その他 : NPO議連再結成、政府に税制改正を提言へ
12月1日午後5時から、衆議院第一議員会館大会議室で、超党派の国会議員からなるNPO議員連盟の総会が開催された。会合には、役員を中心に30名を超える国会議員が出席。秘書や政府関係者、NPO関係者などを含め80名程度が参加した。規約の改定や新役員の承認が行われ、新体制が発足。ヒアリングを経て、平成23年度税制改正において、政府へ議連として提言を行うことで合意。NPO法・税制改正実現へ大きな一歩となった。
NPO議員連盟(NPO議連)は、超党派の国会議員からなる議員連盟。1999年8月5日に発足した。2001年のNPO支援税制(認定NPO法人制度)創設を推進した他、2003年の特定非営利活動促進法(NPO法)改正に当たって、議員立法での改正を実現するなど国会でのNPO/NGOのカウンターパートとして活動している。
今回の総会までは、会長を加藤紘一衆議院議員(自民党)が務めていた。
参考ニュース 「NPO議員連盟発足」(1999/08/06)
/1999/08/行政-npo議員連盟発足/
参考ニュース 「NPO支援税制に関する提言(第一次)」(2000/12/03)
/2000/12/行政-npo支援税制に関する提言(第一次)/
参考ニュース 「NPO法改正案の要綱(案)」(2002/03/20)
/2002/03/行政-npo法改正案の要綱(案)/
●新体制の発足
今回の総会で、再結成に向けて各党の24名の発起人が参加を呼びかけ。趣意書や規約も改訂されて、再始動となった。役員も新しくなり、前会長の加藤紘一衆議院議員と江田五月参議院議員が共同代表を務める、以下の新体制がスタートした。
参考ニュース「NPO議連総会を開催、新体制で再始動!」(2010/11/29)
/2010/11/その他-npo議連総会を開催、新体制で再始動/
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●NPO議員連盟 役員 ※敬称略
顧問 民主 鳩山由紀夫
自民 福田康夫
共同代表 自民 加藤紘一
民主 江田五月
副代表 民主 枝野幸男
自民 額賀福志郎
公明 斉藤鉄夫
みんな 浅尾慶一郎
共産 笠井亮
社民 照屋寛徳
国民 亀井静香
日本 与謝野馨
幹事長 無 辻元清美
幹事 民主 細野豪志
自民 鶴保庸介
公明 富田茂之
みんな 山内康一
共産 塩川鉄也
社民 服部良一
国民 亀井亜紀子
日本 園田博之
事務局長 自民 中谷元
事務局次長 民主 岸本周平
公明 谷合正明
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●当日のもよう
当日は事務局長の中谷元衆議院議員が司会を務め、進行。
(NPO議連総会の様子 発起人代表挨拶する加藤氏(自民) 12/1)
(NPO議連総会の様子 発起人代表挨拶する江田氏(民主) 12/1)
発起人代表挨拶の後、規約の改定や役員の改選が終わったところで、各役員から挨拶があった。
(NPO議連総会の様子 挨拶する顧問の福田氏(自民) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する顧問の鳩山氏(民主) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する副代表の斉藤氏(公明) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する副代表の浅尾氏(みんな) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する副代表の笠井氏(共産) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する副代表の照屋氏(社民) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する幹事の亀井氏(国民新) 12/1)
(NPO議連総会の様子 挨拶する幹事の園田氏(たちあがれ) 12/1)
その後、NPOの現状についてヒアリングが行われ、シーズ副代表の松原明、市川市市民活動団体支援制度審査会会長で税理士の長野明氏から説明があった。
松原は、NPO議連メンバーへ御礼を述べた後、配布資料に基づいて、NPO法・税制改正の要望を行った。特にNPO法改正については、12月1日付でまとめたNPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会の改正要望書を提出し、法改正の必要性を訴えた。また、税制改正については、全国47都道府県から寄せられた賛同署名も紹介し、全国からの要望として、税制課制実現を要望した。要望内容は、下記、配布資料を参照。
(NPO議連総会の様子 説明する松原 12/1)
(NPO議連総会の様子 説明する長野氏 12/1)
【配布資料】
ヒアリングの際に、使用した配布資料は下記を参照。
資料1:「特定非営利活動促進法の改正に関する要望書」
https://www.npoweb.jp/pdf/20101201-1-1.pdf
資料2:「NPO法人制度の税制改正に関する要望書」(連絡会紹介・賛同署名含む)
https://www.npoweb.jp/pdf/20101201-1-2.pdf
最後に、今後の活動について検討が行われ、NPO法・税制改正に取り組むことが確認された他、直近では平成23年度税制改正に向けて、政府へ提言を行うこととなり、以下の素案をベースに具体的な提言内容が議論された。
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NPO法人の税制支援に関する提言(素案) 平成22年12月1日
NPO議員連盟
平成10年に議員立法で成立したNPO法(特定非営利活動促進法)は、この12月1日をもって、施行12周年を迎えました。
この12年間、NPO法人の数は4万法人を超えるに至り、全国各地において活発な活動をされております。しかし、一方でNPO法人の約7割が財政上の課題を抱えるなど、まだ多くの課題を抱えている現状もあります。
私たち「NPO議員連盟」では、日本のNPO法人が、さらに自主的な活力を強め公益活動の一角をしっかりと担っていくために、とりわけ早急に実現されるべき事項について、以下の通りとりまとめ、提言するものです。
これらの提言の実現は、日本に新しい寄附文化を生み出し、社会貢献を志す市民に新しい活躍の機会を与えることにもなります。
政府は、この提言に沿って、必要な措置をとることを強く要望します。
1.認定N.PO法人に対する寄附について、現在の所得控除方式に加えて、税額控除方式を導入し、選択制とすること。
2.認定NPO法人の認定要件について、大幅な緩和を実施すること。
具体的には、
① PST要件について、3000円以上の寄附者が100名以上あれば認定するという、絶対値で判断する基準を導入すること。
② 米国の認定制度にあるような「仮認定制度」を導入し、PST要件を満たさない場合でも、税制優遇措置を受けられるスタートアップ支援措置を講じること。
③ PSTの特例である、基準値を5分の1以上とする措置を恒久的措置とすること。
④ 地方自治体が条例で独自に指定したNPO法人には、PST等の要件を課さずに寄附税制の支援が受けられるようにすること。
3.所轄庁によるNPO法人の情報開示をインターネットで行うこととし、NPO法人の信頼性を高めるとともに、市民がより適切に寄附先を選択できるようにすること。ただし、その際、個人情報の保護に関しては十分な配慮を払う措置を講じること。
4.地方分権を促進する視点より、認定NPO法人の認定主体を国税庁から、主たる事務所がある都道府県知事に移管すること。この場合、認定要件をいっそう明確化し、行政の悉意的判断をできるだけ排除するとともに、都道府県が運用しやすいように図ること。
5.認定NPO法人が、収益事業から収益事業以外に支出した場合は、社会福祉法人等と同様に、収益事業の所得の50%(または200万円)までを損金算入できるようにすること。
6.上記の措置に関しては、次期通常国会で法案を成立させ、早急な実現を図ること。とりわけ、税額控除に関しては平成23年1月に遡って適用すること。
7.いっそう寄附を促進する観点から、日本版ブランド・ギビング制度(信託を活用したNPO法人等への寄附への税制優遇)の導入、寄附金への年末調整制度の適用や、地方自治体における1%支援制度の採用を促進する措置などの検討を行うこと。
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(NPO議連総会の様子 提言内容を説明する岸本氏 12/1)
当日の議論を受けて、税額控除部分に一部修正が行われ、本提言は来週中には菅首相へ提出される見込み。
NPO法施行12周年の日に、生みの親であるNPO議員連盟が再結成されたことは、非常に感慨深い。NPO法・税制改正におけるNPO議連の活躍に期待したい。
(NPO議連総会の様子 12/1)