その他 : 定額給付金の寄付は0.4%、高齢者は多い傾向
1月15日、内閣府は「定額給付金に関連した消費等に関する調査」結果を発表した。定額給付金の認知度は99.9%と非常に高く、対象世帯の98%が受給。定額給付金を消費として支出した内、寄付金は0.4%に過ぎなかったが、高齢者世帯では寄付金の割合が比較的高かった。
定額給付金は、2009年3月4日の2008年度第2次補正予算の財源関連法案成立により、3月5日から順次、全国の市町村で支給が開始された。2009年2月1日を基準日とし、18歳以下あるいは65歳以上の者には2万円が、それ以外の者には1万2000円が支給された。
総務省によると5月28 日には全ての自治体で給付が開始され、12月18日時点では、対象世帯の97.7%に給付済み。申請期限は受付開始から6か月だったので、11 月末には全ての自治体で申請期限を迎え、給付が終了した。
定額給付金については、当初の目的が、「物価高騰の影響を受ける生活者支援」だったこともあり、ホームレスやひとり親世帯、DV被害者など社会的弱者の支援を行うNPOが、最初に寄付の呼びかけ。その後、幅広い分野のNPO/NGOが定額給付金の寄付を呼びかけた。
参考ニュース「各地のNPO、定額給付金の寄付を呼びかけ」(2009/04/13)
/2009/04/その他-各地のnpo、定額給付金の寄付を呼び/
参考ニュース「定額給付金基金、寄付文化創造フォーラム」(2009/07/10)
/2009/07/その他-定額給付金基金、寄付文化創造フォーラ/
また、大阪府や川崎市などは定額給付金の自治体への寄付を呼びかけた他、横浜市などは一旦市が寄付を受け入れ、NPO/NGOへ支援を行う仕組みで寄付を集めた。
「定額給付金に関連した消費等に関する調査」は、今回の「定額給付金の給付を受けて家計がどのような消費行動を示したかを検証すること」が今後の政策を考える上でも重要であるとし、実施された。
調査期間は、平成21年(2009年)4月から9月末までの半年間。
調査対象は、無作為抽出された全国の15,000世帯で、世帯別の訪問・質問紙調査。有効回収数は9,194世帯で、有効回収率は61.3%だった。
調査項目は、(1)定額給付金の認知度・定額給付金の受取状況、(2)定額給付金に関連した消費支出の内容、(3)定額給付金による消費増加効果、(4)特典付き商品券を使用した消費支出の内容など。
調査結果では、定額給付金の認知は、99.9%となり、ほぼ全ての回答者が定額給付金事業を認知していた。具体的内容についても9割近くが認知していた。
世帯で受け取った定額給付金の金額は、「4~5万円」とする世帯が3割弱(28.2%)、「2~3万円」が2割弱(17.2%)などとなった。1世帯あたりの平均額は、4万4840 円。
定額給付金が「消費として支出(消費支出)※1」された割合は、「100%」とする世帯が5割(50.0%)となる一方で、「0%」とする世帯が3割弱(26.9%)を占め、両極端な結果。1世帯あたりの平均は、6割強(64.5%)。
※1:税金・公的年金保険料・健康保険料の支払いや預貯金、借入金の返済、株式購入等への支出を除いた支出
定額給付金による消費支出の内容(定額給付金がどのような商品・サービスに支出された)は、「教養娯楽」が4割弱(37.6%)とトップ、次いで「食料(11.7%)」「家具・家事用品(10.0%)」「被服及び履物(8.6%)」「交通・通信(8.3%)」が1割前後で続いた。
今回の支出項目には、「寄付金」も含まれていたが、その割合は0.4%に過ぎなかった。
世帯構成別に詳しく見ると、65歳以上の高齢者がいない世帯で、子どもがいない世帯は0.4%と平均並みだったのに対し、子どもがいる世帯は0.1%と開きがあった。
また、65歳以上の高齢者のみの世帯では1.2%、うち高齢者単身世帯では2.6%となり、高齢者世帯では寄付金の割合が平均の3倍~6倍に上った。
「定額給付金に関連した消費等に関する調査」については、内閣府サイト内、下記ページを参照。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/kyufukin.html