その他 : JANICら4団体、ODA改革フォーラムを開催
政府開発援助(ODA)の改革に取り組む国際協力NGOセンター(JAINIC)・ODA改革ネットワーク・関西NGO協議会・名古屋NGOセンターの4つのNGOは、11月28日(土)に「第2回ODA改革パブリックフォーラム」を東京・渋谷にて開催する。現在、幅広く参加者を募集中。
共催の4団体は一連のODA改革について活発な提言活動を行ってきている。
参考ニュース 「NGO、『国際協力省』創設を共同提言」 (2006/02/23)
/2006/02/行政-ngo、「国際協力省」創設を共同提言/
ODA改革パブリックフォーラムは、これらの活動の一環として、日本のODAの課題や見直しについて、幅広く参加を呼びかけ、議論するもので今年が2回目。
昨年9月30日に、新JICA(国際協力機構)の誕生が間近に迫る中、開催された第1回フォーラムでは、ODAのあり方や実施体制、NGOの参加などについて活発な議論がなされた。
第一部のオープニングでは、国際協力NGOセンター(JANIC)副理事長の谷山博史氏が、援助効果に関する「パリ宣言」や「アクラ行動課題」など国際協力・援助分野の世界的な潮流を紹介しながら、日本のODAが抱える課題を指摘。龍谷大学研究フェローの中村尚司氏は「国家による開発協力」から「民際交流」への転換やODA評価へのステークホルダー参加、援助国・被援助国双方での市民参加の実現について講演した。
第二部は分科会形式でテーマ別の議論が行われた。分科会1「ODA の意義と役割」では、ODAの目的や一元化の問題をはじめ、ODAを検証する重要性、説明責任と対話の場の必要性などが話題になった。分科会2「新生JICAはどのように生まれ変わるのか?~NGOの視点から考える」では、国際協力機構(JICA)と国際協力銀行(JBIC)との統合について、JICA・JBIC側とNGO側が集い、双方の理解を深めた。分科会3「開発の主役はだれか?~「住民」参加と「市民」参加」では、住民参加・市民参加に関してODA の改革・改善の問題だけでなく、NGOのあり方についても議論された。
第三部の全体会では、外務省やJICA、国会議員、NGOなど幅広い関係者が参加し、全体の論点や意見の共有を行った。
2回目の開催となる今年は、共催の4団体が事前に「国際協力・ODAの抜本的見直しに関する国際協力NGOの共同提言2009」をまとめて、公表。賛同団体も募り、2009 年11 月2 日現在で34団体が賛同している。この共同提言はフォーラムの場で紹介し、ODA改革を議論するベースになる予定。国際的な合意である「ミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)」や先進援助国の援助改革指針「援助効果にかかるパリ宣言」など、国際社会の援助動向を踏まえて、日本のODAのあり方について議論を行う。
第2回ODA改革パブリックフォーラムの概要は下記の通り。
———————————————————-
「第2回ODA改革パブリックフォーラム」
開催日:2009年11月28日(土)13:45〜21:00
共催団体:(特活)国際協力NGOセンター(JAINIC)、ODA改革ネットワーク、(特活)関西NGO協議会、(特活)名古屋NGOセンター
助成団体:(財)大竹財団
事務局:(特活)国際協力NGOセンター(JAINIC)
対象:どなたでも参加可能。要事前申込み。
参加費:1000円 (学生は500円)
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター (会議室:国際交流棟 国際会議室、他3室)
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1 (小田急線参宮橋駅から徒歩7分)
地図: http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html
■プログラム
第1部 13:45~14:45 趣旨説明と共同提言書の発表
第2部:15:00~17:00 分科会
分科会1:『援助効果にかかるパリ宣言』の視点から見た日本のODAの課題とODA実施体制
分科会2:MDGs達成に向けた日本のODAの課題とODA実施体制
分科会3:軍による人道復興援助とODA
分科会4:ODA上位政策への市民参加プロセスのあり方に関する課題とODA実施体制
第3部:18:00~21:00 全体討議 『ODA基本法そして国際協力省 是か非か』
■お問い合わせ・事務局連絡先
特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC)
JANIC調査・提言グループ担当
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 アバコビル5F
Tel: 03-5292-2911 Fax: 03-5292-2912
E-mail: advocacy○janic.org (○を@に変更)
———————————————————-
詳細な内容や申し込み方法は、NPO法人国際協力NGOセンター(JANIC)の下記案内ページを参照。
http://www.janic.org/news/2oda1128.php
前回、第1回ODA改革パブリックフォーラムの報告は下記ファイルを参照。
http://www.janic.org/mt/img/activity/oda_sugg060215.pdf
———————————————————-
国際協力・ODAの抜本的見直しに関する国際協力NGOの共同提言2009 主要項目
1.定義、目的、理念
日本政府は、ODA の定義、理念、目的を以下のように確認し、かつ次項に規定する原則に従って適正かつ有効に実施されるよう必要な体制を整備し、資金を確保して計画的かつ効果的に実施すること。
2.基本原則
1)最貧地域、最貧層、社会的に弱い立場の人々の優先及び住民の主体的参加の尊重
2)人権、民主化、ジェンダー配慮の促進
3)貧困削減に向けての国際的協調
4)平和共存理念の一貫性の確保
5)情報の公開、説明責任の促進
6)「悪影響をもたらさない」原則の尊守
3.実施体制
1)国際協力省の設立
2)ODA 基本法の制定
3)NGO との連携及び自立した市民活動の促進
4.政策
1)社会開発、人間開発分野の無償資金協力ODA の増額
2)『パリ宣言』の履行と開発効果向上への取り組み
3)気候変動と適応基金
4)悪影響をもたらさないための実効的な手段の確保
5)官民連携政策の見直し
———————————————————-
「国際協力・ODAの抜本的見直しに関する国際協力NGOの共同提言2009」の全文は下記。
http://www.janic.org/kyodoteigen2009%201102.pdf