シーズ「H27年度のNPO税制を読む」を開催
NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会は、2015年1月22日(木)夜、東京都内で、公開セミナー「H27年度のNPO税制を読む」を開催した。
今回のイベントは、昨年2014年12月30日に発表された与党税制改正大綱を受け、シーズで大綱の内容を分析し、発表・報告するために開催された。税制改正大綱の解説以外にも、仮認定NPO法人の特例措置が延長されない見通し等を中心に、今後のNPO法・税制について報告が行われた。
まず、シーズ代表理事の松原より、平成27年度税制改正大綱の解説が行われた。シーズによる税制改正大綱の大まかな分析は以下の通り。
・H27年度税制改正大綱では、認定NPO法人の優遇税制(個人の寄付金税額控除、法人の損金算入限度枠、みなし寄付金)は、引き続き検討となった。縮小・廃止の動きは弱まっている。
・公益法人等の収益事業の法人税の軽減税率は、2年延長となった。
また、NPO法改正・NPO議員連盟の動きについて以下の報告が行われた。
・NPO議連でNPO法改正案をまとめていたが、解散総選挙により改正の議論がストップしてしまった。
・改正がストップしたことにより、仮認定NPO法人制度の特例措置が延長されなくなる見通しとなった。
・現在のNPO法改正の議論の中では、設立や定款変更にかかる期間を4ヶ月から約2ヶ月に短縮する案も出ている。
続いて、シーズ常務理事の関口より、仮認定の特例措置が今年3月で期限切れとなることが報告された。特例措置が切れることにより、設立5年以上の団体の仮認定申請ができなくなる。設立5年以上となる法人の、仮認定を申請できる期限は以下の通り。
・2010年3月31日までに設立登記を行われた団体は2015年3月31日までに、仮認定が申請できる期限が終わる。
・2010年4月以降、2011年3月31日までに設立した団体は2015年度中に、仮認定の申請期限が終わる。
また、税理士・行政書士の早坂毅氏より、みなし譲渡所得課税等、相続税に関する税制の問題点・注意点が報告され、会場からはみなし譲渡所得課税に対する質問が行われた。
最後にシーズの松原は、
「引き続き税制の見直しが検討されることを受け、ここ1・2年油断できない局面が続く。今後も注視する必要があり、現場で活動を行っている認定NPO法人の姿と声を社会に見せていってアピールをしていきたい」
と挨拶し、閉会となった。
なお、シーズでは今回のイベントを公益財団法人日本財団のご助成を頂き実施しました。この場を借りて御礼申し上げます。