シャプラニール=市民による海外協力の会 勝井裕美さん
シャプラニール=市民による海外協力の会 勝井裕美さん
シャプラニールは1972年に設立された民間海外協力団体(NGO)で、平和で公正かつ多様な地球社会の実現を目指し、特定の政治・宗教団体・企業などに依存することなく、一般市民のご理解とご支援によって活動しています。
団体ホームページは
http://www.shaplaneer.org/index.htm
●1.課題
私たちがすすめている「ステナイ生活」は書き損じハガキや古本など家庭に眠るモノを国内で換金し、南アジアでのストリートチルドレンなどの支援活動に役立てようという寄付方法の1つだ。
募金よりもハードルが低く、気軽にできる海外協力方法として、また暮らしの中の「もったいない」の気持ちをいかしたエコな取り組みとして、協力者が増えてきている。
しかし、2004年度当時の課題は「意外と当会の会員といった支援者の方々の認知度が低く、協力が少ない」というものだった。
●2.チャレンジ
そのため、2004年度の、書き損じはがきの送付が多くなる12月に会員の方々に送る会報の封筒に一工夫を施した。
それは、切り取ったら、書き損じハガキを入れて返送してもらえる封筒になるように、会報封筒の裏面に返信用封筒を印刷したこと。封筒の形の切り取り線とシャプラニールの郵便番号、住所などを印刷しておくことで、①線に沿って切り取り、②その中に書き損じハガキを入れ、③封をして、④切手を貼れば、簡単に送れるようにしたのだ。
会員全員の手元に届く会報の裏面に印字することで認知度を高め、また返信用封筒自体を届けることで取り組みやすくしたのである。会報の中に返信用封筒を別途入れるという方法もあったが、「ステナイ生活」に反する、また経費の面からも、封筒裏面印刷となった。
●3.エピソード
だが、返信用封筒の形、内容を決めるまでは様々に検討をした。どのように印刷すると封筒らしく見えるか、どのような呼びかけをするとより「ハガキを送ろう」という気持ちになるのか、といったことを議論して決めていった。
例えば、ハガキの枚数毎の切手の金額を記載して、わざわざ切手の金額を調べなくてもいいようにした。
●4.結果
結果として、前年度の同時期の書き損じハガキ送付件数と比べ約50%増となった。
また、会員といった支援者の方からの協力件数は前年度が全体の12%だったのに比べ、2004年度は63%と大幅な増加を示し、当初の課題は改善された。
その後も、会報の封筒には必ず返信用封筒を印刷して、送ろうと思った時に送れるようにしている。だが、より送りやすい(見やすい)返信用封筒を目指して、細かな改良はいつも行っている。
●5.教訓!
支援したい気持ちを活かすも殺すも、取り組みやすさの一工夫次第。