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制度ニュース

2014年04月25日 16:25

震災復興・関係省庁とNPOとの3回目会議開催

2014年4月23日、復興庁一階会議室にて「第3回東日本大震災の復旧・復興に関する関係省庁・NPO等定期会議(以下、定期会議)」が開催された。定期会議には、NPO側から、東日本大震災支援ネットワーク(JCN)、日本NPOセンター、シーズ・市民活動を支える制度をつくる会の5名が参加。省庁からは、復興庁の他、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省の関係各課から約20名の担当官が参加した。

シーズとJCNは、2013年2月に、支援・復興活動を継続する上でNPOが必要としている政策等を広く募集し、12団体から要望が寄せられていた。今回の会合では、その要望に対して、省庁側からの回答を説明してもらい、その後、質疑応答を行った。

まず、復興庁ボランティア・公益的民間連携班の金刺参事官から、NPO・ボランティア団体の災害復興への努力に感謝の言葉があり、「定期協議は初めての参加であるが実り多い会合にしたい」と挨拶があった。

続いて、シーズの松原代表理事が「人事異動などがあったならば新しい担当者の方にNPO・ボランティアの活動の現場から見た課題などを知っていただく機会としていただきたい」と挨拶があった。そして、NPO側出席者が自己紹介し、その後、省庁側からの解答について順に担当官が説明した。

今回、NPO側から出された要望は以下のようなテーマがあった。
1.NPO予算要望関連
2.制度の運用、実施
3.制度の創設
4.今後の震災対応に関する要望事項

省庁側からの解答は別紙のとおり。
☆(省庁回答)東日本大震災関連要望事項201404 (PDFが開きます)

一通りの説明を受けた後に、NPO側から追加の質問や要望、意見交換が持たれた。

まず、生活支援型移動サービスを実施するNPOへの補助の拡大を求めた件について、「安心生活創造推進事業」というセーフティネット対策補助金のメニューの1つは利用可能であること。また、「地域支え合い体制づくり事業」においても、被災地が実施主体となって介護基盤緊急整備等臨時特例基金管理運営要領により実施していることが回答された。
これに対して、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)の栗田代表世話人は、そもそもNPOがこの事業をやらなければならない理由があること。自治体が実施主体になる制度は、NPOが提案したくても市町村が理解していないとできない状況があり、その対応をきちんとお願いしたい旨の説明があった。

次に、福島の子どもたちの県外自然体験活動への支援について要望した件について、平成26年度から「福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業」が利用可能であることが回答された。
これに対して、JCNの栗田氏は、福島の子どもだけを対象にした事業があるが、実際の支援の現場では宮城、岩手などからの避難者もいること。自主避難者もいること。県外被災者の支援をする中では、福島の子どもだけに限定されても制度は使いにくいこと。また、健康被害はありませんとされれば、現実に避難してきているのだから何の支援もないのはおかしいと言うのが、被災者と付き合っていて感じる現実であると話した。
シーズの松原代表理事は、自主避難の課題はあり、来年度の予算要望などにもつなげていきたいので、ぜひご検討いただきたいとした。また、ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業について、県外の自然体験活動も実施可能な制度になったこと。県外NPOであっても、福島県内教育委員会と協働することで、実施可能になったことについて、要望を受けて政策を作っていただいていることに感謝した。

次に、JCNの栗田氏は、高速道路の無料措置への要望について、母子避難者であれば高速道路が無料になるので、長い距離であっても運転をしていく。なぜ鉄道ではだめなのか。また、NPOが保養事業などを行う上で、避難者が乗っているバスであれば、高速道路を無料で使わせてもらうといった措置があって良いのではないかと、現場での支援者の立場の声を話した。そして、国土交通省には、高速道路以外のその他の公共交通機関についても要望があることを改めて要望した。

次に、JCNの栗田氏は、復興庁が取りまとめている「NPO等が活用可能な政府の財政支援について」については、「こんなことをやりたいけど、予算はないか?」と聞く場所がない。と発言。

続けて、シーズの松原は、例えば地域コミュニティ復興支援事業等、被災地で取り組まれている事業について、平成26年度までで終了となっているものがあるが、平成27年度はなくなってしまうのか、心配の声が上がっていることを伝えた。
これに対して、期限付き基金の事業はほおっておけばなくなってしまうが、具体的にこの事業を活用してどんな成果が出ているのか、要望を受けながら平成27年度の取扱いを考えたいとした。
シーズの松原は、「NPO側としても、活用している予算がなくなってしまうかどうかは不安であるし、要望があることは伝えたい。また、現場ではまだ足りていない制度創設、改善の要望もあり、それらは予算要望に関連するものである。次回はぜひ東日本大震災の復興支援、被災者支援を行う現場のNPOの声を集めて、省庁に伝え、来年度の予算の議論をする回としたい。予算要望の時期を考え、5月に会合をセッティングしていただきたい。」と述べた。

※定期会議とは、支援・復興活動を継続する上で望ましい政策等の実現を図るために、東日本大震災の復旧・復興事業に携わるNPO等からの提案をもとに、各関連省庁とNPO等が定期的に協議する会合。会合では、①支援・復興活動に関わるNPO等からの提案、②各提案事項に対する省庁からの回答、③情報提供・情報交換を持つ場を設けている。

<関連リンク>
復興庁 来年度概算要求においてNPOが活用できる事業
http://www.reconstruction.go.jp/topics/npo_1.html


定期協議開催の様子

なお、シーズはこの復興会議を日本NPOセンター タケダ・いのちとくらし再生プログラムの助成を受けて実施している。御礼申し上げます。

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