「みなし寄付」50%は新認定法人のみ
認定NPO法人の「みなし寄付金」が、来年4月のNPOの改正で50%又は200万円のいずれか(現行20%)に拡充されることになる。しかし、改正以前の法律の下で認定NPO法人になった法人にあっては、認定機関の移管が行われるまで、このみなし寄附の拡充制度が適用とならないことが、26日、山内康一議員の質問で明らかになった。
来年4月の認定NPO法人制度の改正により、みなし寄付金の控除額が、所得の50%か200万円のいずれか高い方(現行20%)に拡充されることになる。この制度の具体的な運用については不明瞭な点もあることから、10月26日、みんなの党の山内康一衆議院議員が衆議院内閣委員会で質問し、政府に質した。
質問で、山内議員は改正後のみなし寄付金制度がどの事業年度から適用となるのか。また、来年4月以降に認定を受けた法人は、認定前にさかのぼって利用できるのかについて質問した。
園田内閣府大臣政務官が答弁を行い、平成24年4月1日以降に、新制度の下で認定された認定NPO法人にあっては、4月1日以降に終了する事業年度分から、新みなし寄付金制度が使えるとした。しかし、来年3月末までの現制度下(国税庁)で認定を受けた認定NPO法人にあっては、有効期間が切れて、認定機関が所轄庁に移るまでは、これまでどおり20%までとなるとの答弁を行った。
現行制度で、認定を受けたNPO法人は、来年4月以降も、国税庁の監督の下に置かれ、認定から5年の有効期間が終わるまでは、所轄庁への認定機関の移管も行われないことも明らかにされた。
「みなし寄付金」とは、収益事業から得た利益を非収益事業に使用した場合に、この分を寄付金とみなし、一定の範囲で損金に算入できるという制度。これまで所得金額の20%までだったが、来年の法改正により所得金額の50%または200万円のいずれか大きい金額までを上限に損金算入できることとなった。課税所得税額を減額することができることから事業収入を得ながら活動を行う団体にとっては、メリットの大きい制度である。
今回の内閣委員会では、新制度により大幅な拡充がされたところであるが、その運用が明らかでないとして山内議員が質問を行ったものである。山内議員は、超党派のNPO議員連盟の幹事として、NPO法改正に深く携わってきている。シーズでは今後も、運用に際し不明瞭な点を明らかにして、現場での制度活用に結び付けたいとしている。