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ファンドレイジングのノウハウ

2009年12月28日 16:42

Step.4 関係開拓

ファンドレイジング基礎知識
Step.4 関係開拓

関係開拓・・・これは、「寄付者とのコミュニケーションをどう築くか」と言い換えることができます。Step2では、「潜在的な寄付者」を見きわめ、Step3では、彼らがどんなニーズを持っているのかを考えました。

それらをふまえて、彼らと、どう知り合い、どうやって関係を深めていくか、その方法について考えてみたいと思います。

●ツーステップ営業
「ツーステップ営業」という言葉があります。

通信販売業界などでよく使われるもので、「商品の販売は2段階アプローチで行え」という意味を持っています。

「2段階アプローチ」の1段目は「潜在的な顧客と知り合い、関係を築く」段階です。イベントや試供品の提供などを通じて、関係づくりをします。

ここでのポイントは、商品そのものをPRして、商品や会社に対する一定の「信頼」を潜在的な顧客から得ることや、アンケートなどを使って、できるだけ多くの人の情報を獲得することです。

2段目は「それぞれの顧客に応じたアプローチをする」段階です。1段目で得た情報をもとに、顧客を年齢や性別、居住地、嗜好などによってセグメント(区分)した上で、どのセグメントに購買を訴えるかを決め(ターゲティング)、それぞれに適切なアプローチをします。その人にあった新製品の案内を送ったりするわけです。

このように、2段目になってはじめて、通信販売業者は顧客に購買を促します。顧客は1段目で、その企業と商品にある程度の信頼感を得ていますから、送られた情報が自分の購買意欲を刺激してくれるものであれば、実際にお金を出すのです。

「寄付者の開拓・特定」は「ツーステップ営業」と同じです。潜在的な寄付者とできるだけ多く関係を築き、そこから得た情報をもとにセグメント(区分)し、どのセグメントにアプローチするかを決め(ターゲティング)、それぞれにあったアプローチを実行する。通信販売業界と違うのは、顧客が寄付者に変わっているだけです。
 セグメントし、ターゲティングし、関係を築くまでが「寄付者の特定・開拓」に当たります。

環境関連のNPOであれば、環境問題についての講演会を開催するなどして、「環境」というカテゴリに興味のある人と関係を築く。その情報を活用しつつ、何らかの解決プログラムを開発・提示し、寄付を集めるという流れになります。

●名簿管理
寄付者との「関係強化」で重要なことは、その寄付者の情報を名簿に記入しておくことです。ファンドレイジング・サイクルを通じて、その寄付者の考え方や寄付志向などが徐々にわかってくるはずです。それを記録し、さらなる関係強化に役立てるようにしましょう。

会員や寄付者はもちろん、日々の活動の中で出会う人はたくさんいます。イベントに参加してくれた人、アンケートに答えてくれた人、よその会合で名刺交換をした人なども、将来の会員、寄付者となる可能性のある人たちです。

名簿には氏名や連絡先などの基本的な項目のほか、どういう方法でアクセスしてきた人なのか、誰からの紹介なのか、過去にどういう意見を言ってきた人なのか、こちらからどういう資料を送っているかなどについても情報を掲載しましょう。

こうしておくと、いざ問い合わせがあったときに適切に対処することができ、こちらから資料を送る際にも、どの資料を送ればよいのかなど、無駄のない対応を行うことができます。

手間のかかる、根気を要する仕事ですが、ファンドレイジングをする上での基本資料となるものですから、きちんと管理していきましょう。

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