自民党ヒアリング(10月26日)開催報告
自民党の非営利組織に関する特別委員会(自民党NPO特別委員会)が、10月26日午後4時半より、自民党本部内会議室にて開催された。開催の目的は、NPO支援税制の問題点などについて、NPOから直接ヒアリングを行うこと。
参加した自民党議員は、委員長である加藤紘一衆議院議員、事務局長の西村康稔衆議院議員を含めて、次の12名。(順不同)
- 加藤紘一(かとう・こういち 山形3区)
- 西村康稔(にしむら・やすとし 兵庫9区)
- 亀岡偉民(かめおか・よしたみ 福島1区)
- 早川忠孝(はやかわ・ちゅうこう 埼玉4区)
- 小杉 隆(こすぎ・たかし 東京5区)
- 松本文明(まつもと・ぶんめい 東京7区)
- 後藤茂之(ごとう・しげゆき 長野4区)
- とかしきなおみ(とかしき・なおみ 大阪7区)
- 赤池誠章(あかいけ・まさあき 比例南関東)
- 井脇ノブ子(いわき・のぶこ 比例近畿)
- 宇野 治(うの・おさむ 比例近畿)
- 橋本 岳(はしもと・がく 比例中国)
NPOからは、次の13団体が参加した。
- 子どもNPO・子ども劇場全国センター
- JEN(ジェン)
- シーズ=市民活動を支える制度をつくる会
- 世界の子どもにワクチンを日本委員会
- 東京ランポ
- 所沢市学童クラブの会
- 日本NPOセンター
- 日本国際ボランティアセンター
- ぱれっと
- ピースウィンズ・ジャパン
- ブリッジ エーシア ジャパン
- ヘリテイジ・トラスト
- ヨットエイドジャパン
冒頭、委員長の加藤紘一氏が、「果物でもウラ年とナリ年があるが、NPO税制改正については今年がナリ年。しっかりと活動したい」と挨拶。
委員会は、西村康稔事務局長の司会で進められた。
NPOからは、「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」が取りまとめた「認定NPO法人制度に関する要望書」を提出。シーズの松原がその概要を説明。その後、参加したそれぞれのNPOがそれぞれ、現在の制度の問題点、また改正要望などを述べた。
要望の多くは、パブリック・サポート・テストの要件緩和に関するもの。社員からの会費、民間団体からの助成金や、国・自治体などからの補助金・委託金、また、事業収入などについて、同テストでの取扱いの変更を求める意見が次々と述べられた。加えて、現在の申請書類が煩雑であることや、企業の損金算入枠の拡大を求める声も、現場の声として伝えられた。
NPOからの要望を受け、出席した議員からは次のような発言があった。
後藤茂之議員:
「自民党は、公益法人、NPO法人など、非営利団体が21世紀を支えていくと考え、しっかりと応援していなければならないと思っている。今年はまとめて大きく改正するということだから、我々が聞いても常識が通用するようなパブリック・サポート・テストにしなければならないと思っている。」
赤池誠章議員:
「NPOを支援していくことが地域づくりに大事だと思う。私も任意団体をNPO法人化するのをお手伝いしたことがある。しかし、認定となると小規模なところは資料を見ただけであきらめてしまう状況だと聞いている。申請の簡素化のお手伝いをしていきたい。」
橋本岳議員:
「以前、あるシンクタンクでまちづくりをテーマに取り組んだことがある。NPOは地域づくりに重要。これから一生懸命ご支援したい。ちゃんとまとまった要望書をもらい助かる。」
井脇ノブ子議員:
「私も36年前に、少年の船協会を財団法人にするのに、山のような書類を作って大変苦労をした。しかし今日は、2万を超えるNPO法人のうち37しか認定を取っていないと聞いてびっくり。もっと500とか1000とかいっているかと思っていた。今はNPOがあってこそ。もっと認定することが大事。応援しております。」
とかしきなおみ議員:
「NPOが頑張らないとこれからの日本は成り立たない。実は、私の母も手話ダンスのNPO法人をやっている。しかし、認定となると、書類を出すだけで気が重いと言う。書類を出す手間とメリットがかみあわない。なんとか、変えていきたい。」
加藤委員長は、「これまでも何度か改正してきたが、なかなか認定の数が増えなかった。ただ今年は、政府や自治体・JICAなどからのお金をもらっている団体は、パブリック・サポート・テストをパスしやすくなるようにしてもいいんじゃないかという動きがあり、雰囲気が変わってきている。また、小さい団体は簡易な要件で認定を受けられるようにと考えている。去年はパブリック・サポート・テストの改正がならず、『来年は見ててくれ』と言ったので、今年は、頑張らなければならない。ぜひ力を貸して欲しい。いっしょにやりましょう。」と参加議員らに呼びかけた。
最後に、西村事務局長が「今日は、NPOから切実な話を聞いた。これから年末にかけて頑張りたい。数の力と理論武装とでやっていきたい」と会をしめくくった。
報告:轟木 洋子
2005.11.10