被害者サポートセンターあいち 河合裕子さん
被害者サポートセンターあいち 河合裕子さん
被害者サポートセンターあいちは犯罪の被害者やその家族(遺族)の置かれている状況を踏まえ、ボランティアによる電話相談、その他各種活動を通じて被害者の被害の回復若しくは軽減又は平穏な生活の回復を早期かつ継続して支援することを目的として平成10年2月20日愛知県知事の許可を受けて設立された社団法人で、会員の会費、寄付金等で運営しています。
団体ホームページは
http://www.higai7830.or.jp/index.htm
●1.課題:より良い支援を提供できるために、財政基盤を安定させよう
お金がなければ何もできない。家計を預かる主婦としては、安定した夫の収入があるから、安心して生活できる。結婚する時、夫に求めた理解力と経済力。今、私がこのような活動ができるのも、家庭という安定したものがあるからである。
あいポートでは、皆様からの浄財で支援活動を行っている。財政基盤は安定していない。もちろん、世の中に支援活動に対する理解があるのか?といえばまだまだである。そこで、あいポートって何?どんなところ?というものを理解してもらい、財政面での援助をいただき基盤の安定を図ること。これが課題である。
●2.チャレンジ:まずは、寄付集めではなく経費の削減
相手にセンターを理解してもらうには、どのようにしたら良いのだろう。
私は、犯罪被害者に対しての支援活動を行う支援員ではない。被害者支援活動の必要性をどのように伝えたら良いのか。相手をこちらの世界へ巻き込むことの難しさ。
「もし、あなたが・・・。」といったストーリーで試みてみる。が、あまりしっくりこなかった。
私が、困っていることは何だろう。と考えてみると、お金のやりくりであった。寄付を集めるのは難しい。支出を減らすことなら可能だと。
●3.エピソード:お金だけではない。
あいポートでは、皆様に活動のご理解とご支援をいただくために街頭活動を行っている。リーフレットには思いを込めている。でも、街頭で配布してもなかなか受け取ってもらえない。私もそうである。休日、街頭で配られているチラシを受け取ることはない。けれども、何か物だとついつい受け取ってしまう。
そこで、リーフレットと一緒に何を配布したら手にしてもらえるかを考えてみた。私は主婦である。日常使っているものをじっくりみていると、このような物をもらえたら受け取るわ。と思うものがあった。その製品には、お客様相談室の記載があった。フリーダイヤルの電話番号まで載っている。
そこで、お客様相談室へ電話をしてみた。担当者の方は本当に丁寧である。きちんと話も聞いてくださる。「私のセンターの概要。チラシだけ配っても受け取ってもらえない。この商品を配っていたなら手にしたい。だから、製品を私たちのセンターへください。」と。当然、「はい。わかりました。」と返事をすることはない。「後ほど、担当者から連絡します。」といって終わる。私としては、担当者から連絡を頂けることが嬉しい。話を聞いて、検討してくださる機会をいただけるわけなのです。
お願いをした何社からは、実際に貴重な製品をたくさん協賛してくださいました。街頭での活動では、貴重な製品と一緒に、いつもよりたくさんの方にリーフレットを受け取っていただき、目を通してくださったこと、それにより、今まで知らなかったセンターへ、協力をと考えてくださった方に、感謝です。
●4.まとめ:感謝の気持ち
私自身、本当に多くの皆様に支えていただき今日まできました。センターの活動を少しでも多くの方に理解していただき、ご支援いただきたいとの思いで頑張ってきました。
支援者からの支援の形というものも、様々です。シーズ研修会の中で、支援者からの支援=お金ではない。という言葉がとても印象に残りました。寄付金という、お金というものにしか目がいかず、いろいろな支援のかたちがあるのだということに気付かせていただきました。
常に言われた、相手のことを一番に考えること。自分だったらどうなのか。相手のニーズをキャッチするのは簡単なことではありません。相手の立場になって考えて、どのような協力ならできるのか。そんなことを考え、スタッフと協力しながら寄付集めに奮闘しています。
前回、行事に際し、一口千円の協賛金をお願いしました。賛同しやすい金額とはいくらなのか。スタッフと話合い、スタッフで皆様にお願いをしました。多くの方からご賛同いただき無事に終えることができました。
理解力が団体の支えになる。より良い被害者支援を提供するために、これからも皆様からのご理解でご支援ご協力をいただき、すべてに安定した団体でありたいと思います。