新宿区協働支援会議
新宿区長に協働事業提案審査結果を報告
平成18年12月5日、東京都新宿区区役所において、中山弘子新宿区長に対して、新宿区協働支援会議から来年度の協働事業提案審査結果が手渡された。
新宿区協働支援会議(以下、協働支援会議)は、平成16年に、NPO活動資金助成に関すること、協働事業に係る提案・相談等に関することなど、協働を推進する過程で生じる具体的な問題を協議する場として設置され、区長が委嘱する委員6人以内をもって組織されている。
委員の構成は、学識経験者1名、非営利活動団体の構成員2名以内、区民1名・区内事業者1名、新宿区社会福祉協議会の職員1名。
シーズは、この協働支援会議の発足した平成16年度より、鈴木歩事務局次長が委員として参加。NPO側からの協働推進に関する意見具申を行ってきた。
はじめに、新宿区協働支援会議会長の久塚純一氏(早稲田大学社会学科総合学術院教授)から、平成18年度に導入された「協働事業提案制度」の概要と、来年度の実施が決まった5事業について、以下の内容の報告があった。
平成17年度から、協働支援会議では「協働事業提案制度」について審議を重ね、平成18年3月に中山区長へ提出した平成17年度の報告書のなかでその導入を提言した。
この「協働事業提案制度」は、多様化する地域の課題や区民ニーズに、区が単独で対応することが困難になってきているなか、NPOの専門性や柔軟性等を活かした事業提案を公募し、NPOと区が協働することで、地域課題の解決を図るとともに、区行政への住民参加の促進を図り、暮らしやすい地域社会を実現しようとするもの。
新宿区が、この報告を受けて、平成18年度に導入することを決定。昨年6月15日から8月10日まで、1事業当たり500万円を上限として事業提案の募集を行い、30事業の提案が寄せられた。
提案された30事業の審査にあたっては、協働支援会議委員と新宿区の職員から構成される「新宿区協働事業提案制度審査会」が審査を行い、第1次審査(書類審査)において10事業を選考。10月10日に開催された第2次審査(公開プレゼンテーション)を経て、以下の5つの事業を採択した。
- NPO法人みんなのおうち:外国人の子どもの学習支援等
- 漱石山房を考える会:夏目漱石生誕140周年記念事業
- 東京YMCA“liby(リビー)”:青少年の居場所づくり
- ゆったりーの: 子育て支援者養成事業
- NPO法人テラ・ガーデン新宿、NPO法人ゆうゆう、共住懇: 地域に根ざした高齢者の居場所づくり
これらの事業については、提案したNPOと区の担当部局が協議を行い、具体的な事業企画として練り上げていき、平成19年度に区の事業としてNPOと区が協働して実施していく。
また、シーズ事務局次長の鈴木歩は、「12月1日でNPO法施行から8年が経ち、この8年間で約2万9千ものNPO法人が設立された。所轄庁の中では東京都のNPO法人の数が5千を超えて最も多い。シーズが事務所を構えるこの新宿区でもたくさんのNPO法人が活動を行っている。しかしながら、多くのNPOの活動基盤は経済的な側面を含めて未だ脆弱であり、安定的、持続的な活動が困難なのが実情。NPOに関心を寄せる若い人が増えてきており、団塊の世代の定年後の参加が増えることが予想される中で、NPOはその基盤強化に努めなくてはならない。今回、新宿区が導入した協働提案事業を通じて、地域のNPOが力をつけ、地域社会に貢献できることは大変望ましいことだと考える。」と発言した。
これらの報告を受けて、中山区長が来年度の事業実施への意欲と、協働支援会議の委員に対する謝意を述べ、散会となった。
※「新宿区協働事業提案審査報告書」は、新宿区のサイト内に掲載されている。
2007.01.16