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その他ニュース

2011年05月26日 21:00

その他 : 【速報】5・25緊急集会、NPO法改正案が公表

 5月25日、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(連絡会)は、「今国会で新寄付税制&NPO法改正の実現を!5・25緊急院内集会」を東京・永田町で開催した。当日は、NPO関係者ら400名超が参加。NPO議員連盟から、特定非営利活動促進法(NPO法)改正案の概要が初めて公表され、各党での党内手続き状況が報告されるなど熱気あふれる歴史的集会となった。

 

 緊急院内集会の場で配布された「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案要綱案(未定稿)」は以下の通り。

大きく分けて、特定非営利活動法人(NPO法人)制度部分の改正と、支援税制である認定NPO法人部分の改正からなる。

【NPO法改正案の主な内容】
●特定非営利活動法人(NPO法人)制度の改正
・NPO法人の活動分野に「観光の振興を図る活動」「農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動」「都道府県・政令市の条例で定める活動」3分野追加する
・内閣府の認証事務をなくし、認証は主たる事務所の都道府県・政令市に移管する
・会計書類を「収支計算書」から「活動計算書」に名称変更する
・解散公告回数を削減し、届出事項を追加するなど認証の柔軟化・簡素化を行う

●認定NPO法人制度の改正
・認定NPO法人制度をNPO法に盛り込む
・認定機関を国税庁から都道府県・政令市へ移管する
・パブリック・サポート・テスト(PST)が免除される「仮認定制度」を導入する
・インターネットを通じた情報開示を進める

「特定非営利活動促進法」「特定非営利活動法人」の名称変更は次期改正での検討事項とされているが、他の点については、連絡会が要望していた点がほぼ盛り込まれている。

改正案を高く評価すると共に、NPO議員連盟の議員の方々に心より感謝申し上げる。

6月22日の通常国会会期末が迫っているが、今国会での法案成立を改めてお願いしたい。

特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案要綱案(未定稿)
PDFファイル⇒ https://www.npoweb.jp/pdf/20110525NPOlaw_Outline.pdf

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 特定非営利活動促進法の一部を改正する法律案要綱案(未定稿)

平成23年5月20日(金)
第1 総則

 1 目的の改正
   この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること並びに運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資する特定非営利活動法人の認定に係る制度を設けること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とするものとすること。

 2 活動分野の追加
  法第2条の別表に記載されている17の活動分野に加えて、新たに下記の活動分野を追加するものとすること。
 ① 観光の振興を図る活動
 ② 農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動
 ③ 法第2条別表の各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

第2 認証制度の見直し

 1 所轄庁の変更
  特定非営利活動法人の所轄庁は、その主たる事務所が所在する都道府県の知事(その事務所が一の指定都市の区域内のみに所在する特定非営利活動法人をいう。)とするものとすること。
  ※ 所轄庁の変更に伴い、内閣総理大臣が所轄庁である特定非営利活動法人に係る事務所所在地の知事へ法人書類を送付し、当該知事が法人書類を閲覧させることができるとする仕組みは、第4の1のインターネット等による情報の提供に変更。

 2 認証制度の柔軟化及び簡素化
 (1)認証審査期間の柔軟化
   所轄庁は、認証審査期間について、縦覧期間が終了した日から2月以内で都道府県又は指定都市の条例で定める期間とすることができるものとすること。

 (2)社員総会の決議の省略
   理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなすものとすること。

 (3)理事の代表権の制限に関する登記
  理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができないとの規定を削除するものとすること。
 ※ あわせて、組合等登記令の改正により、定款により理事の代表権を制限した場合は、その旨を登記できるようにする(代表権を有さない理事については、登記不要となる)。

 (4)定款変更の際の届出事項の拡大
 ア 所轄庁への届出のみで定款の変更を行うことができる場合として、新たに次に掲げる事項のみについて定款の変更を行う場合を追加するものとすること。
  ① 役員の定数
  ② 会計に関する事項
  ③ 事業年度
  ④ 解散に関する事項(残余財産の帰属すべき者に係るものを除く。)
 イ 特定非営利活動法人は、届出事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なく、変更後の定款及び当該定款の変更に係る社員総会の議事録の謄本を添えて、その旨を所轄庁に届け出なければならないものとすること。

 (5)解散公告の簡素化
   解散時における債権者への債権の申出の催告についての公告の回数を、「3回以上」から「少なくとも1回」に簡素化するものとすること。

 3 認証法人に対する信頼性向上のための措置の拡充
 (1)認証後未登記団体の認証の取消し
   設立の認証を受けた者が設立の認証があった日から6月を経過しても設立の登記をしないときは、所轄庁は、設立の認証を取り消すことができるものとすること(合併についても同様とするものとすること)。

 (2)「収支計算書」に係る改正
 ア 特定非営利活動法人が作成すべき会計書類のうち、「収支計算書」を「活動計算書」(活動に係る事業の実績を表示するもの)に改めるものとすること。
   ※ あわせて、設立時に作成する「収支予算書」を「活動予算書(その行う活動に係る事業の収入及び支出の見込みを記載した書類をいう。)」に改めるものとする。
 イ 貸借対照表及び活動計算書を「計算書類」とし、財産目録は、附属明細書的な位置付けとするものとすること。

 (3)情報開示の充実
  ア 特定非営利活動法人は、主たる事務所に加え、従たる事務所においても、社員その他利害関係人から事業報告書等の閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧させなければならないものとすること。
  イ 所轄庁は、事業報告書等の閲覧に加え、当該事業報告書等について謄写の請求があったときは、これを謄写させなければならないものとすること。
  ウ 特定非営利活動法人は、最新の役員名簿及び定款等を、その事務所に備え置かなければならないものとすること。
  エ 特定非営利活動法人の事務所及び所轄庁において、最新の役員名簿及び定款等を閲覧できるものとすること。

第3 認定制度・仮認定制度の導入

一 認定制度
  特定非営利活動法人のうち、その運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資するものは、所轄庁の認定を受けることができるものとすること。

 1 認定の申請
   認定を受けようとする特定非営利活動法人は、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、申請書を提出しなければならないものとすること。その際、当該申請書には、次に掲げる書類を添付するものとすること。
  ① 実績判定期間(これまで認定を受けたことがない場合及び仮認定の場合は2年、更新の場合は5年)内の日を含む各事業年度の寄附者名簿
  ② 各認定基準に適合する旨及び欠格事由に該当しない旨を説明する書類
  ③ 寄附金を充当する予定の具体的な事業の内容を記載した書類

 2 認定の基準及び欠格事由
 (1)認定の基準
    所轄庁は、認定の申請をした特定非営利活動法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該認定をするものとすること。
 ア 広く市民からの支援を受けているかどうかを判断するための基準(パブリック・サポート・テスト(PST)基準)として次に掲げる基準のいずれかに適合すること。
 ① 相対値基準:実績判定期間中の経常収入金額の総額のうちに寄附金等収入金額の総額の占める割合が政令で定める割合(5分の1)以上であること。
 ② 絶対値基準:実績判定期間中の判定基準寄附者(各事業年度において政令で定める額(3,000円)以上の寄附を行った者)の各事業年度当たりの平均が政令で定める数(100人)以上であること。
 ③ 個別の条例指定:その事務所が所在する地域の地方団体から、住民の福祉の増進に寄与する法人として、条例により個人住民税の控除対象として個別の指定を受けた法人であること。
 イ 実績判定期間における事業活動のうちに次に掲げる共益的活動の占める割合として内閣府令で定める割合が100分の50未満であること。
    ① 会員等に対する資産の譲渡等、会員等相互の交流、連絡又は意見交換その他その対象が会員等である活動
    ② その便益の及ぶ者が会員等その他特定の範囲の者である活動
    ③ 特定の著作物又は特定の者に関する普及啓発等その他の活動
    ④ 特定の者に対し、その者の意に反した作為又は不作為を求める活動
   ウ 運営組織及び経理に関し、次に掲げる基準に適合していること。
    ① 各役員について、次に掲げる者の役員の総数のうちに占める割合が、それぞれ3分の1以下であること。
・役員、役員と親族関係を有する者及び役員と特殊の関係のある者
・特定の法人の役員又は使用人である者、これらの者の配偶者又は3親等以内の親族及びこれらの者と特殊の関係のある者
    ② 各社員の表決権が平等であること。
    ③ 会計について公認会計士若しくは監査法人の監査を受けていること、又は青色申告法人並みに帳簿書類を備え付けてこれらにその取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存していること。
    ④ 費途不明金その他の不適正な経理が行われていないこと。
   エ 事業活動に関し、次に掲げる基準に適合していること。
    ① 次に掲げる活動を行っていないこと。
     ・宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること。
     ・政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対すること。
     ・特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対すること。
    ② 役員、社員、職員若しくは寄附者若しくはこれらの者の配偶者又は3親等以内の親族又はこれらの者と特殊の関係にある者に対し特別の利益を与えないことその他特定の者と特別の関係がないものとして内閣府令で定める基準に適合していること。
    ③ 実績判定期間における事業費の総額のうちに特定非営利活動に係る事業費の額の占める割合その他これに準ずるものとして内閣府令で定める割合が100分の80以上であること。
    ④ 実績判定期間における受入寄附金総額のうち100分の70以上を特定非営利活動に係る事業費に充てていること。
   オ 次に掲げる書類について閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除き、これをその事務所において閲覧させること。
    ① 事業報告書等、年間役員名簿等、役員名簿及び定款等
    ② 認定の基準に適合する旨及び欠格事由に該当しない旨を説明する書類又は寄附金を充当する予定の具体的な事業の内容を記載した書類
    ③ 役員報酬又は従業員給与の支給に関する規程及び収入の明細その他の資金に関する事項、資産の譲渡等に関する事項、寄附金に関する事項その他の内閣府令で定める事項を記載した書類等
    ④ 助成の実績並びに海外送金等の金額及び使途並びにその予定日を記載した書類
   カ 各事業年度において事業報告書等、年間役員名簿等を所轄庁に提出していること。
 キ 法令に違反する事実、偽りその他不正の行為により利益を得、又は得ようとした事実その他公益に反する事実がないこと。
 ク 認定の申請書を提出した日を含む事業年度開始の日において、その設立の日以後1年を超える期間が経過していること。
 ケ 実績判定期間において、ウ、エの①及び②、オ、カ並びにキの基準に適合していること。

 (2)認定の欠格事由
  (1)にかかわらず、次のいずれかに該当する特定非営利活動法人は、認定を受けることができないものとすること。
   ア 役員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの
    ① 認定特定非営利活動法人等(認定特定非営利活動法人及び仮認定特定非営利活動法人をいう。以下同じ。)が認定又は仮認定を取り消された場合において、当該取消しの原因となった事実があった日以前1年内に当該認定特定非営利活動法人等の業務を行う理事であった者でその取消しの日から5年を経過しないもの
    ② 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    ③ この法律若しくは暴力団員不当行為防止法に違反したことにより、若しくは刑法204条等若しくは暴力行為等処罰法1条等の罪を犯したことにより、又は国税若しくは地方税に関する法律に違反したことにより、罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    ④ 暴力団の構成員等
   イ 認定又は仮認定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しないもの
   ウ 定款又は事業計画書の内容が法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの
   エ 国税又は地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から3年を経過しないもの
   オ 国税に係る重加算税又は地方税に係る重加算金を課され、又は徴収された日から3年を経過しないもの
   カ 暴力団の構成員等がその事業活動を支配するもの

 (3)認定に関する意見聴取
   所轄庁は、認定をしようとするときは、次に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、それぞれに定める者の意見を聴くことができるものとすること。
   ア (2)のア④及びカの事由 警視総監又は道府県警察本部長
   イ (2)のエ及びオの事由 国税庁長官、関係都道府県知事又は市町村長

 3 認定の有効期間及び認定特定非営利活動法人の情報開示等
 (1)認定の通知等
 ア 所轄庁は、認定をしたときはその旨を、当該認定をしないことを決定したときはその旨及びその理由を当該認定の申請をした特定非営利活動法人に対し、書面により通知しなければならないものとすること。
 イ 所轄庁は、認定をしたときは、当該認定を受けた特定非営利活動法人の名称、代表者の氏名、事務所の所在地及び当該認定の有効期間その他の都道府県又は指定都市の条例で定める事項を公示しなければならないものとすること。

 (2)名称の使用制限
 ア 認定特定非営利活動法人でない者は、その名称又は商号中に、認定特定非営利活動法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならないものとすること。
 イ 何人も、不正の目的をもって、他の認定特定非営利活動法人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならないものとすること。

 (3)認定の有効期間
  ア 認定の有効期間は、当該認定の日から起算して5年とし、その満了後に有効期間の更新を受けようとする場合は、有効期間の満了の6月前から3月前までに申請を行わなければならないものとすること。
  イ アの期間中に申請を行ったにもかかわらず、所轄庁の申請に係る処分が行われないときは、当該処分がされるまでの間は、引き続き認定は効力を有するものとすること。

 (4)認定特定非営利活動法人の情報開示
   ア 認定特定非営利活動法人は、1の②及び③の書類を、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、5年間、その事務所に備え置かなければならないものとすること。
   イ 認定特定非営利活動法人は、各事業年度一回、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、次に掲げる書類を作成し、これらを、翌々事業年度の末日まで(①については5年間)、その事務所に備え置かなければならないものとすること。
    ① 前事業年度の寄附者名簿
    ② 前事業年度の役員報酬又は従業員給与の支給に関する規程
    ③ 前事業年度の収入の明細その他の資金に関する事項、資産の譲渡等に関する事項、寄附金に関する事項その他の内閣府令で定める事項を記載した書類
    ④ ①から③のほか、内閣府令で定める書類
   ウ 認定特定非営利活動法人は、助成金の支給を行ったときは、遅滞なく、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、その助成の実績を記した書類を作成し、助成金の支給を行った日から3年を経過した日の属する事業年度の末日までの間、これをその事務所に備え置かなければならないものとすること。
   エ 認定特定非営利活動法人は、海外への送金又は金銭の持出し(その金額が200万円以下のものを除く。)を行うときは、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、事前に、その金額及び使途並びにその予定日(災害に対する援助その他緊急を要する場合で事前の提出が困難なときは、事後遅滞なく、その金額及び使途並びにその実施日)を記載した書類を作成し、3年間、これをその事務所に備え置かなければならないものとすること。
   オ 認定特定非営利活動法人は、ア、イの②から④、ウ若しくはエの書類又は事業報告書等、年間役員名簿等、役員名簿若しくは定款等について閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧させなければならないものとするとともに、これらの書類を所轄庁及び所轄庁以外の関係知事(その主たる事務所が所在する都道府県以外の都道府県でその事務所が所在する都道府県の知事をいう。以下同じ。)に提出しなければならないものとすること。
   カ 所轄庁は、認定特定非営利活動法人から提出を受けたア、イの②から④、ウ又はエの書類について、閲覧又は謄写の請求があったときは、都道府県又は指定都市の条例で定めるところにより、これを閲覧させ、又は謄写させなければならないものとすること。

 (5)認定の失効
   認定特定非営利活動法人について、次のいずれかに掲げる事由が生じたときは、認定は、その効力を失うものとすること。
   ア (3)アの認定の有効期間が経過したとき。
   イ 認定特定非営利活動法人が認定特定非営利活動法人でない特定非営利活動法人と合併をした場合において、その合併が所轄庁の認定を経ずにその効力を生じたとき。
   ウ 認定特定非営利活動法人が解散したとき。

 (6)その他
ア 2以上の都道府県の区域内に事務所を設置する認定特定非営利活動法人
   認定特定非営利活動法人で2以上の都道府県の区域内に事務所を設置するものについて、認定があった場合における所轄庁による所轄庁以外の関係知事への通知及び当該認定特定非営利活動法人による定款等の所轄庁以外の関係知事への提出その他所要の規定を整備するものとすること。

 イ 認定特定非営利活動法人の合併
   認定特定非営利活動法人が認定特定非営利活動法人ではない特定非営利活動法人と合併をした場合は、合併後存続する特定非営利活動法人又は合併により設立された特定非営利活動法人は、その合併について所轄庁の認定がされたときに限り、合併により消滅した認定特定非営利活動法人の地位を承継することができるものとすること。

二 仮認定制度
  特定非営利活動法人であって新たに設立されたもののうち、その運営組織及び事業活動が適正であって特定非営利活動の健全な発展の基盤を有し公益の増進に資すると見込まれるものは、所轄庁の仮認定を受けることができるものとすること。

 1 仮認定の申請
   一の1は、仮認定を受けようとする特定非営利活動法人について準用するものとすること。

 2 仮認定の基準
   所轄庁は、仮認定の申請をした特定非営利活動法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該仮認定をするものとすること。
 (1)一の2の(1)のイからケまでに適合すること。
 (2)設立の日から5年を経過しない特定非営利活動法人であること。
 (3)認定又は仮認定を受けたことがないこと。

 3 仮認定の有効期間
   仮認定の有効期間は、当該仮認定の日から起算して3年とするものとすること。

 4 仮認定の失効
   仮認定特定非営利活動法人について、次のいずれかに掲げる事由が生じたときは、仮認定は、その効力を失うものとすること。
 (1)3の仮認定の有効期間が経過したとき。
 (2)仮認定特定非営利活動法人が仮認定特定非営利活動法人でない特定非営利活動法人と合併をした場合において、その合併が所轄庁の認定を経ずにその効力を生じたとき。
 (3)仮認定特定非営利活動法人が解散したとき。
 (4)仮認定特定非営利活動法人が認定特定非営利活動法人としての認定を受けたとき。

 5 認定特定非営利活動法人に関する規定の準用
   一の2の(2)及び(3)並びに一の3の(1)、(2)、(4)及び(6)は、仮認定特定非営利活動法人について準用するものとすること。

三 監督
 (1)報告及び検査
 ア 所轄庁の報告及び検査
   所轄庁は、認定特定非営利活動法人等が法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いている疑いがあると認めるときは、当該認定特定非営利活動法人等に対し、その業務の状況若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、当該認定特定非営利活動法人等の事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるものとすること。

 イ 所轄庁以外の関係知事の報告及び検査
   所轄庁以外の関係知事は、認定特定非営利活動法人等が法令、法令に基づいてする行政庁の処分若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いている疑いがあると認めるときは、当該都道府県の区域内における業務の状況若しくは財産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、当該都道府県の区域内に所在する当該認定特定非営利活動法人等の事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができるものとすること。

 ウ 立入検査の手続に関する義務
 ① 所轄庁又は所轄庁以外の関係知事は、ア又はイの検査をさせる場合においては、当該検査をする職員に、ア又はイの疑いがあると認める理由を記載した書面を、あらかじめ、認定特定非営利活動法人等の役員その他の当該検査の対象となっている事務所その他の施設の管理について権限を有する者に提示させなければならないものとすること。
 ② ①にかかわらず、所轄庁又は所轄庁以外の関係知事がア又はイの検査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、①の書面の提示を要しないものとすること。
 ③ ②の場合において、所轄庁又は所轄庁以外の関係知事は、ア又はイの検査を終了するまでの間に、当該検査をする職員に、①の書面を、認定特定非営利活動法人等の役員等に提示させるものとすること。
 ④ ①又は③は、ア又はイの検査をする職員が、当該検査により①又は③により理由として提示した事項以外の事項についてア又はイの疑いがあると認められることとなった場合において、当該事項に関し検査を行うことを妨げるものではないものとすること。この場合において、①又は③は、当該事項に関する検査については適用しないものとすること。
 ⑤ ア又はイの検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならないものとすること。

 (2)勧告、命令等
   ア 勧告
    ① 所轄庁は、認定特定非営利活動法人等について、(3)のイのいずれかに該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該認定特定非営利活動法人等に対し、期限を定めて、その改善のために必要な措置を採るべき旨の勧告をすることができるものとすること。
    ② 所轄庁以外の関係知事は、認定特定非営利活動法人等について、(3)のイのいずれかに該当するに疑うに足りる相当な理由がある場合には、当該認定特定非営利活動法人等に対し、期限を定めて、当該都道府県の区域内における事業活動について、その改善のために必要な措置を採るべき旨の勧告をすることができるものとすること。

   イ 命令
   所轄庁又は所轄庁以外の関係知事は、アの勧告を受けた認定特定非営利活動法人等が、正当な理由がなく、その勧告に係る措置を採らなかったときは、当該認定特定非営利活動法人等に対し、その勧告に係る措置を採るべきことを命ずることができるものとすること。

 ウ 意見聴取
   所轄庁又は所轄庁以外の関係知事は、アの勧告又はイの命令をしようとするときは、次に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、それぞれに定める者の意見を聴くことができるものとすること。
  ① 3の(2)のア④及びカの事由 警視総監又は道府県警察本部長
  ② 3の(2)のエ及びオの事由 国税庁長官等

   エ その他の事業の停止命令
   所轄庁は、その他の事業を行う認定特定非営利活動法人について、その他の事業から生じた収益が当該認定特定非営利活動法人が行う特定非営利活動に係る事業以外の目的に使用されたと認めるときは、当該認定特定非営利活動法人に対し、その他の事業の停止を命ずることができるものとすること。

 オ 書面による命令の努力義務
   アの勧告、イの命令及びエのその他の事業の停止命令は、書面により行うよう努めなければならないものとすること。

 カ 命令の公示
   所轄庁又は所轄庁以外の関係知事は、イの命令及びエのその他の事業の停止命令をしたときは、その旨を公示しなければならないものとすること。

 (3)認定又は仮認定の取消し
  ア 義務的取消し
   所轄庁は、認定特定非営利活動法人等が次のいずれかに該当するときは、その認定を取り消さなければならないものとすること。
   ① 2の(2)の欠格事由に該当するとき。
   ② 偽りその他不正の手段により認定、仮認定、有効期間の更新又は合併による地位の承継の認定を受けたとき。
   ③ 正当な理由がなく、(2)のイの命令又はエのその他の事業の停止命令に従わないとき。
    ④ 認定特定非営利活動法人等から認定又は仮認定の取消しの申請があったとき。

  イ 任意的取消し
   所轄庁は、認定特定非営利活動法人等が次のいずれかに該当するときは、その認定又は仮認定を取り消すことができるものとすること。
 ① 2の(1)のウ、エの①若しくは②、オ、カ又はキに掲げる基準に適合しなくなったとき。
    ② 法令又は法令に基づく行政機関の処分に違反したとき。

   ウ 認定又は仮認定の取消しに係る聴聞手続公開の努力義務等
   ① ア又はイの認定又は仮認定の取消しに係る聴聞の期日における審理は、認定特定非営利活動法人等から請求があったときは、公開により行うよう努めなければならないものとすること。
    ② 所轄庁は、①の請求があった場合において、聴聞の期日における審理を公開により行わないときは、認定特定非営利活動法人等に対し、当該公開により行わない理由を記載した書面を交付しなければならないものとすること。

   エ 認定又は仮認定の取消しに係る意見聴取
     (2)のウは、認定又は仮認定の取消しをしようとする場合について準用するものとすること。

   オ 法人への通知及び法人情報の公示
     所轄庁は、認定又は仮認定を取り消したときは、理由を付した書面をもって認定又は仮認定を受けていた特定非営利活動法人等にその旨を通知しなければならないものとするとともに、その旨を公示しなければならないものとすること。

 (4)監督のための他の機関との連携等
   ア 所轄庁への意見等
  ① 所轄庁以外の関係知事は、2以上の都道府県の区域内に事務所を設置している認定特定非営利活動法人等が(2)のイの命令に従わなかった場合その他の場合であって、所轄庁が当該認定特定非営利活動法人等に対して適当な措置を採ることが必要であると認めるときは、所轄庁に対し、その旨の意見を述べることができるものとすること。
  ② 次に掲げる者は、認定特定非営利活動法人等についてそれぞれに定める事由があると疑うに足りる相当な理由があるため、所轄庁が当該認定特定非営利活動法人等に対して適当な措置を採ることが必要であると認める場合には、所轄庁に対し、その旨の意見を述べることができるものとすること。
     ・ 警視総監又は道府県警察本部長 3の(2)のア④及びカに該当する事由
     ・ 国税庁長官等 3の(2)のエ及びオに該当する事由
※ (2)のウ及び(3)のウとあわせて、所轄庁と国税庁との双方向の情報共有に係る規定を整備。
    ③ 所轄庁は、認定事務の実施に関して特に必要があると認めるときは、所轄庁以外の関係知事に対し、当該所轄庁以外の関係知事が講ずべき措置について、必要な要請をすることができるものとすること。

   イ 所轄庁への指示
   内閣総理大臣は、認定事務の実施に関して地域間の均衡を図るため特に必要があると認めるときは、所轄庁に対し、(2)のアの①の勧告、(2)のイの命令、(2)のエのその他の事業の停止命令又は認定若しくは仮認定の取消しその他の措置を行うべきことを指示することができるものとすること。

第4 その他の措置

 1 情報の提供
   内閣総理大臣及び所轄庁は、特定非営利活動法人に対する寄附その他の特定非営利活動への市民の参加を促進するため、認定特定非営利活動法人等その他の特定非営利活動法人の事業報告書等の活動の状況に関するデータベースの整備を図り、国民にインターネットその他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に情報を提供できるよう必要な措置を講ずるものとすること。

 2 協力依頼
   所轄庁は、この法律の施行のために必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができるものとすること。

 3 罰則
   所轄庁等による命令の実効性の確保、認定特定非営利活動法人等の名称保護等のための罰則を設けるものとすること。

第5 施行期日等

(1)施行期日
  この法律は、平成24年4月1日から施行するものとすること。

(2)収支計算書に関する経過措置
  当分の間、「収支計算書」を提出することができるよう、附則に所要の特例措置を設けるものとすること。

(3)仮認定に関する経過措置
  この法律の施行の日から起算して3年を経過する日までの間に第3の二の1仮認定の申請書を提出した特定非営利活動法人については、第3の二の2(2)の基準を適用しないものとすること。

(4)租税特別措置法の一部改正及びこれに伴う経過措置
 租税特別措置法に規定されている認定特定非営利活動法人制度を廃止するとともに、同法の認定を受けた認定特定非営利活動法人の認定の有効期間については、なお従前の例によるものとすること。
※ あわせて、政令において、認定特定非営利活動法人の「みなし寄附金制度」を拡充し、所得金額の50%又は年200万円のいずれか多い額までの範囲で寄附金の損金算入を認めるものとする。
※ 平成23年税制改正において、個人のする認定特定非営利活動法人等への寄附について、(寄附金額-2千円)の40%を税額控除できるものとする(所得控除との選択制)(認定主体が都道府県知事に変更された後も継続)。

(5)検討
  特定非営利活動法人制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況、特定非営利活動を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案し、特定非営利活動法人の認定に係る制度、特定非営利活動法人に対する寄附を促進させるための措置、「特定非営利活動法人」という名称その他の特定非営利活動法人に関する施策の在り方について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。

(6)その他
  その他所要の規定を設けるものとすること。

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