その他 : ファンドレイジングセミナー2010、8月スタート
特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(東京都 代表理事:堀田力)は、8月から「ファンドレイジングセミナー2010」を全6回にわたり開催する。「支援者とのリレーション・マネジメント」が全体のテーマ。第1回は8月18日に開催、現在参加者を募集中。
「ファンドレイジング(Fundraising)」とは、寄付を集めるなどして、民間非営利組織(NPO)が資金を開拓・調達していく活動のこと。定訳はまだ定まっていないが、「資金開拓」や「資金調達」と訳される。
同様の単語として、「ファンドレイズ(Fundraise)」があり、ファンドレイジングを担当する者を「ファンドレイザー(Fundraiser)」と呼ぶ。日本ではまだ馴染みの薄い単語や概念だが、日本ファンドレイジング協会の活躍もあり、徐々に浸透している。
日本ファンドレイジング協会は、日本における寄付文化の革新を目指し、2009年2月18日に設立された団体で、2010年2月にNPO法人化した。「寄付という行為が高く評価され、ファンドレイジング担当者が誇りと自信をもって、仕事を遂行し、また、寄付者が幸せと満足を実感できる新しい寄付社会を創造していきます。」とミッションを掲げている。
2月には、日本初となるファンドレイジング大会「ファンドレイジング・日本2010」を開催。他にも、ファンドレイジング研究会の開催や寄付者権利憲章の策定、ファンドレイジングジャーナルの発行など、日本の寄付文化の革新に向けて、活発に事業を展開している。
参考ニュース「ファンドレイジング・日本2010、大盛況!」(2010/02/10)
/2010/02/その他-ファンドレイジング・日本2010、大盛況!/
シーズが開催していた2008年から3年目となり、毎年恒例となった今年度のファンドレイジングセミナー2010は全6回構成で、テーマは「支援者とのリレーション・マネジメント」。NPOにとって大切な支援者との関係づくりとその維持・発展を考える絶好の講座となっている。
セミナーの開催は8月~11月で、全6回。各回とも会場は日本財団ビル大会議室、定員は150名。参加費は会員が2000円、非会員が4000円。
各回の詳細は下記を参照。
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「ファンドレイジングセミナー2010」
●開催概要(各回ごと)
会場:日本財団ビル2階大会議室
時刻:18:30-20:30(開場18:00)
定員:150名(事前予約制)
参加費:2,000円(会員)、4,000円(非会員)
お申し込みフォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/959bf7f610142
お問い合わせ先:特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会
事務局 担当:大上理恵
info@jfra.jp
〒105-0004 東京都港区新橋4‐24-10 アソルティ新橋302号
電話:03-6809-2590 FAX:03-6809-2591
http://jfra.jp/
●第1回 社会をデザインする(8月18日)
講師:池田正昭 氏(毎日アースデイ株式会社 代表取締役)
経済危機、環境問題、国際紛争…とかく閉塞感が漂う現在、もう一度社会を俯瞰して、
新しい社会システムをデザインするのがNPOの使命ではないでしょうか。
「ソーシャルデザイン」という言葉の生みの親で、雑誌、地域通貨、打ち水、エコプラザ等の様々な道具を使って社会変革に挑戦してきた池田氏が、「社会をデザインするというコトは一体何なのか?」を語ります。
全6回セミナーの基調講演となるものです。
◇池田正昭(毎日アースデイ株式会社)
コピーライター/エディター。大手広告代理店が発行する雑誌「広告」元編集長。
編集長の時代に同誌に「future social design」というコンセプトを与えた。
地域通貨「アースデイマネー」(2001)は、そのコンセプトのもとに生み出されたプロジェクト。
以下、それ以降に立ち上げた主な活動。打ち水大作戦(2003)、みなと環境にやさしい事業者会議(2006)、more trees(2007)、エコプラザ(2008)、和RE箸大作戦(2009)。
●第2回 パブリックスピーキング(9月9日)
講師:蔭山洋介 氏(株式会社コムニス 代表取締役/パブリックスピーキング・ラボラトリー)
相手の共感と理解を得なくては、ファンドレイジングは成功しません。
「思いが強ければ必ずわかってもらえる!」というのは、残念ながら間違いです。
大切なのは「伝え方」です。「パブリックスピーキング」とは「人前での話し方」のこと。
「何を話すか」だけではなく、「どう話すか」について、日本におけるパブリック・スピーキングの第一人者の蔭山氏がレクチャーします。
◇蔭山洋介(株式会社コムニス/パブリックスピーキング・ラボラトリー)
日本で唯一のパブリックスピーキング・コーチ、スピーチライター、舞台演出家。
経営者や社会起業家などのプレゼンテーション、所信表明演説、株主総会、式典のスピーチなど、人前で話すパブリックスピーキングを裏から支えるブレインとして活躍している。
●第3回 ソーシャルメディアで「縁」を広げる(9月29日)
講師:久米信行 氏(NPO法人CANPANセンター 理事)
鎌倉幸子 氏(社団法人シャンティ国際ボランティア会 課長)
ブログ、Twitter、SNSなどのソーシャルメディアは、団体の活動をメンバーひとり一人がわかりやすく伝えて共感の輪を広げる力を持っています。
さらに支援者が気軽に参加や対話できるコミュニティとしてNPOの現場で広く使われ始めています。
自らソーシャルメディアを企業や団体経営に活かしCANAPANのブログ大賞審査委員長も務める久米氏が、社会貢献の現場でのソーシャルメディアの可能性とリアルな支援者獲得の取り組みについて語ります。
また、実際にソーシャルメディアをフルに活用してファンドレイジングに取り組んでいる鎌倉氏が自らの事例を公開。
両氏のトークセッションでは、支援者との「縁」を広げるソーシャルメディアの活用法を考えます。
◇久米信行(NPO法人CANPANセンター)
1963年東京墨田区生まれ。慶応義塾大学経済学部で中国専攻。イマジニア、日興証券を経て、家業の国産Tシャツメーカー久米繊維工業三代目。日経インターネットアワード、IT経営百選、東商勇気ある経営大賞受賞。
ライフワークは、個人・中小企業・NPO・地域をネット活用で元気にすること。
明治大学商学部講師。CANPANセンター理事。墨田区観光協会理事。東京商工会議所観光委員・墨田支部IT分科会長。
著書に『すぐやる!技術』『認められる!技術』『ブログ道』『ビジネスメール道』など
◇鎌倉幸子(社団法人シャンティ国際ボランティア会)
青森県弘前市生まれ。アメリカ合衆国ウエストヴァージニア州セーラムインターナショナル大学で青少年福祉学を学ぶ。
米国で大学職員を経験後、ヴァーモント州のSchool for International Trainingで異文化経営学の修士号取得。
1999年3月SVA入職。同年4月より、カンボジアに赴任し図書館事業を担当。2007年3月同会東京事務所海外事業課カンボジア担当。2008年4月から国内事業課の課長として開発教育やチャリティイベントの開発・実践を行う。
●第4回 幸せの循環をつくるDRM(ドナー・リレーションシップ・マネジメント)(10月21日)
講師:吉田憲司 氏(株式会社ファンドレックス 取締役)
団体に関わる人々の、価値観、動機、生活様式は多様化しており、様々な支援者から寄付などの支援をいただくことは容易ではありません。
既存の、あるいは潜在的支援者の属性、嗜好、行動様式などを踏まえ、支援者との関係構築に力点を置く支援者拡大の考え方「DRM(Donor Relationship Management、寄付者関係性管理)」と支援者データベースを用いたDRMの実践方法を学びます。
◇吉田 憲司(株式会社ファンドレックス)
大学で物理学を専攻。その後、大手コンピュータメーカー本社部門で、情報技術(IT)戦略策定や、現場の実施支援に携わる。
ボランティア活動を行う中で、非営利セクターの可能性を感じ、現在は、株式会社ファンドレックスでコンサルタントとして活躍中。
salesforce.com認定コンサルタント、CISSP。
●第5回 「ジャスト・ギビング」する人たち (11月11日)
講師:佐藤大吾 氏(一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパン 業務執行理事)
「JustGiving Japan」は、英国発の誰でも主催者になってチャリティ・プロジェクトを実施できる仕組みを提供する寄付サイトです。
ダイエットやマラソン完走といったチャレンジを宣言し、それに共感した人がそのチャレンジャーを通じてNPOへ寄付をする新しいタイプの寄付。
様々な手法で人と社会との結びつきを強めて寄付社会の発展を目指す佐藤氏が、日本の寄付の現状とその課題について語ります。
◇佐藤大吾(一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパン)
73年大阪生まれ。大阪大学法学部中退。大学在学中に起業。企業でのインターンシップ導入支援事業や、商工会議所主催「段取り力検定」を立ち上げるなどキャリア教育事業に携わる。また98年、議員事務所や官公庁などでのインターンシップを運営するNPO法人ドットジェイピーを設立。
10年間の株式会社とNPOの経営を経て、07年5月、NPOを財政面から支援するNPOチャリティ・プラットフォームを設立。
社会に貢献したい人と、支援を求めるNPOとの橋渡しとなるべく、全国優良NPO情報サイトの運営、企業に対するCSR、PR支援事業を行う。
10年3月、英国発世界最大の寄付仲介サイト「JustGiving」を立ち上げ、日本における寄付文化創造に取り組む。
●第6回 ファンドレイジングが社会を変える (11月26日)
講師:鵜尾雅隆(NPO法人日本ファンドレイジング協会常務理事)
これまでの5回のセミナーを総括して、支援者・潜在的支援者とのリレーション・マネジメントのレベルを
別ステージにあげるための秘訣について学びます。
ファンドレイジングを単なる活動資金集めにとどめず、組織が元気になり、ファンが増え、いろんな人に社会の課題を解決するきっかけを提供する手法として捉えて、たくさんの「主役」に支えられて成長する活動をつくるための方策を考えましょう。
◇鵜尾 雅隆(NPO法人日本ファンドレイジング協会 常務理事)
91年以降、日米インドネシアのさまざまなNPOの理事、運営委員などの資金調達、企業顧客の開拓を経験。
04 年、米国ケース大学Mandel Center for Nonprofit Organizationsにて非営利組織管理修士取得。同年、インディアナ大学The Fundraising School修了。
05年日本帰国後、「ファンドレイジング道場」を立ち上げ、ファンドレイジングのノウハウや寄付事情の各国比較などを発信している。
08年7月株式会社ファンドレックスを創業。09年2月、日本ファンドレイジング協会の発足に携わり、常務理事に就任。
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