埼玉県、「新しい公共」担い手拡大セミナー盛況
7月6日、大宮ソニックシティビル市民ホールにて、「『新しい公共』の担い手拡大セミナー」が実施された。主催は埼玉県のNPO活動推進課。埼玉県認証NPO法人を対象に、NPO制度改革・認定NPO法人制度・新会計基準などが解説された。
参加したのは約70団体。埼玉県内の川越、春日部、熊谷で行われた同様のセミナーにも主催者の予想を大幅に上回る参加者があり、改正NPO法や新寄付税制への高い関心が伺える。
セミナーは国税局職員による認定NPO法人制度の解説や、さいたまNPO会計税務専門家会議に所属する公認会計士深谷豊氏による「認定NPO取得に係るアド バイスと新会計基準について」など、新制度についての解説が主なもの。これらに加えて埼玉県NPO活動推進課主幹 栗林享氏からは、国の「新しい公共」支援事業を受けて実施する県内のNPO活動をさらに活性化させていくための事業の説明などが行われた。
「これまでは県のNPO基金を活用した事業助成が主だったが、これからはNPOと大学や企業、自治体などが積極的につながりあうようなってもらいたい」と語る 栗林氏。認定NPOが増えればこうした連携が広がり、NPO活動による地域問題の解決もさらに促されるのではないかと、考えている。
セミナーに参加していたNPO法人「環境ネットワーク埼玉」の事務局長秋元智子氏は、新ルールの可決後さっそく申請の準備を進めているとのこと。同NPOでは これまで受託事業で得た資金の比率が多かったため、認定NPOの申請は困難だったが、新しいパブリック・サポート・テスト「3000円×100人」ルール であれば、ほぼ確実に認定を受けられる。秋元氏は「認定NPOが増えればNPO同士の繋がりも強化していける」と期待。「私たちのような地域の中核となっ ているNPOが活性化すれば、自宅が事務所を兼ねているような小さなNPOの力もこれまで以上に役立てられるはず」と語った。
NPO活動推進課では、専門家による認定NPO取得個別サポートなどを含めた「『新しい公共』支援事業」を2ヵ年事業として実施していくとのこと。
「日本一NPO活動が盛んな県づくり」を目指す埼玉県の今後の取り組みに注目したい。