全国初の仮認定NPOも誕生、認定・仮認定計277法人に
改正特定非営利活動促進法(NPO法)が施行され、4か月となる8月、全国初となる所轄庁での仮認定特定非営利活動法人(仮認定NPO法人)が、2法人誕生した。9月にかけて、所轄庁による認定NPO法人も6法人誕生している。
今回、全国で初めて、所轄庁による仮認定となったのは神奈川県川崎市にある特定非営利活動法人ぐらすかわさき、大阪府大阪市にある西日本がん研究機構の2法人(8月31日付)。
9月にかけて、他にも愛知県、大阪市で認定NPO法人が4法人誕生し、仮認定NPO法人も大阪市と長崎県で2法人が誕生した。
これにより、国税庁時代の旧認定NPO法人267法人と合わせて、仮認定を含む認定NPO法人の数は、8法人増加して、全国で277法人となった。また、全国の認定NPO法人のある都道府県の数は35都道府県、認定NPO法人の無い「認定空白県」は12県となっている。
【大阪市 認定】特定非営利活動法人 大阪NPOセンター
認定の有効期間:平成24年8月27日から平成29年8月26日まで
― 認定・仮認定NPO法人 /大阪市ホームページ
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◆◆法人からのコメント◆◆
昨年8月に開催した「改正NPO法・新寄附税制セミナー」の熱気を思い出します。
しかし、いざ施行となるとトーンダウンしているようです。我々が取得に向けてチャレンジしようと思ったのは、挑戦することで、経験を踏まえた具体的な実務サポートができ、さらに、これまでの寄附者と違う層の方にも寄附をお願いしたいと思ったからです。
認定NPO法人になったことで、言いわけができなくなり、追い込まれた気もしますが、意思のある資金協力を募ることで、市民社会の成熟化に尽力できると考えています。皆さんも早速、準備を始めてはいかがですか。取得に向けての条件整備をすることで、運営力・組織力が増すと思われます。新制度では、認証と認定の所轄庁が同一機関になったわけですから、日頃からの良好な関係づくりも大事です。
――認定NPO法人大阪NPOセンター 理事・事務局長 山田裕子++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【川崎市 仮認定】特定非営利活動法人 ぐらすかわさき
認定の有効期間:平成24年8月31日から平成29年8月30日まで
- 2 認定・仮認定NPO法人を探す/川崎市ホームページ
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◆◆法人からのコメント◆◆
地域の課題解決をめざして活動している非営利の団体を支援するために、「かわさきサポート基金」という市民ファンドの試行事業を行い、9月1日にはその対象団体の選考会を予定していました。それまでに申請していた仮認定NPO法人の認定がおりるか心配でした。市をはじめとして関係している皆様の努力のおかげで、9月1日の選考会の前日に通知をもらい一安心。
当日6団体を選考しました。それらの活動をアピールし、共感していただき、寄付金を集める、という活動を始めています。これからが仮認定NPO法人としての真価が問われるところとなります。この試行事業をステップに地域の資源を掘り起し、地域のNPOにつなぐ仕組みを作り上げていきます。
――仮認定特定非営利活動法人ぐらすかわさき 理事長 川口洋一++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【大阪市 認定】特定非営利活動法人 ゆめ風基金
認定の有効期間:平成24年8月31日から平成29年8月30日まで
― 認定・仮認定NPO法人 /大阪市ホームページ
【大阪市 仮認定】特定非営利活動法人 西日本がん研究機構
認定の有効期間:平成24年8月31日から平成29年8月30日まで
― 認定・仮認定NPO法人 /大阪市ホームページ
【長崎県 仮認定】特定非営利活動法人 NPOながさき
認定の有効期間:平成24年9月13日から平成29年9月12日まで
― 認定・仮認定特定非営利活動法人名簿/長崎県ホームページ
【大阪市 認定】特定非営利活動法人 日越関西友好協会
認定の有効期間:平成24年9月20日から平成29年9月19日まで
― 認定・仮認定NPO法人 /大阪市ホームページ
【大阪市 仮認定】特定非営利活動法人 消費者支援機構関西
認定の有効期間:平成24年9月20日から平成29年9月19日まで
― 認定・仮認定NPO法人 /大阪市ホームページ
【愛知県 認定】特定非営利活動法人 パンドラの会
認定の有効期間:平成24年9月21日から平成29年9月20日まで
- 認定(仮認定)特定非営利活動法人一覧/愛知県ホームページ
4月に改正された改正NPO法では、これまで租税特別措置法の中に位置付けられていた認定NPO法人の仕組みがNPO法の中に盛り込まれ、認定を行う機関が国税庁から各所轄庁(都道府県、政令指定都市)に移された。
これにより、従来は国税局で行われていた認定の審査がNPO法人により身近な各所轄庁に移されることで、認定NPO法人制度の普及、認定NPO法人の増加が期待されている。また、税法からNPO法へ移されたことでこれまで認定の相談は無償であっても税務になるため税理士の独占業務であったが、相談業務は誰でも行えることになり、各地の支援センター等での相談対応も期待される。(申請書類の代行業務については行政書士の業務となる。)
しかし、所轄庁での認定の審査には一部所轄庁で問題が発生してきており、シーズでも対応を行う事態となっている。改正NPO法施行後の2012年6月時点では、認定・仮認定の申請数が49件と低調で、シーズではこの状況を鑑み8月に全国の所轄庁へと電話での聞き取り調査を行った。
その結果申請数の伸びの低さには、原因が3つあると考えている。
①制度の周知が遅れていること
②所轄庁の審査基準が国税庁の認定審査よりも厳しいこと
③審査基準が不明確で十分な相談対応ができていないこと、という3点。
特に②に関しては、先日のニュースで報告したとおり運用改善の働きかけを行った。(参考ニュース・【改正NPO法】内閣府、登記遅れ等について柔軟な認定審査を通知)
今回所轄庁での認定NPO法人が誕生したことにより、他の所轄庁でも同様に認定NPO法人の誕生が期待されるが、シーズでは引き続き、改正NPO法の円滑な施行と制度の普及に向けて働きかけを全力で行っていく。
9月21日現在の都道府県別、仮認定を含めた認定NPO法人数は下記の通り。※主たる事務所ベース
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北海道 8
青森県 0
岩手県 0
秋田県 2
宮城県 3
山形県 1
福島県 1
茨城県 5
栃木県 4
群馬県 1
埼玉県 3
千葉県 7
東京都 135
神奈川県 23
新潟県 4
福井県 0
石川県 0
富山県 0
静岡県 2
山梨県 1
長野県 5
愛知県 15
岐阜県 2
三重県 1
和歌山県 0
滋賀県 0
奈良県 1
京都府 5
大阪府 10
兵庫県 7
岡山県 4
広島県 2
鳥取県 0
島根県 1
山口県 0
香川県 1
徳島県 0
愛媛県 2
高知県 1
福岡県 11
佐賀県 2
長崎県 3
大分県 0
熊本県 0
宮崎県 1
鹿児島県 2
沖縄県 2
合計 277
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