NPOの寄付集めを革新!3k×100を活かしきる、ソーシャルメディアの活用術ーイケダハヤト氏インタビュー
必要なのは、「角を削って、投げやすいボールにする」マーケティングマインド。
—NPOはここをこうしたらもっとうまくいくのに、のようなはがゆい部分はありますか?
たくさんありますが(笑)まず、NPOには、もっともっとブランディングを意識してほしいですね。しかも、コピーライティングとか、そういうレベルで。
せっかくいい活動をやっていても、WEBデザインの問題だったり、ライティングの問題だったりで、それらがいまいちなばかりに見てもらえないというのは本当にもったいない。「代表紹介」のページで、せっかく熱い思いを語っていても、そこに辿りつかないページデザインであったりとか。
NPOの発信の仕方にも、「角の尖ったものを、削って丸くして投げやすいボールにする」という事が必要なんですよ。それをやりさえすれば、ひとりでも多くの人がRTしてくれて、もっと多くの人に伝わるのに。
デザインや伝え方次第でターゲットや伝わる度合いががらりと変わります。それはやはり戦略的にやっていく必要があるので、NPOで活動する人びとにも、もっとマーケティングマインドを身につけてほしい、と感じます。
寄付文化の創造が社会を変える
—池田さんご自身は、これから寄付のシステム、NPO業界全体がどう発展していってほしいですか?
僕自身もそうですが、NPOのセクターって、働いていてとても楽しいんですね。社会の問題を解決するというのは、人の多分根本的なモチベーションだと思います。
高度経済成長期のエンジニアにもそういう側面があったと思うんです。この仕事によって、社会をいい方向に変えられるんだ、という。今、企業で働いている人たちだって、潜在的には「この仕事、誰かの役に立ってるのかな?」という疑問を常に感じながら働いていると思うんですよ。僕自身も、ずっとそう感じていたので。
ですから、社会のために何かをしたい、という優秀で若い人達がNPOセクターに入っていくのは当然の流れだと思います。ただ、優秀であっても、NPOだと食べて行けない。だからこそ寄付の文化を創るのは大きな意義があると思っています。もし、事業立ち上げまで経験したような、年収1000万クラスの人達がガンガンNPOセクターに入っていけるようになったら、NPOの社会的インパクトってどんどん大きくなると思うんですね。
これからはきっと、マーケティング、企業が物を売るかのように寄付を集めるという流れになるでしょうし、その風穴をどう開けるかというのが重要なテーマだと思います。どう考えても、この変化は絶対起きる。それは火を見るより明らかなのですが、時期をどれだけ早めるかというのが重要な課題だと思います。その意味で3k×100というのは十分にモチベーションのドライブになると思います。それをちゃんと報じるメディアが増えればもっと加速できる。新聞に乗ったりすれば、人の意識は簡単に変わりますから。
そうやって、この変化が、10年後ではなく、5年後、3年後に起きたら素敵ですよね。そのために、そんなマインドを持っているプレーヤーがもっともっと増えて、つながってくれたらいいなと思います。
―ありがとうございました。
イケダハヤト
1986年生まれ。2009年早稲田大学を卒業。
「あらゆる個人と組織にソーシャルウェブの力を!」をテーマに活動中。
企業を初め、政治家やNPOのソーシャルウェブ活動を支援している。
JICAのコンテンツ「ソーシャルメディアの活用術」、
講談社現代ビジネス「ソーシャライズ!」にて連載中。