【改正NPO法】活動分野の号数ズレに注意を
4月1日の改正NPO法(特定非営利活動促進法)の施行に伴い、定款に記載されている活動分野に注意が必要になっている。
4月からの改正NPO法では、法別表第2に定める特定非営利活動の分野に新しく「観光の振興を図る活動(第4号)」「農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動(第5号)」が追加された。
これまでの活動分野と比べて活動分野一覧では、以下のように変更が行われることとなる。
2012年4月1日以降 | 2012年3月31日以前 |
1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動 3.まちづくりの推進を図る活動 4.観光の振興を図る活動 5.農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動 6.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 7.環境の保全を図る活動 8.災害救援活動 9.地域安全活動 10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動 11.国際協力の活動 12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 13.子どもの健全育成を図る活動 14.情報化社会の発展を図る活動 15.科学技術の振興を図る活動 16.経済活動の活性化を図る活動 17.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 18.消費者の保護を図る活動 19.前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 20.前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動 |
1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動 3.まちづくりの推進を図る活動 【新設】 【新設】 4.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 5.環境の保全を図る活動 6.災害救援活動 7.地域安全活動 8.人権の擁護又は平和の推進を図る活動 9.国際協力の活動 10.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 11.子どもの健全育成を図る活動 12.情報化社会の発展を図る活動 13.科学技術の振興を図る活動 14.経済活動の活性化を図る活動 15.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 16.消費者の保護を図る活動 17.前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 【新設】 |
下線が引かれている活動分野に関して、定款でNPO法と同じ号数を記載している場合は定款の変更が必要となっている。
改正前の4号以降の活動を行っている団体は定款のチェックを行ってほしい。
変更が必要とされる定款の記載例は以下のようなものがある。
(例1)
この法人は、その目的を達成するため、特定非営利活動促進法別表の次の各号に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
1.一
2.六
3.七
(例2)
この法人は、その目的を達成するため、特定非営利活動促進法第2条別表各号に掲げる第9号及び第11号の活動を行う。
上記のような定款の記載をしている団体では、定款上の号数とNPO法上の号数にズレが生じてしまっているため、定款の変更を行わなければならない。
なお便宜上、番号を定款の活動分野に振っているだけなら変更の必要はない。
(例)
この法人は、その目的を達成するため、特定非営利活動促進法別表の次の種類の特定非営利活動を行う。
1.まちづくりの推進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動
3.環境の保全を図る活動
内閣府では、今回の改正に伴う変更に関しては本来なら活動分野の変更は認証が必要だが、今回は届け出のみで変更できるようにするよう所轄庁へ通達を行っている。
よって今回の改正に伴う号数ズレを直す定款変更に関しては、所轄庁への届け出のみとなるため、各NPO法人は速やかに変更を行うことが必要だ。
また、登記に関しても、今回の活動内容の変更の登記では、認証書の提出は不要で、定款の変更を行った総会の議事録と、変更後の定款を提出することとなる。
例えば、「社会教育の推進を図る活動」と「子どもの健全育成を図る活動」を行っている団体が定款上で以下のような記述をしていた場合、
(例)
この法人は、その目的を達成するため、特定非営利活動促進法第2条別表各号に掲げる第2号及び第11号の活動を行う。
この定款は、4月以降だと第2号(社会教育の推進を図る活動)は問題ないが、第11号が国際協力の活動となってしまうため、本来掲げていた「子どもの健全育成を図る活動」とズレてしまうため以下のように変更が必要になる。
(例)
この法人は、その目的を達成するため、特定非営利活動促進法第2条別表各号に掲げる第2号及び第13号の活動を行う。
「子どもの健全育成を図る活動」は13号の活動となるため、11号から13号へと記載を変更することとなる。
また定款の変更となるため、総会で議決することが必要となり、その総会の議事録と変更後の定款、また定款変更届出書を所轄庁宛に提出を行うことになる。
総会終了から2週間以内に主たる事務所の所在地での登記を行うことも必要となり、この際所轄庁の認証書は必要ない。
登記完了後に、登記完了提出書を所轄庁に提出することとなる。
詳細については、以下のリンク先を参照のこと。
【NPO法改正】特定非営利活動の分野の号ズレに伴う定款変更について(香川県)
【重要】NPO法人の皆様へ(NPO法改正に伴う定款変更の特例的扱いについて)(宮崎県)
特定非営利活動促進法の改正に係る定款変更の取扱いについて(内閣府)
参考ニュース
【改正NPO法】初の抜本改正、ついに施行(2012/04/04)