ロビー活動による震災支援/その成果
3月11日に発生した[東日本大震災]。
シーズも歌舞伎町の事務所が被災し、復旧が困難であったことから他の団体に間借りするかたちで、3箇所に別れて活動することとなりました。
連日連夜、被災地からのニュースが飛び交うなか、我々シーズは
【日本のNPOが被災者支援を行うために協力しあうことをバックアップする】
という方針のもと、最大の強みである“ロビー活動”を実施。
支援活動をおこなう中で浮き彫りとなるであろうNPO法人制度の課題を解決しつつ、新寄付税制やNPO法改正の重要性を改めて伝えていくことにしました。
■NPOどうしを繋ぐ。/被災地と、政府を繋ぐ。
その第一歩として、震災直後の3月16日には
「政府と震災支援NPOとの意見交換会」を開催。
多くの防災関係団体とともに「東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)」を立ち上げ、この常任世話団体を同ネットワークの制度チームが担当するものとしました。また、副代表の松原が「新しい公共推進会議・震災支援ワーキング・グループ」の主査を担当するなど、NPO法人など市民による復興支援と政府との連携をサポートしています。
あわせて同時期には、NPO法人は「緊急通行車両」でスムーズに被災地入りができるよう政府に働きかけ、19日にはこれが実現されました。
■シーズが実現させた震災支援に係わる制度改正
制度面における緊急対応として実現したものは次の通りです。
● 3月末で期限切れの予定だった特例措置の延長
● 認定NPOに対する指定寄付金申請を可能に
● まだ認定NPO法人でないNPOへの支援金について、
中央共同募金会で一本化して集めたものを指定寄付金とする
税額控除の先行導入
● 震災関連寄付に関しては所得控除の上限を80%に引き上げ
また、上記の中央共同募金から分配される助成金について、当初はこれを人件費として使うことが認められていませんでしたが、シーズと財務省との直接交渉によって、被災地支援にあたる人員への人件費として使用できることとなりました。
税に関する震災特別税制は4月19日に国会に提出され、4月27日には国会を通過。シーズはこうした制度の成立に関わり、被災したNPO法人や被災地支援に携わるNPO法人の両方がスムーズに復興作業にあたれるよう、制度面での支援をバックアップしています。
NPO法が成立した背景には、阪神淡路大震災の際にボランティア団体が収めた多大な功績が大きく関わっています。そのため、今回の震災はまさにNPO法の真価が問われる局面と言えるでしょう。
シーズは今後も各省庁と被災者支援NPOとの連携強化を進めていくとともに、新たに出てくるであろうNPO活動のさまざまな制度的障害を取り除く作業を進めていきます。
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