神楽坂便り「新歩道・新街路灯 完成パレード」
シーズ事務所のある神楽坂の四季折々の様子をお伝えする、「神楽坂便り」第5弾です。
今年はすでに3回目の更新となりました。がんばって続けますので、どうぞお楽しみに。
第5回は、「新歩道・新街路灯完成パレード」の模様です。
神楽坂では、新宿区の「街並み環境整備事業」の一環として歩道と街路灯の改修・整備を行っていました。坂の上を縦横に走っていた電線が地下の共同溝に移設され、電柱の代わりに新しいデザインの街路灯が整備されました。
この工事の完成記念式典が去る5月20日に行われました。
式典では、まず完成のテープカット、その後、神楽坂組合のお姐さん方、法政大学応援部(応援団、チアリーディング、バトントワラーズ、ブラスバンド)によるパレードがありました。その後、神楽坂の中心部にある毘沙門天前で、商店会長や新宿区長の挨拶、法政大学応援部のデモンストレーションがありました。
イベントは昼休みの歩行者天国中に行われ、人出がピークとなったデモンストレーションの最中は見物客が通りを埋め尽くし、行き来が困難なほどでした。
とりわけ観客の視線は、パレードの先頭を行く芸妓のお姐さんに集中していました。
神楽坂といえば、東京に最後に残る花街の1つ。「神楽坂芸者」はそのシンボルともいえる存在です。
かつてはたくさんあった都内の芸妓組合も今は少なくなっており、このような昼間に芸者さんを見かけることも非常に珍しくなりました。(ちなみに高齢化が進む都内の芸妓組合の中で、若い人が一番多いのが神楽坂だとか)そのため、携帯カメラも含め、多くのにわかカメラマンが芸妓さん方に群がり、われ先にと写真を撮っていました。
記念の手ぬぐいも配られたそうですが、気がつかないうちに終わってしまったらしく、残念。
約一時間で、記念式典は終了しました。
ここで、知らない方のために神楽坂の紹介を。
神楽坂は、坂下から坂上まで歩いても10分もかからない短い坂です。坂の周辺は、細かな路地が石畳や階段で結ばれ、その中に、高級な料亭や、外見からはお店とも旅館とも民家ともつかないお屋敷が点在しています。
周りの街並みとはちょっと違う独特の風情を持つせいか、明治から大正にかけては多くの文人がこの街に居を構えていました。ちなみにシーズ事務局のあるビルの隣は、泉鏡花の旧宅だったそうです。
このような歴史を持つせいか、バブルの頃も、他の地域に比べて乱開発されることは少なかったのですが、最近の不景気で料亭など多くの老舗が店を閉め、その跡に新しい高層建築が矢継ぎ早に建てられています。
このため神楽坂では、商店街の人や地域住民を中心に、昔ながらの街並みを保存したり、まちづくりに積極的に参画しようとする動きが活発に行われています。
今回の「街並み環境整備事業」でも、(区長さんの挨拶によると)まちづくり指針などは住民が作成して行政に働きかけ、今回の工事に至ったそうです。
「住民参加のまちづくり」は最近各地で盛んに言われる言葉ですが、住民が主体的に様々に働きかけて街を変えていくためには、街に対する愛情を持った人たちと時間をかけていくことが何より大切なんだなあ、と思います。
毎日坂を見ていたためか、「なんだか坂がきれいになったな」と思ったのは最近のことで、3年間も工事をしてきたという実感はあまりありません。しかし、電線が無くなった坂は確かにすっきりとして、街路樹のケヤキもなんだかのびのびとしているようです。
神楽坂のまちづくりの取り組み、またそのうち神楽坂便りで紹介できればと思います。
神楽坂商店街のホームページはこちら
http://syoutengai-web.net/kagurazaka/
次回の神楽坂便りもどうぞお楽しみに。
2003.05.22(A)