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ファンドレイザー奮闘記-2-

2010年03月26日 22:50

認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本 宍戸咲季子さん

ファンドレイザー奮闘記-2-

認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本(SON) 宍戸咲季子さん

スペシャルオリンピックスとは、知的発達障害のある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を、年間を通して提供し社会参加を応援する国際的なスポーツ組織です。日本での活動は昨年15年を迎え、47の都道府県に活動の拠点が広がっています。

スペシャルオリンピックスの最も大切な活動は、各地で行われる日常的なスポーツプログラムです。地域の施設を会場に、地域のボランティアが運営、コーチを務め、知的発達障害のあるアスリートたちとスポーツを楽しんでいます。

競技会は、4年に1度夏季・冬季とナショナルゲーム、ワールドゲームが開催されます。

今年は、2010年11月に大阪でナショナルゲームを開催し、2011年6月にギリシャ・アテネで行われるワールドゲームに日本選手団を派遣する予定となっています。

団体のホームページは
http://www.son.or.jp/

●1.SONの寄付協賛収入の内訳は? ~企業・団体とのパートナーシップ~
スペシャルオリンピックス日本の寄付収入の8割以上は、企業・団体からの寄付協賛です。これは、活動を始めた初期より企業とスポンサーシップ契約を結び、複数年にわたり支援を継続していただいていること、そして「SOメイト」と呼ばれる一口10万円からの法人賛助金のかたちを提案し新規支援企業増加へ取組んだことなどが要因に挙げられますが、スペシャルオリンピックス(以下SO)の活動が「社員の皆さんに実際にボランティア参加していただけること」が一番の大きな理由だと考えています。

SOでは日常的にスポーツプログラムを行っているので、住んでいる地域のプログラムに様々なかたちでボランティア参加することが出来ます。アスリートと一緒に楽しく体を動かすことが基本なので、スポーツ能力に長けた方でなくても気軽に参加していただけます。自分の勤務している企業が支援していることをきっかけにプログラムにボランティア参加された社員の例も多くあります。

また、企業単位で社員の皆さんがナショナルゲームにボランティア参加される例も年々増えています。地方開催の大会へも、東京から大型バスで100名以上で駆けつけて下さる企業の皆さんや、会社の中の仲良しグループといった少人数での単位で参加されるかたなど、参加方法も様々です。

近年、企業の「社員のボランティア参加」のニーズが高まっているなかで、遠い異国の地での社会貢献では無く、身近で継続的に参加出来ることが、SO支援の大きなベネフィットなのかもしれません。

●2.個人募金「エール募金」のスタート!
その一方で、個人募金が増加しないことが大きな課題となっています。個人募金が少ない現状は、その募金額はもちろんのこと、「SOの認知度」が低いということの表れでもあると受け止めました。

特に日本では「障害者スポーツ=パラリンピック」の認識がありますので、SOのオリジナリティを発信し認知度を上げるというのは長年の課題でもあった訳です。

そこで、個人募金増加と認知度UPという2つの課題に向かう個人募金プロジェクトをスタートさせよう!と考え誕生したのが、「エール募金」です。この募金は、SO活動に参加しているアスリート全国7,434人(2008年度末統計)全員にエール(応援)を届けようというコンセプトの募金です。

1エール=2,000円以上を募金していただくと、募金者とアスリートに「オリジナル手作りミサンガ」が送られます。この「手作りミサンガ」は、全てボランティアのかたによる手作りで、支援企業の社員の皆さんや、小学生・中学生・高校生、SO地区組織の皆さんやボランティアの皆さんがアスリートへの応援の気持ちを込めて編んで下さっています。

「募金者」「アスリート」「ミサンガ作りボランティア」3つの立場の皆さんが、ミサンガによってつながるという、絆を大切にした温かい参加型の個人募金プロジェクト「エール募金」は2010年1月よりスタートしました。

2010年末までに全アスリートにミサンガとエールが届くよう、取組事例をウェブサイトで紹介したり、積極的にパブリシティにも働きかけ広報活動を強化し、今までSOを知らなかったかたに積極的に募金、そして参加をして欲しいと思っています。

エール募金サイトは
http://www.son.or.jp/bokin/  

●3.多くの支援企業様とのコラボレーション
SONにとって、多くの企業様がご協力してくださっていることは何よりの大きな支えです。

ファンドレイジングにおいても、(株)ジャパンエナジーのクリック募金や、(株)オニザキコーポレーションの商品にSOロゴマークを入れ、購入の一部をSOに寄付していただくかたち、また(株)ギフトグッズのご協力により、ギフト用品の買い取り査定金額のうち皆さんがご指定の金額をSOに寄付していただく、など様々なかたちで支援をしていただいています。

今後もSOならではのオリジナリティが活かせ、企業様とwin-winの関係で結べるファンドレイジングの取組みが広がるよう、様々な角度からの企画を提案していきたいと考えています。

また、企業様との取組みとして、支援企業社員の皆様にランチタイムや就業後にお集まりいただき、エール募金の手作りミサンガを編む「ミサンガてらこや」が好評です。

既に、7社延べ210人がミサンガを編むことによってアスリートを応援して下さり、企業担当者にも、「会社内のコミュニケーションを育む時間になった」「ボランティアに興味があってもなかなか時間がつくれず参加できなかった社員が、ミサンガてらこやは気軽に参加が出来て良かった」「企業として支援しているSOの活動内容を、社員に知ってもらうきっかけになった」などの声をいただいています。

この取組みも、企業の「社員ボランティア参加」というニーズの高まりに応えたひとつのCSR活動として提案し、新しい企業との出会いのきっかけにしていきたいとも考えています。

●4.課題
4年に1度、夏季・冬季とナショナルゲーム、ワールドゲームがあるため、毎年大会を迎えるという事業、そしてボランティアコーチの育成や地区競技会の支援など日常の継続的事業を行うためには、安定的な財政基盤を築くことが重要な課題です。

「企業・団体様とのパートナーシップを、より発展的にそして安定的に築くこと」そして「エール募金を広めて個人募金を増やすこと」を軸に、ファンドレイジング活動を進めていきたいと考えています。

大切にしたい考え方は、広報との連動です。ファンドレイジング活動のなかでも広報的な要素を常に大切にしつつ、「発信力」を意識してチャレンジを続けていきたいと思います。

●5.教訓!
「SOらしさ・SOオリジナリティを発信し、多くの人を巻き込んでムーブメントを作ろう!」

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