シーズ、「認定取得セルフチェック小冊子」を作成
シーズは、「三井物産環境基金2012年度活動助成を受けて、環境分野のNPOの認定NPO法人化推進のプロジェクトを進めてまいりました。
既に認定NPO法人を取得した環境NPOから、環境分野の団体に特徴となる認定取得時の注意点をヒアリングし、この注意点をセルフチェックできるような小冊子を作成しました。
認定NPO法人化を目指す際、寄付が一定割合以上あることに目が行きがちなのですが、団体運営の適正性をチェックし、内部体制を整えていくという作業が欠かせません。
「セルフチェック」を確認しながら、認定取得の盲点、ポイントを理解する一助となれば幸いです。
そして環境分野で活動するNPO団体が多く認定取得されることを願っております。
なお、本小冊子作成に当たり、環境分野の認定NPO法人をはじめ、多くの団体・個人の方々にご協力・ご支援をいただきました。
この場を借りて心より御礼申し上げます。
そして、ご助成いただいた三井物産環境基金様に篤く御礼申し上げます。
環境分野のNPOが認定取得の際に気をつけるポイント
1.PSTをクリアして認定NPO法人になる
相対値基準でPSTクリアを目指す場合、行政からの補助金収入・委託金収入が多くても大丈夫。分母から差し引く計算式でクリアできることが多いです。
また、環境分野に多い助成金は大抵の場合、寄附金として扱えます。
2.会員制度の工夫
環境分野のNPO法人では、会員制度が複雑で、会員特典がある団体も多くあります。
認定取得を目指す上で、会員制度の設計は重要なポイント。
今こそ自団体の会員制度を見直してみましょう。
■PSTにおける会費の取扱い
PSTでは、「寄付金収入」という名称の収入だけが寄付として扱われるわけではありません。例えば、助成財団からの「助成金」や、見返りのない「賛助会費」も寄付として扱えます。
PSTでは「任意性があること」「反対給付がないこと」の2点を満たせば寄付として扱えるため、会費がPST上の寄付になる場合も少なくありません。
会員の種類と会費の性格を整理してみましょう。
3.積立金の手続きに注意しよう
集めた寄付金を貯めておく必要がある場合や、遺贈や相続財産の大口寄付をコツコツ使いたい場合は、「特定資産」を活用しましょう。
■ 積立金があると認定になれない?
環境分野のNPO法人では、貴重な自然の取得・保全(ナショナルトラスト活動)や活動拠点・車両機材の購入など一定規模の資金が必要となることも多く、寄付金を集めながら、長期積立を行う団体も少なくありません。しかし、何年にもわたって積み立てていると、認定基準「受け入れ寄付金総額の70%以上を特定非営利活動事業費に充てること」を、満たせなくなってしまいます。
これをクリアするために、「特定資産」というしくみができました。
■ 特定資産の使い方
例えば、1年間に集まった寄付金100万円のうち、50万円を〈○○湿地の買取〉
として積み立てたい場合…
「特定資産」にするための手続き例