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その他ニュース

2010年12月08日 17:00

その他 : ファンドレイジング行動基準案への意見募集

NPO法人日本ファンドレイジング協会(JFRA)(東京都 代表理事:堀田力)は、ファンドレイジングを行う団体・個人が守るべくルールについて「ファンドレイジング行動基準(草案)」を策定した。12月31日まで、これに対する意見を募集している。意見を受けて、2月の「ファンドレイジング・日本2011」にて、発表される予定。

「ファンドレイジング(Fundraising)」とは、寄付を集めるなどして、民間非営利組織(NPO)が資金を開拓・調達していく活動のこと。定訳はまだ定まっていないが、「資金開拓」や「資金調達」と訳される。

同様の単語として、「ファンドレイズ(Fundraise)」があり、ファンドレイジングを担当する者を「ファンドレイザー(Fundraiser)」と呼ぶ。日本ではまだ馴染みの薄い単語や概念だが、日本ファンドレイジング協会の活躍もあり、徐々に浸透している。

日本ファンドレイジング協会は、日本における寄付文化の革新を目指し、2009年2月18日に設立された団体。「ファンドレイジングセミナーやファンドレイジング研究会の開催」や「ファンドレイジング大会の開催」、「ファンドレイジングジャーナルの発行」「寄付者の権利宣言の策定」など、日本の寄付文化の革新に向けて、活発に事業を展開している。

参考ニュース「ファンドレイジング大会、今年は拡大開催!」(2010/11/05)
/2010/11/その他-ファンドレイジング大会、今年は拡大開/

参考ニュース「ファンドレイジング・日本2010、大盛況!」(2010/02/12)
/2010/02/その他-ファンドレイジング・日本2010、大盛況!/

参考ニュース「「寄付者の権利宣言」策定に向けて意見募集」(2009/12/14)
/2009/12/その他-「寄付者の権利宣言」策定に向けて意見/

今回の「ファンドレイジング行動基準の策定」もその一環。
協会では、「寄付集めを委縮させるものではなく、むしろ寄付集めの支えとなるようなもの」を目指して、NPO関係者や企業関係者ら有識者13名からなる「行動基準策定委員会」を設置して、検討を進めてきた。

協会では今回の行動基準の策定とその遵守により、「社会の信頼を得ながら、自信と誇りと誠実さをもってファンドレイジング業務に取り組むこと、そして、その結果、寄付者も達成感と安心感を得ることを通じて日本における寄付文化がさらに醸成されることで、民間非営利活動が発展し、よりよい社会が実現することが期待される。」と述べている。

具体的な基準は、7つの行動原則と、個人・団体合わせて11の行動規範などから構成されている。

行動原則では、法令遵守や誠実な行動、ミッションに即した行動などを規定。行動規範では、寄付金使途の説明や情報保護、寄付者への定期的な報告などが盛り込まれている。また、特徴的な項目として、「組織運営やファンドレイジング業務に、適正な運営コストが必要であることへの理解を広める。」があり、組織維持や寄付集めにも一定のコストがかかることに支援者の理解を求めていくことが述べられている。

草案への意見募集は、12月1日から31日まで。下記オンラインフォームから誰でも意見を送ることができる。

「ファンドレイジング行動基準意見募集」
⇒ https://ssl.form-mailer.jp/fms/4543b97e130302

寄せられた意見を受けて、「行動基準策定委員会」で更なる検討を行い、最終的な行動基準は2月5・6日に開催される「ファンドレイジング日本・2011」にて発表される予定となっている。

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ファンドレイジング行動基準

日本ファンドレイジング協会

民間非営利団体が行うファンドレイジングは、単にその活動資金を調達することではなく、支援を募る過程を通じて、より多くの人たちに社会の課題を示し、理解と共感を得て、その課題解決への参加者を増やして社会をより良くしていくことである。

このファンドレイジング行動基準は、民間非営利団体がファンドレイジング業務を行う際に団体及び業務を担当する個人が守るべきものである。

民間非営利団体においてファンドレイジング業務を遂行する者が、この行動基準を遵守することによって、社会の信頼を得ながら、自信と誇りと誠実さをもってファンドレイジング業務に取り組むこと、そして、その結果、寄付者も達成感と安心感を得ることを通じて日本における寄付文化がさらに醸成されることで、民間非営利活動が発展し、よりよい社会が実現することが期待される。

●行動原則
民間非営利団体においてファンドレイジング業務を遂行する者は、次の行動原則を遵守しなければならない。

・ファンドレイジング業務に関連する法令を遵守する。
・寄付者と受益者の信頼を得るために誠実に行動する。
・ファンドレイジング業務の品位を重んじ、所属団体はもとより、民間非営利団体全般の社会的信頼を得られるようにする。
・寄付者、受益者、所属団体および他の民間非営利団体の尊厳を尊重する。
・所属団体のミッションと規律に即して行動する。
・社会により一層貢献できるように、ファンドレイジングに関する知識と技能の向上を図る。

●行動規範
活動地域、活動分野、活動規模にかかわらず、民間非営利団体においてファンドレイジング業務を行う際には次の規範に沿って行動すべきである。

<団体及び個人として>
・ファンドレイジング業務に際して、法律上のみならず、倫理上の義務に反する行為をしない。
・ファンドレイジングに際しては、その目的及び集めた資金の使途について、事前に正しく説明を行う。
・寄付者に説明した目的通りにその寄付金が使われるように留意する。
・ファンドレイジングにあたって明示した約束について誠実に実行する。
・寄付金の使われ方や運用について定期的な報告をする。
・職務上知り得た守秘義務のある情報を、正当な理由がない限り、第三者に漏らさない。
・他者の知的所有権を侵害しない。
・社会から支援を得て、実りある活動成果を生み出していくため、組織運営やファンドレイジング業務に、適正な運営コストが必要であることへの理解を広める。

<個人として>
・ファンドレイジング業務上必要となる商品やサービスの購入に際して、その選定に影響を及ぼす金品や特別な便宜を個人の利益のために受け取らない。
・寄付者、寄付をする見込みの人、ボランティア、他のスタッフ、受益者を個人の利益のために利用しない。
・職業上の経験、資格、また過去の業績について偽らない。

●その他
ファンドレイジング業務遂行に際しては、「寄付者の権利宣言2010」を支持する。(別表)

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ファンドレイジング行動基準策定委員会のメンバーは下記の通り。

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ファンドレイジング行動基準策定委員(50音順)

鵜尾雅隆: (特非)日本ファンドレイジング協会常務理事
金沢俊弘:(公財)公益法人協会専務理事
渋澤 健 :(株)シブサワ・アンド・カンパニー代表/(公社)経済同友会 幹事
嶋田実名子:
花王(株)CSR推進部長兼社会貢献部長/(社)日本経済団体連合会社会貢献担当者懇談会座長
白土謙二: (株)電通執行役員
田中 皓 :(公財)助成財団センター専務理事
林 泰義 :(特非)シーズ・市民活動を支える制度をつくる会代表理事
早瀬 昇 :(社)大阪ボランティア協会常務理事
原田勝広:(株)日本経済新聞社編集委員
堀田 力 :(公財)さわやか福祉財団理事長
山岡義典:(特非)日本NPOセンター代表理事/(特非)市民社会創造ファンド運営委員長
山口誠史:(特非)国際協力NGOセンター事務局長
脇坂誠也: 税理士

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