Think the Earthプロジェクト 横山ゆりかさん
Think the Earthプロジェクト 横山ゆりかさん
Think the Earthプロジェクトは「エコロジーとエコノミーの共存」をテーマに2001年に発足した任意団体です。コミュニケーションやクリエイティブの力で、日常生活のなかで地球や世界との関わりについて考え、行動する、きっかけづくりを行っています。
環境や社会問題への無関心とあきらめの心こそ最大の課題ととらえ、ウェブサイトや書籍などで情報発信を行っているほか、企業やNPO、クリエイターとともに誰もが参加できるプロジェクトを開発・提供しています。
団体のホームページはこちら
http://www.thinktheearth.net/jp/
●1.「アースコミュニケーター」制度
今回は、ファンドレイジングの試みとしては少しユニークかもしれないと思い、「アースコミュニケーター」という個人会員制度についてご紹介します。年会費を支払うことで、誰でも登録できる会員制度です。
例えば科学館にいるサイエンス・コミュニケーターは、難しい科学の知識を分かりやすく伝えるという役割をもった人です。それと同じように、地球のことをわかりやすく伝える人を、私たちはアースコミュニケーターと呼んでいます。
会員として想定しているのは、Think the Earthプロジェクトの活動に共感していただいた方、様々な問題に対する具体的なアクションの方法を求めている方、実際に何か活動をしていて、それをわかりやすく伝える方法を磨きたい方、情報交換や交流の場を求めている方々です。
Think the Earthプロジェクトの主な活動はコミュニケーションの領域にあります。ですので、アースコミュニケーター制度もコミュニケーションをテーマがテーマです。ファンドレイジングという目的と同時に、集まってくださった会員の皆さん自身がアースコミュニケーターとして高まってくださることも目指しています。
●2.人という財産も増やしていく
この制度を始めて3年ほどが経ちました。毎年会員メリットの内容を見直しつつ、規模はまだ小さいものの着々と会員数を増やしています。
当初会員メリットとして設定したのは、セミナーに無料で招待したり、イベントのサポートをお願いしたりといったものでした。これらは会員-スタッフ間のコミュニケーションは生まれるのですが、東京圏外の会員さんが関われる機会が少ないこと、会員間のコミュニケーションが生まれづらいことが課題としてありました。
そこで、2009年度からは会員用メーリングリストを設けて全国の会員が交流できる場を作ると共に、定期的にお茶会を開催しみんなで集まる機会を設けました。最近ではメーリングリスト上で情報交換や議論が交わされたり、会員の方の企画による勉強会が開催されたりと交流が活発化しています。
会員の皆さんが自発的に盛り上げてくださるので、スタッフ陣も楽しみながら運営に関わっています。楽しいコミュニケーションが生まれることで、会員の方が知り合いの方を誘ってくれるというケースも増えつつあります。
この制度の運営によって、団体収入だけではなく、「団体に共感して支え・広めてくれる方々」という貴重な財産が形作られていると感じています。団体の認知を上げていくことは大きな課題ですので、信頼できるエバンジェリストが増えてくださるのはとても心強く、重要なことです。
●3.残された課題と今後の展望
現在ある大きな課題として、会員を増やしていくことと同時に決済方法の改善があります。今はクレジット決済の仕組みが導入できておらず、銀行口座と郵便口座への振り込みに限られています。ですので、かなりの数の方が申込み後の決済で手続きを止めてしまっているというもったいない状況にあります。2010年度は何らかの形で決済方法の選択肢を増やす予定です。
それと同時に、会員間のコミュニケーションも引き続き促進していければと考えています。会員制度の運営の骨組み自体を、会員の皆さんと共に考えていけるような関係をつくることが目標のひとつです。
●4.教訓!
すべての源にあるのは、人とのつながり。