民主党、NPO支援施策で、2月にシーズからヒアリング
2016年2月26日(金)、民主党(現、民進党)共生社会創造本部は、役員会を開催し、「共生社会を担うNPO法人等への支援の拡充」について、関連団体からヒアリングを行った。
役員会には、日本NPOセンター、日本ファンドレイジング協会、シーズ・市民活動を支える制度をつくる会の3団体が参加し、共生社会実現に向けた制度改正について要望を行った。
会議には、長妻昭衆議院議員、神本美恵子参議院議員、辻元清美衆議院議員のほか、議員秘書等の参加があった。
初めに、日本NPOセンター早瀬氏より「地域の課題を解決するNPOを育成するための7つの要望」を伝え、次にシーズから「NPO法人制度・税制等に関する要望事項」の発表、最後に日本ファンドレイジング協会鵜尾氏から「日本型共生社会モデル構築に向けて」の説明があった。
シーズは、代表理事 関口宏聡より、以下の3点について説明を行った。
●寄付税制等の拡充
1.認定NPO法人等の優遇税制は、個人の寄附金控除上限額や企業からの寄附金損金算入限度額を引き上げるなど、寄附金税制での支援を拡充してください。
「個人の寄附金控除」については、ふるさと納税と同様に控除上限額を引き上げてくれるよう強く訴えた。控除上限額を震災特例措置同様の2倍に引き上げ、適用下限額を撤廃、年末調整での寄付金控除の適用を進めてほしいと伝えた。
また、「法人の寄附金特別損金算入」については、繰り越し控除導入などで米国並みに拡充を、「遺贈・相続財産寄附」や「不動産等の寄附」については、みなし譲渡所得課税を自動的に適用除外にするなどの支援を、社会貢献する市民・企業が尊敬される社会実現のために、認定NPO法人等への寄付者にも、積極的に「紺綬褒章」等の授与をするなどで後押しを求めた。
この他、消費税増税時におけるNPO法人への配慮や、マイナンバー・法人番号制度対応に取り組むNPO法人への支援なども要望した。
●NPO法改正の早期実現
2.NPO法人制度及び認定NPO法人制度については、NPO議員連盟で準備されているNPO法改正を今国会で早期に実現してください。また、一層の手続き簡素化や基準緩和をお願いします。
NPO法人制度については、超党派NPO議員連盟で進められている「NPO法人設立認証期間短縮・登記義務軽減・認定NPO法人等の海外送金報告義務の軽減・内閣府HPでの情報公開強化」などが盛り込まれたNPO法改正案を、今国会で早期成立・実現するよう強く要望した。
認定NPO法人制度については、仮認定制度の申請条件から設立5年以内という条件の撤廃、認定基準緩和や報告書類様式変更などについても実現をお願いした。
●NPO法人支援施策の拡充
3.「創業補助金」や「信用保証制度」にとどまらず、中小企業支援施策のNPO法人への適用拡充を進めるなど、NPO法人への支援を強化してください。
「創業補助金」や「信用保証制度」のNPO法人への適用拡充について感謝を述べた上で、拡充された制度がより多くのNPO法人で活用され、企業や新規事業などにつながるよう各分野・地域での普及・利用促進をお願いした。
さらに、各種補助金や中小企業支援施策のNPO法人への適用拡充、多様な労働者が多いNPO法人の特徴を踏まえた労働・雇用関係助成金拡充や制度要件緩和の検討、プロボノやボランティア促進の支援策拡充、学生や若者のNPO法人設立等の支援、公益法人や公益信託制度に関する柔軟な公益認定・変更認定、休眠預金活用等も要望した。
その後、各要望ごとに質疑・意見交換が行われた。シーズの説明に対しては、長妻議員より、「まずは今のNPO法改正を進められるように。」との声を頂いた。
長妻議員からは、「休眠預金については今国会で全党一致で成立できる可能性が高くなっている。」「(地方議員の理解促進については)民主党としても現在、全国11ブロックに分けて回って声をかけている。」との発言もあった。また、日本の寄付文化育成に向けて、活発な意見交換が行われた。
シーズでは、これら要望事項について、政府・各党への要望を進め、実現に向け、引き続き全力で取り組んでいきたい。
※今回のシーズ要望事項全文は下記を参照
20160226NPO法・税制度改正要望書(民主党共生社会創造本部御中)