その他 : 米国の寄付総額、2009年も3.6%の減少に
米国の「ギビングUSA財団(Giving USA Foundation)」は6月9日、2009年の米国における寄附に関する年次報告書「ギビングUSA(Giving USA)2010」を発表した。2009年中の寄付総額は、3037億ドル(1ドル=90円の場合、約27兆3330億円)で、2008年度の寄付額を3.6パーセント下回った。
2008年の寄付額は、3076億5千万ドル(1ドル=90円の場合、約27兆6840億円)だった。それと比較し、2009年中の米国の寄付金総額は、金額では3.6パーセントの減少、インフレ調整後は、2.0パーセントの減少となる。
2008年に引き続き、2009年も前年比減少となった。これは1956年にギビングUSA財団が年次報告書を発行し始めて以来3度目の減少である。
参考ニュース「昨年の米国寄付総額は2%ダウン」(2009/06/17)
/2009/06/その他-昨年の米国寄付総額は2%ダウン/
参考ニュース「昨年の米国寄附総額は、過去最高」(2005/06/22)
/2005/06/行政-昨年の米国寄附総額は、過去最高/
ギビングUSA財団のエディス・フォーク会長は、プレスリリースの中で、「寄付総額が減少する中で、個人・財団を含む多くの寄付者は、増大する資金ニーズに対して、精力的な努力を行った。」と述べている。
寄付主体別で見ると、寄付総額の4分の3を占める個人寄付は堅調で、0.4%減(インフレ調整後:変化なし)となっている。企業の寄付は、厳しい経済状況にも関わらず5.5%増(インフレ調整後:5.9%増)と増加した。一方で、遺贈による寄付は23.9%減(インフレ調整後:23.6%増)と大幅な減少。加えて、助成財団による寄付も前年比8.9%減(インフレ調整後:8.6%減)とかなりの減少した。
個人:約2274億ドル(1ドル=90円換算で20兆4660億円)
助成財団:約384億ドル(同3兆4560億円)
遺贈寄付:約238億ドル(同2兆1420億円)
企業:約141億ドル(同1兆2690億円)
ギビングUSA財団(正式名称:フィランソロピーのための米国資金調達協会信託:American Association of Fundraising Counsel Trust for Philanthropy : AAFRC Trust for Philanthropy)は、毎年、インディアナ大学フィランソロピー・センター研究による米国の寄付に関する年次報告書「ギビングUSA(Giving USA)」を出版している。「ギビングUSA2010」は、 55回目の発行となる。
日本では、昨年設立された日本ファンドレイジング協会が、ギビングUSA(Giving USA)の日本版となる「Giving Japan(寄付白書)」の発行に向けた準備を進めている。
ギビングUSA財団(Giving USA Foundation)の「ギビングUSA(Giving USA)2010」特設サイト(英語)は下記。今回はサマリーを無料でダウンロード可能。詳細な内容の有料版「ギビングUSA(Giving USA)」の注文も可能になっている。
http://www.givingusa2010.org/
今回、発表されたプレスリリース(英語)は下記PDFファイルを参照。
http://www.givinginstitute.org/press_releases/gusa/gusa060910.pdf
Giving Japan(寄付白書)については、日本ファンドレイジング協会サイト内の下記ページを参照。現在、発行に向けたパートナー(寄付者)も募集している。
http://jfra.jp/givingjapan/