寄付白書2011発行、震災寄付を特集
日本ファンドレイジング協会は、「寄付白書2011(Giving Japan2011)」を、日本経団連出版から発行した(税込み:2,520円)。寄付白書2010に続く2回目の発行となる今回も寄付の総額や動機、分野別の状況、関連トピックなどを総合的にまとめている。今回は「震災寄付」と「高齢者寄付」が特集、2010年の日本の寄付総額も前年とほぼ同額の約1兆円と推計されている。
日本ファンドレイジング協会は、日本における寄付文化の革新を目指し、2009年2月18日に設立、2010年2月にNPO法人化された団体。「ファンドレイジングセミナーやファンドレイジング研究会の開催」や「ファンドレイジング大会の開催」、「ファンドレイジングジャーナルの発行」「寄付者の権利宣言の策定」など、日本の寄付文化の革新に向けて、活発に事業を展開している。
本書では、寄付を「自分自身や家族のためではなく、募金活動や社会貢献等を行っている人や団体に対して、金銭や金銭以外の物品(衣料品、食料品、医療品、日用品、クレジットカードのポイント、不動産など)を自発的に提供する行為」と定義。団体だけでなく個人も対象としている他、いわゆる現物寄付を含めて定義している。
また、寄付金にはいわゆるNPO向けだけでなく「国や地方自治体、政治献金、宗教団体(寺社、仏閣、協会へのさい銭・献金、檀家となっている寺院への寄付、祭礼への寄付を含む)、自治会や町内会、婦人会やPTA、地域の催事や祭事への寄付」も調査対象としている。
個人寄付やボランティア活動の現状については、2011年5月に全国の20歳~79歳の男女約2万人を対象に、インターネット調査を実施(調査概要は記事末尾参照)。約8千人からの回答結果(回収率:41%)を基に、推計を行って算出した。
「寄付白書2011(Giving Japan2011)」の構成は下記の通り。
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はじめに
第1章 震災寄付
第2章 寄付の動向
第3章 高齢者寄付
第4章 ボランティア活動の動向
第5章 政策・制度
第6章 寄付ニュースクリップ2010
第7章 課題と展望
付録
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「寄付白書2011(GivingJapan2011)」で明らかになった注目すべきポイントは以下の5点。
●2010年の個人寄付は4,874億円と推計、法人寄付は5,467億円で寄付総額は約1兆円と横ばい
●東日本大震災への寄付は3,899億円(2011年8月19日時点)に達し、寄付者8,457万人と国民の約8割に相当
●東日本大震災を契機に、「義援金」と「支援金」の違いを認識した人が27.6%
●40歳以上で「遺産寄付」の意思がある人は21.0%、寄付したい遺産は現金が9割
●寄付した人の82%、寄付しなかった人でも73%の人が「今後、日本でももっと寄付が進むようになるとよい」と回答
寄付白書2011の詳細は、日本ファンドレイジング協会サイト内、下記ページを参照。
http://jfra.jp/2012/01/17/gj2011/
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個人向けインターネット調査概要
実査期間:2011年5月17日~2011年5月24日
調査対象:2011年5月17日時点で全国に居住する満20~79歳までの男女個人
(1930年5月18日~1991年5月17日に生まれた男女)
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
標本数:20,356
回答完了数:8,427
有効回答数:8,420
回収率:41.4%(回答完了数/標本数)
抽出方法:ネット調査専用モニター
質問数:36問
調査実施機関:株式会社インテージ
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寄付白書発行研究会メンバー(50音順)
阿部陽一郎(社会福祉法人中央共同募金会 企画広報部副部長)
今田忠(市民社会研究所 所長)
鵜尾雅隆(NPO法人日本ファンドレイジング協会 常務理事・事務局長)
奥山尚子(大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程/日本学術振興会特別研究員)
岸本幸子(NPO法人パブリックリソースセンター 理事・事務局長)
田中皓(公益財団法人助成財団センター 専務理事)
藤本貴子(NPO法人パブリックリソースセンター 研究員)
山内直人(大阪大学大学院国際公共政策研究科教授)
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