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制度ニュース

2012年06月27日 15:00

H23年度確定申告、寄付金控除の利用倍増

6月、国税庁は「平成23年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」を公表した。発表された資料から、新寄付税制で導入された寄付金税額控除や震災特例税制で導入された震災関連寄付金への優遇税制について、個人での活用状況が明らかとなった。

個人の寄付金控除は、いわゆる年末調整では適用されず、給与所得者(サラリーマン)であっても、確定申告もしくは還付申告が必要となっている。このことから所得税の確定申告では、寄付金控除の利用人数や実際の控除額を把握可能であり、寄付税制やファンドレイジングを考える上で貴重な統計が得られる。

今回の平成23年度(2011年度)の確定申告分から、2011年中に施行された新寄付税制や震災特例税制が初めての適用となった。公表資料によれば、「平成23年度の寄付金控除利用者は約140万人に達し、うち約82万人が震災関連寄付での利用」であった。また、寄付金控除額も「全体で約1300億円」に達した。新寄付税制で導入された認定NPO法人等寄附金特別控除や公益社団・財団法人等特別控除なども、合わせて「約25万人が利用し、約50億円の適用を受けている」ことが分かった。

確定申告書の提出人員は2,185万人、うち申告の結果、還付の対象となる還付申告は1,279万人であったことから、寄付金控除の利用者の割合は、確定申告者のうち約6%、還付申告者のうち約11%である。平成22年度は確定申告書の提出人員が2,315万人、還付申告が1,267万人であったことから、寄付金控除利用者の割合は、確定申告者のうち約3%、還付申告者のうち約5%に過ぎなかった。しかし、平成23年度は寄付金控除利用者、控除適用額ともにほぼ倍増している。やはり東日本大震災を受けての寄付が大きな後押しとなったと言える。寄付税制の周知や広報はまだ十分とは言えないが、税制の利用面でも「寄付元年」を感じさせる結果となった。

震災関連寄附の寄附金控除等の適用状況(所得税)

平成22年分 平成23年分
寄附金控除(所得控除) 624億円

579千人

1,262億円

1,219千人

震災関連寄附金 794千人
政党等寄附金等特別控除(税額控除)※ 9億円

29千人

50億円

250千人

震災関連寄附金 32千人
合計 602千人 1,364千人
震災関連寄附金 819千人

※認定NPO法人等寄附金特別控除や公益社団・財団法人等特別控除の利用者・適用額は「政党等寄附金等特別控除(税額控除)」に含まれる。

出典:国税庁「平成23年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」

より詳細な内容は、国税庁サイト内、下記ページを参照。

「平成23年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2011/kakutei_jokyo/index.htm

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