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ファンドレイザー奮闘記-2-

2010年04月06日 21:35

NPO法人瀬戸内オリーブ基金 伴場さん

ファンドレイザー奮闘記-2-

NPO法人瀬戸内オリーブ基金 伴場さん

NPO法人瀬戸内オリーブ基金は、「豊島から緑を」「瀬戸内に緑を」を合言葉に、瀬戸内海の沿岸や島々に緑を守り増やすことを目的として活動しています。当基金は助成団体ですので、自らが植樹活動をするのではなく、緑化や自然保護活動をしている団体や個人に、活動に必要な資金を助成することが主な役割です。

2000年に、建築家の安藤忠雄氏、豊島有害産業廃棄物不法投棄事件弁護団長の中坊公平氏の呼びかけで設立しました。2007年にNPO法人に改組しています。

助成対象地域は、「瀬戸内海に注ぐ河川の流域を含む市町村と島嶼部」と定義しています。東側は滋賀県、奈良県から西側は福岡県の一部までが助成対象地域です(府県によっては対象外となる市町村があります)。

これまでに8万本以上の植樹活動に対して助成を行ってきました。植樹以外にも、花卉類・球根類・樹木ポットの買付・育成、希少植物の保護・増殖、荒廃地復元、環境学習などの活動に対して助成を行っています。

団体のホームページはこちら
http://www.olive-foundation.org/

●1.ファンドレイジングの具体的な活動
当基金の活動は市民のみなさまからのご寄付で支えられています。

主なご寄付の方法は次の三つです。
・協賛企業の店舗に募金箱を設置
・協賛企業のキャンペーンをとおしてのご寄付
・個人・団体からの直接のご寄付

金額的にもっとも多いのが募金箱をとおしてのご寄付です。株式会社ユニクロ様(以降ユニクロ社)の店舗に設置している募金箱にお寄せいただいた、個人の皆さまからの募金が当基金の中心的な収入源です。ユニクロ社社員のみなさまには募金活動に関する多様な作業を担っていただいており、全国の店舗に募金箱を設置・管理していただく他、ポスターの掲示、当基金広報誌の配布など多面的な協力をいただいています。

また、ユニクロ社店舗で配布する広報誌については、印刷費相当のご寄付(ご負担)をいただいています。これは広報誌作成費用の低減に効果があり、今後は他の協賛会員企業のみなさまにも同様のご協力を働きかけたいと思っています。

協賛会員は当基金の活動を経済面から継続的に支えていただく会員です。会費は一口年一万円で何口でも可能です。年一万円に設定したのは、幅広い企業の皆さまからのご支援をいただきたいためです。

協賛会員の企業のみなさまには、会費だけでなく、商品やサービスの売り上げの一部をご寄付いただくなど、それぞれの企業の強みを生かした協賛キャンペーンを展開していただいております。

個人・団体からのご寄付は、郵便振替口座を設けて、ご寄付を受け付けています。

●2.人という財産も増やしていく
当基金の理事職には「呼びかけ人」という役職があり、定款では「呼びかけ人は、当基金への募金並びに賛同を募る」と定義されています。当基金は、安藤忠雄氏と中坊公平氏の呼びかけで、2000年に発足しました。

2007年にNPO法人に改組し、安藤忠雄氏と中坊公平氏は、理事兼呼びかけ人として就任しています。安藤理事は世界的に有名な建築家であり、中坊理事は元日本弁護士連合会会長を務めるなど、両理事とも著名な経歴を持っています。この二人が呼びかけ人となり、当基金への募金や賛同を募る活動を担ってきました。当基金には有名企業からの賛同や協賛をいただいており、これは呼びかけ人の活動による成果です。

その他の活動としては、事務局が中心となり、協賛会員や協賛キャンペーンをとおしてご寄付いただく企業を募っています。少しずつではありますが、賛同いただける企業や企画が増加しています。

●3.残された課題と今後の展望
当基金では将来的に認定NPO法人への転換を目指しています。認定NPO法人に認められるためには、どれだけ広く市民の支持を得られているかが重要な要素です(パブリックサポート)。

当基金の収入は不特定多数の皆さまからの募金が中心ですので、パブリックサポートテストの要件は満たしているとは思いますが、認定NPO法人の精神を尊重し、より幅広い市民の皆さまからの支持を得る方向での活動が必要になってきます。「幅広い市民の支持を得る」ための具体的活動を考えなくてはならない時期に来ていると思っています。

また、企業のみなさまに協賛会員となっていただくための活動も、現時点では正式な組織案内書を用意していないなど、当基金の活動を説明するツール類が未整備です(仮のものはある)。現在説明ツール類の整備を順次進めているところです。

募金以外の個人からのご寄付は、金額・割合ともに少ない状況です。現在、広報誌やイベントを活用して、ご寄付を呼びかけることを検討しています。特にイベントの活用は何もできていない状況ですので工夫していきたいと考えています。

●4.教訓!
この原稿を書いていて思ったのですが、ファンドレイジングに対して、これまで取組が甘いというか、効果的な活動はあまりやっておらず、募金箱への依存度が高く、課題が山積みであることを確認しました。当基金の都市部での知名度はそこそこあると思うので、今のうちに積極的な活動を展開する「スピード」が重要だと認識しました。今あるお金がなくなってからでは遅いので、少なくとも、実施できる準備はしておかなくてはなりません。

また、当基金の活動自体も、ファンドレイジングにフォーカスを当てて考えると、「活動している」ではなく、「形ある成果を示す」ことをとおして「信頼」を得るという展開が必要であると感じています。

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