NPO法改正案、各党の了承手続きが完了!
5月31日、超党派のNPO議員連盟が中心となって、議員立法による制定を目指す「特定非営利活動促進法(NPO法)改正案」について、各党内での了承手続きが完了した。
特定非営利活動促進法(NPO法)は、1998年に成立・施行された法律。2003年に活動分野の追加などの改正が行われたが、その後8年近くに渡り、大幅な改正はされてこなかった。
一方で、特定非営利活動法人(NPO法人)の活動の広がりや法人数の増加、情報通信技術の発達、個人情報保護の必要性高まり、機動的法人運営に対する要望などから、ここ数年、NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会(連絡会)では、抜本改正を求めていた。
参考ニュース「NPO議連再結成、政府に税制改正を提言へ」(2011/12/03)
/2010/12/その他-npo議連再結成、政府に税制改正を提/
また、平成23年度税制改正大綱に盛り込まれた認定事務の地方移管や「仮認定制度」の導入などについては、従来の租税特別措置法の改正ではなく、NPO法への盛り込む方向となった。
こうした流れを受けて、超党派の国会議員から成るNPO議員連盟では、NPO法改正案の準備を開始。NPO議連役員や衆議院法制局、内閣府らによる議論・協議を経て、5月25日に開催された「今国会で新寄付税制&NPO法改正の実現を!5・25緊急院内集会」にて、下記のようなNPO法改正案の要綱案が発表されるに至った。
参考ニュース「【速報】5・25緊急集会、NPO法改正案が公表」(2011/05/25)
https://www.npoweb.jp/2011/05/525緊急集会npo法改正案が公表/
【NPO法改正案の主な内容】
●特定非営利活動法人(NPO法人)制度の改正
・NPO法人の活動分野に「観光の振興を図る活動」「農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動」「都道府県・政令市の条例で定める活動」3分野追加する
・内閣府の認証事務をなくし、認証は主たる事務所の都道府県・政令市に移管する
・会計書類を「収支計算書」から「活動計算書」に名称変更する
・解散公告回数を削減し、届出事項を追加するなど認証の柔軟化・簡素化を行う
●認定NPO法人制度の改正
・認定NPO法人制度をNPO法に盛り込む
・認定機関を国税庁から都道府県・政令市へ移管する
・パブリック・サポート・テスト(PST)が免除される「仮認定制度」を導入する
・インターネットを通じた情報開示を進める
今国会の会期末は、6月22日に迫り、NPO法が付託される衆参内閣委員会の審議日程も窮屈なものとなっている。このため、NPO議連では、各党の党内手続きを急ぐことで合意。25日の緊急院内集会でも、各党の進捗状況と完了見込みが報告された。
各党内ではNPO議連の議員らが中心となって、議員立法によるNPO改正案を党として了承する党内手続きが進められた。
最終的に5月31日をもって、民主党・自由民主党・公明党・みんなの党・日本共産党・社会民主党・国民新党・たちあがれ日本、各党での了承手続きが完了した。これにより、NPO改正法案の国会提出に向けた環境は整ったと言える。
今後の焦点は、いつ法案を提出できるかに移る。最短で、6月3日(金)には衆議院へNPO法改正法案が提出される見込みだ。ただし、内閣不信任案の動向によっては、総辞職・解散総選挙もあり得るため、先行きは不透明だ。
NPO議連参加議員をはじめ、各党国会議員の皆さまに感謝申し上げると共に、成立に向けたご協力をお願いしたい。