、認定NPO法人制度やNPO法人認証の問題に加え、小規模NPO法人も申告が必要で、課税される点や、現行税制だと企業が物品を寄付するより、廃棄した方が税制上有利になってしまう点などについて意見交換を行った。
■日本共産党( http://www.jcp.or.jp/ )
吉井英勝 衆議院議員( http://www.441-h.com/ )
6月26日(金)11:00~11:20
(提出時の模様 6/26)
吉井議員には、認定NPO法人の審査が長期化し、認定数がなかなか増えない点や、定款変更も認証に4ヶ月もかかる点を説明。
吉井議員からは、「まじめなNPO法人が各地で地道に頑張っている中、暴力団関係など一部の悪しきNPO法人の問題が、行政側の規制強化の口実として使われる恐れがある。」との指摘があった。これに対しては、連絡会世話団体のシーズ事務局長松原が、「今回の要望書にもあるような『より積極的な情報公開』で、市民がNPO法人の情報をもっと簡単に調べられるようにしていきたい。情報公開を強化することにより、不適正な法人は排除していきたい。」と答えた。
■国民新党( http://www.kokumin.or.jp/ )
亀井亜紀子 参議院議員( http://akiko-kamei.home-p.info/ )
6月26日(金)13:00~13:20
(提出時の模様 6/26)
亀井議員には、認定NPO法人制度やNPO法人認証の問題を説明。
亀井議員からは、中山間地におけるNPOの活躍が話題になり、連絡会地域幹事団体のひろしまNPOセンター理事五百竹宏明氏から、島根県での学生・社会起業家の活動が紹介された。
■自民党( http://www.jimin.jp/ )
加藤紘一 衆議院議員( http://www.katokoichi.org/ )
6月29日(月)13:30~13:50
(提出時の模様 6/29)
加藤議員は、「NPO法改正に向けて、NPO議員連盟(NPO議連)としても積極的に取り組んでいきたい」と述べた。また、現在、全国で6市、北海道恵庭市、岩手県奥州市、千葉県市川市、千葉県八千代市、愛知県一宮市、大分県大分市に導入されている1%制度(※)についても積極的な姿勢を示した。
※1%制度:地方自治体が個人住民税の1%相当分を、住民の選んだNPOや市民活動団体、ボランティア団体などに交付する制度。東欧ハンガリーが発祥。
■新党日本( http://www.love-nippon.com/ )
田中康夫 参議院議員( http://yasu-kichi.com/ )
6月30日(火)15:00~15:20
(提出時の模様 6/30)
田中議員には、NPO法人・認定NPO法人制度の概略や現行制度の問題点を説明。田中議員からは、一部の問題のあるNPO法人について指摘があった。
これに対しては、日本共産党吉井議員の際と同様に、「『より積極的な情報公開』により市民による監視を強化し、不適正な法人は排除していきたい。」と答えた。
連絡会は要望書提出後も、要望事項がマニフェストに盛り込まれるよう働きかけを続け、マニフェスト発表後にはNPO・市民活動関連項目の検証も行う予定。