認定NPO法人霧多布湿原トラスト 三膳時子さん
認定NPO法人霧多布湿原トラスト 三膳時子さん
1987年、8月霧多布湿原ファンクラブが設立されました。
地元有識者が代表となり、10数名の地元人が運営委員となり、霧多布湿原の私有地を借り霧多布湿原を「未来の子どもたちへ」残すというミッションを掲げ活動し始めました。
霧多布湿原の周囲がほとんど私有地であるため、この私有地を残せるかが、大きな鍵となりました。
団体のホームページはこちら
http://www.kiritappu.or.jp/
●1.ファンが広がり認定取得へ
ナショナルトラスト運動が借りるという手法を用いて活動したことは、当時大変めずしい手法だったらしく、メディアにも大きく取り上げられました。
「霧多布湿原の好きな人この指と~まれ」方式にし、会費1000円を募ったのです。
最大級の原生花園であることや、湿原に群生する花のじゅうたんを剥ぐように、花が移り咲くことを、全国にPRされたことで、北海道に一度は行ってみたいという憧れの会員の方も多く増えました。
この湿原を未来のこどもたちへ残したい、そのためには、霧多布湿原を多くの方々に知っていただかなければなりません。
湿原情報をいつでも伝えられるように、またいらっしゃるお客様におもてなしの言葉を伝えることに専念をしました。
一会員のお一人が、会社では応援していたが、自分が霧多布湿原へ来るのは初めてといい遊びに来てくださった方が、霧多布湿原の魅力に虜になりました。
私が応援できることは何か?都会の私たちが、このような場所を求めている、「がんばってね」といって帰るが、霧多布では人が少ない、東京にいるたくさんの人々に霧多布湿原を知ってもらう、ファンクラブ東京(勝手連)を結成したのです。
勝手連の皆さんは、リタイヤ後の自分のライフワークで霧多布湿原の広報活動や社会貢献をしたいとの事で、積極的に動いてくださりました。
霧多布湿原トラストの認定NPO取得を力強く後押しをしてくれたのも、ファンクラブ東京の皆さんでした。認定NPO取得後の企業の関心は大きく変わりました。
●2.「50万坪湿原買い取りプロジェクト」
昨年、大きな民有地の売買の話が持ち上がりました。
その湿原は、霧多布湿原の代表的は場所であり、誰もが、霧多布湿原を一望させるために必ず、お客様をお連れするという場所でした。会員はもとより全国の方、何より地元の方々が寄付をしてくださり、「この湿原を未来の子どもたちへ残す」という私たちのミッションに賛同してくれた「50万坪湿原買い取りプロジェクト」が成功し、買い取ることができました。
おかげさまで、買い取りした面積は昨年末で、586平方メートルになりました。
まだ、買上げ保全しなくてはいけないところはありますが、最大級の民有地が買い取りができたことは、寄付金も嬉しいことでしたが、それに添えられたメッセージは、今までの活動が認められたという確かな証を見たようでした。なんといった言葉がこの感謝を伝えるのにふさわしいのか、わからなくなるほど、嬉しいものでした。
●3.30年前の湿原を取り戻すために
霧多布湿原は30年前ぐらいまでは、湿原に馬を放牧し牧場として活用していました。
しかし、車の普及と共に、馬を飼う家も減り、湿原に馬の姿は見られなくなりました。湿原に馬がいる風景を取り戻そうか?馬がいたときは、エゾカンゾウがもっと咲いていたのではないかなど、データーがない土地の方々の感じだけなので、花の湿原の復活を願い、馬を放しての実験などをする。
また、湿原をゆっくり見ながらの、長期滞在ができるゲストハウス作りなど考えております。
●4.教訓!
私たちが、「この湿原を未来の子どもたちへ」と言い続け四半世紀になりました。
まさに「継続は力なり」を実践し、今実を結んできているように思いますが、継続できた影には、人と人のつながりが大切で、いつも感謝の気持ちを持っていることが大切とおもいます。