その他 : H20年度、企業の寄附金支出額は約5千億円
3月16日、国税庁は平成20年度分「会社標本調査~税務統計から見た法人企業の実態~」の結果を公表した。それによると、株式会社など企業の寄附金総額の推計は4940億円で、前年度比3%増。その内、認定NPO法人や特定公益増進法人への寄附金は700億円だった。
「会社標本調査」は国税庁が昭和26年(1951年)度分から始まり、以後毎年実施している標本調査。
日本の法人企業について、「資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすること」を目的にしている。今回が第59回目。
休業及び清算中の法人や一部の一般社団・財団法人を除く、「内国普通法人(株式会社(旧有限会社を含む)・合名会社・合資会社・合同会社・企業組合・相互会社・医療法人など)」が対象。公益法人や特定非営利活動法人、協同組合、任意団体等は含まれない。
一定の抽出率で調査対象を抽出し、集計。その結果から、全体を推計する形式。集計数値は法人税の確定申告書等に基づいている。平成20年度の標本法人数は、51,719社だった。
会社標本調査には、「寄附金」についての項目があり、企業(内国普通法人)の寄附金総額や業種別内訳、営業収入あたりの寄付金額などを把握することが可能。
今回発表された平成20年度分結果によると、日本の企業の年間寄付総額は推計4,940億円で、前年度の4,785億円に比べ3%の増加。その内、指定寄付金(国・地方公共団体や共同募金会などへの寄附金)が1,265億円、特定公益増進法人や認定NPO法人への寄付金が700億円だった。
寄附金支出額はかなり変動があり、一定した傾向は見られないが、ここ2~3年は増加している。
業種別で見ると、「化学工業」が809億円と全体の2割弱を占め、突出している。
【平成10年度分からの寄附金支出額/前年度比増減】
平成10年分:4,938億円/-14.0%
11 :4,830億円/- 2.2%
12 :4,701億円/- 2.7%
13 :4,785億円/1.8%
14 :5,092億円/6.4%
15 :5,377億円/5.6%
16 :4,532億円/-15.7%
17 :5,032億円/11.0%
18 :4,756億円/-5.5%
平成18年度分:4,507億円
19 :4,785億円/6.2%
20 :4,940億円/3.2%
※平成18年度が重複しているのは調査対象事業年度の変更に伴うもの
寄付関連以外の注目される結果では、欠損法人(いわゆる赤字法人)が全体の7割超(71.5%)となり、調査開始以来初めて7割を突破。こうした状況は企業の寄附動向に影響を与える可能性もある。
平成20年度分「会社標本調査」の詳細は、国税庁サイト内、下記ページを参照。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/kaishahyohon2008/kaisya.htm