会計帳簿に決まりはありますか? 単式簿記と複式簿記とは何ですか?
NPO法第27条に規定があります。「会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること」とされています。普通は「正規の簿記」というと複式簿記のことを指すことが多いのですが、NPO法人は単式簿記でも構わないとされています。
それでは複式簿記と単式簿記はどう違うのでしょうか。
単式簿記というのは、小遣帳や家計簿と同じです。現金や預金の出し入れを記録する出納帳を作るだけです。しかし、決算では改めて勘定科目ごとに数字を拾い出して、収支計算書を作成する必要があります。(勘定科目とは、取引をグループごとに分けるために必要なもので、決算書上で分類表示される項目のことです) なお、単式簿記から収支計算書をつくるためには、単純に出納を記録するだけでなく、後からそれを勘定科目ごとに集計しやすいように工夫しておかなければなりません。貸借対照表や財産目録は、期末現在の資産、負債を書き出すだけでも構いません。
これに対して複式簿記は、まず、会計取引を借方(収入があったりモノを購入したりして資産が増えていく方)と貸方(経費の支払いなどで負債が増えていく方)に分けて記帳します。この2つのそれぞれのなかでも勘定科目に分解して(仕訳といいます)、そうした勘定科目ごとに総勘定元帳と呼ばれる帳簿に整理します。こうした簿記の方法を複式簿記と言います。
複式簿記であれば勘定科目を集計するだけで、貸借対照表と損益計算書を自動的に作成することができますが、それなりの知識と訓練が必要です。