NPO法人の主たる事務所を移転したい時は、どのような手続きが必要でしょうか。
まず、移転の際に気を付けなければならないのは定款です。
定款の中に、事務所の住所が市区町村までしか記載がなく、かつその市区町村内での移転であれば、定款変更は必要ありません。しかし、定款に番地まで記載されていたり、あるいは市区町村を超えた移転であれば、定款変更も同時に必要です。定款変更は、総会を開いて行う必要があります。
次に、その移転によって所轄庁の変更が生じるか否かに注意を払う必要があります。
移転が同じ都道府県内で行われたのであれば、所轄庁の変更はありませんから、「軽微な」変更ということで、所轄庁へは定款変更届書や新しい定款、また新旧条文対照表などを提出することになります。
都道府県を越えた移転であれば、所轄庁の変更が生じますから「軽微な」変更にはあたらず、新しい定款の認証申請をしなければなりません。この場合、新しい定款が認証されるまでには、最大で4ヶ月かかります。認証申請書類の提出先は旧所轄庁ですが、認証は変更後の所轄庁で行われます。この時、申請書に必要な書類には、定款変更認証申請書のほかに、変更を議決した総会議事録謄本、役員名簿、その他、さまざまな書類が必要になります。さらに、所轄庁での変更が済むと、登記の変更ということになります。
いずれの場合も、登記している法務局での事務所の所在地の変更は必要です。
上記のようにさまざまなケースがありますから、法務局での移転登記の際に必要な書類も、それぞれのケースによって異なります。また、法務局によっても提出書類が若干異なっていたりしますから、詳細は所轄の法務局にお問い合わせください。