English Page

その他ニュース

2009年10月21日 21:30

その他 : 9割超が実績判定期間特例の恒久化を希望

 10月21日、シーズが実施した「認定NPO法人制度改正に向けた緊急アンケート」の結果が明らかとなった。88%が「実績判定期間2年の方が認定要件をクリアしやすい。申請準備しやすい。」と回答。来年3月で終了となる特例措置については93%が「恒久化・延長して、初回の実績判定期間は原則5年か2年の選択制とすべき」と答え、特例措置恒久化の必要性が浮き彫りとなった。

 

 この調査は、来年3月に終了してしまう実績判定期間の特例措置(※1)の恒久化、もう1年間の延長を実現することが最終目標。実際に認定申請を準備したり、検討している特定非営利活動法人(NPO法人)関係者の声を集め、政府(内閣府・財務省など)や国会議員へ届けることを目的に実施された。

※1「実績判定期間の特例措置」とは、初回と2回目の申請に限り、来年2010年3月31日までは、通常【原則5年】である実績判定期間が【2年】でも申請できる特例。

参考ニュース 「認定NPO、実績判定期間の特例がスタート!」 (2009/04/03)
/2009/04/その他-認定npo、実績判定期間の特例がスタ/

NPO支援センターの全国ネットワークで、NPO法改正やNPO法人関連の税制改正に取り組んでいる「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(連絡会)」は、10月2日に新政権向けの新しいNPO法人税制改正要望書を政府(内閣府)へ提出した。

参考ニュース 「NPO/NGO連絡会、税制改正要望書を提出へ」 (2009/10/7)
/2009/10/その他-npo-ngo連絡会、税制改正要望書を提出へ/

その中では、優先順位の高い項目として、特例措置の恒久化を要望していた。しかし、要望の必要性を支えるデータや事例が不足し、特例措置が今年度限りで打ち切られる可能性が出てきたため、緊急に実施したもの。

シーズの認定NPO法人関連イベント参加者や関連ブックレット購入者、会員・支援者などに電子メールにて、アンケートへの協力を依頼。また、連絡会や認定NPO法人ネットワークなどのメーリングリストを通じても、回答を募った。ウェブアンケート形式で、実施期間は10月5日~14日までの10日間。緊急の呼びかけにも関わらず、多くの方にご協力いただき計102件の回答が寄せられた。

「原則5年」と「2年(特例措置)」のどちらが認定要件をクリアしやすく、申請準備しやすいかを尋ねたところ、全体の約9割(88%)が「2年(特例措置)」と回答した。

理由や意見を聞いたところ、「5年分の申請準備負担は重すぎる」との声が多数寄せられた。また、「5年という期間の妥当性に対する疑問・批判」も多く、年々変化する社会的ニーズへ対応し、柔軟・迅速に事業を展開しているNPO法人の実績を判断するのには2年で十分との声があった。また、設立間もない法人は2年でよいこととの矛盾を指摘する意見もあった。一部には「原則5年」を希望する声もあったことから、選択制の導入が有望だ。

認定申請を行いたくても、人手が足りず、現場で活動を進めながら、膨大な申請書類に立ち向かわなければならないのが現状。NPO法人関係者からの切実な声から、現状を改善するために、制度改正を実現する必要性が明らかとなった。

「実績判定期間の特例(2年でも可)の恒久化・延長」について、どう考えるかを尋ねたところ、全体の9割超(93%)が「ぜひ特例措置を恒久化・延長して、初回申請の実績判定期間は原則5年か2年の選択制とすべき」と回答した。

理由や意見を聞いたところ、申請の事務負担軽減や申請に向けた意欲喚起のため、実績判定期間の特例措置の恒久化・延長を求める声が圧倒的多数を占めた。申請団体が有利な方を選択できるように、選択制導入への要望が多い。認定NPO法人の増加や寄付文化の発展には、特例の恒久化・延長によって初回申請のハードルを下げることが重要との指摘が多かった。

実際に認定申請を準備・検討しているNPO法人の圧倒的多数が、特例措置の恒久化・延長を希望している事実が明らかとなり、要望の実現に向け、大きく前進しそうだ。

また、両問の意見では認定NPO法人制度の抜本的な改革を望む声も多かった。短期的なスパンでの制度改善と共に、中長期なスパンでは抜本的な改革が必要になると思われる。

—————————————————————-
●緊急アンケート集計結果
【Q1】実績判定期間は原則5年か2年(特例措置)、どちらの方が認定要件をクリアしやすいですか?(申請準備しやすいですか?)
2年(特例措置)の方:88%
原則5年の方:9%
その他:3%

理由や意見(一部抜粋)
・5年だと提出する資料の作成に膨大な時間が取られ、そのような時間を費やせるほどのスタッフが雇えないこと、またデータ管理も大変なので5年は長すぎる。
・元々の判定期間は2年でした。それでも膨大な書類の準備が必要でした。それが2.5倍になっている現状は、ぜひ改善すべきと思います。
・5年間の集計、詳細な一覧表や名簿等を作成するのは大変な作業になる。
・2年の方が準備ははるかに楽になります。なぜNPOにそこまで負担をかけて5年間も見る必要があるかの説明がほしいです。

・2年の実績があれば判定期間としては充分ではないかと思います。市民活動の活性化を図るためには、スピーディな展開が必要です。
・原則5年とすれば、多くのNPO法人が申請できず、今後認定NPO法人の大幅な拡大は無理と思われます。
・最低二年の活動期間はその団体の質を検証するためには最低限の時間であると思います。時の経過は早く活動を促進させるためには速やかに実績判定をしてあげる必要があると思います。

・実績判定2年では法人の運営や事業実績が判断しにくいのではないかという危惧があり、原則5年かとも思います。

【Q2】実績判定期間の特例(2年でも可)の恒久化・延長についてどう思われますか?
ぜひ特例措置を恒久化・延長して、初回申請の実績判定期間は原則5年か2年の選択制とすべき:93%
特に恒久化・延長する必要はない(原則5年のみでよい):3%
その他:4%

理由や意見(一部抜粋)
・認定が獲得しやすい方向で、各団体の活動状況に応じて、選択できる形にすべきです。
・認定のハードルが高く、5年ではとても対応できない。
・地方の小規模NPO法人は、総務や会計業務をしているスタッフも他の事業との掛け持ちが多い。できるだけ事務処理の負担を減らして、本来の活動業務を行えるようにしたい。会計担当がその業務のみ仕事をしていればいいというゆとりはありません。NPOがもっと組織力を強化するためにも、事務処理は少ない方が良いと考えます。
・2年間の実績で判定する特例措置は、恒久化するのが現実的な実態を反映した措置であると確信します。全NPOの中で50%とは言わなくても、せめて30%程度が、認定NPOと認められる社会、世の中になって貰いたいと切実に思います。
・判定期間は2年、有効期間は5年。さらに更新制度の導入など、市民活動を市民の寄付で支える社会を進めようとする制度に変えていく必要があります。
・限られたスタッフが、日夜目一杯の行動に取り組んでいますので、認定のための書類の作成・手続き等については、簡潔であることが望ましいと考えます。同様の状況は、他の団体でも言えることだと捉えられますので、特例措置の恒久化を強く求めます。
・NPO法人となっても、認定がもらえなければ、財政は大変厳しく、活動が年々小規模になっていかざるを得ない実情があります。二年頑張れば、認定の申請ができる、というのは多くのnpo法人にとって希望の光であると思います。うちもたとえ今年申請してダメでも、次年に希望がつなげればうれしいです。ぜひ、このまま二年判定の道を閉ざさないでいただきたいと切に願います。
・特例期間がたった1年間というのは極めて短い。このままだと特例措置の効果や認定法人増加における社会的影響を検証できないのではないだろうか。恒久化の是非を検討するために、先ずは期間延長を要望する。
—————————————————————-

今後、連絡会やシーズでは、なんとしても特例を恒久化・延長できるよう、全力で取り組んでいく。

この場を借りて、急なお願いにもかかわらず、緊急アンケートにはご回答いただいた皆さまのご協力に心より感謝申し上げたい。

ページ上部へ戻る

MAILMAGAZINE

NPOに関する政策・制度の最新情報、セミナー・イベント情報など月数回配信しています。 NPO法人セイエンのメールマガジン登録ご希望の方はこちらから

contact

特定非営利活動法人
セイエン/シーズ・市民活動を支える制度をつくる会(清算手続中)

〒108-0014
東京都港区芝四丁目7番1号 西山ビル4階
※2021年4月1日より、新住所へ移転しました。シェアオフィスでスタッフは常駐していません。ご連絡は電話・メール等でお願いいたします。2022年4月よりFAX番号が変更になりました。

TEL:03-5439-4021
FAX:03-4243-3083
E-mail:npoweb@abelia.ocn.ne.jp
ホームページ:http://www.npoweb.jp/

事務所地図・交通アクセス

  • 東京都「認定NPO法人取得サポート」
  • NPO法改正&新寄付税率
  • 震災支援情報
  • 認定NPO法人になるための運営指南