JCN、設立1周年の全体ミーティング
3月30日、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)の全体ミーティングが在日本韓国YMCAアジア青少年センター(東京都千代田区)で開催され、百数十名が参加した。全体テーマ「2年目の被災者・避難者支援の在り方を考える」のもと、テーマ1「被災者支援のこれからとJCNに求めるもの―支援者・行政・企業の立場から―」とテーマ2「広域避難の現状―広域避難者支援の報告とネットワークづくりについて―」の2部構成で、震災から1年が過ぎた被災地あるいは被災県外での被災者支援の現状と課題、さらにJCNへの要望について報告・議論が行われた。
政府からは、郡和子復興大臣政務官が出席し、挨拶を行った。
テーマ1では、被災県の中間支援組織、復興庁、経団連から活動の現状と課題、およびJCNへの希望が報告された。
各県からは、「被災者の自立」をサポートする仕組みをいかに作っていけるかが目標であり、自治体や国の支援制度、被災者や被災地域の支援団体のニーズ、被災地域外の支援団体の活動をつなぎ、議論を深めていく場が無いことが課題であると報告された。JCNには、そうした場・ネットワークづくりや、人材育成、行政との橋渡しの場づくり等に協力して欲しいとの意見があった。経団連からは、企業の関心をつなぎとめるための情報発信や、テーマ別・地域別のマッチングの場を整備して企業の専門性を活かせる支援によって、企業が長くつづけられる支援活動にしていくことが課題であると報告された。
テーマ2では、6万人を超える県外避難者への支援の現状と課題について議論が行われた。福島県では、県外避難者を支援するために活用できる制度が脆弱で不十分な中で各県に受け入れをお願いせざるを得ない一方、受け入れ側の愛知県では、被災者登録制度はあっても、未登録の方への情報周知や自主避難者が抱える負い目(津波などの被害を直接受けていないのに避難していることへの負い目)を抱え交流の機会が活用できないなどの現状が報告された。今後の課題としては、都道府県を超えた被災者支援制度の整備(例えば避難者支援カルテをつくり、越境してもスムーズな支援体制を受けられる等)、テーマ1とも共通するが「地域と全国」「被災者・支援団体・行政等」の間で広域避難者の支援情報の共有、などが指摘された。
(全体ミーティングの様子 3/30)
震災から1年が経過し、被災者の自立支援が求められるようになった現在、広範囲の画一的な支援から状況に応じた個別支援の重要性が増し、被災者に寄り添った活動を行うNPOの活動は、ますます重要性を増している。震災後、被災県のNPO法人の新設申請は2倍以上に増加していることからも、NPO法人が必要とされている状況がわかる。本年4月1日に改正NPO法が施行され、申請の簡素化や寄付を集めやすくなるなど、NPO法人の運営を支援する新たな制度が始まった。
シーズでは、これらの制度の普及啓発をすすめ、震災支援活動を行うNPOを側面的にサポートすることで震災支援に貢献していく。