「預り金収入」、「預り金支出」を使う場合と、「預り金」を使う場合とはどのように違うでしょうか。
「預り金収入」と「預り金支出」は収支計算書に使う科目です。これに対し「預り金」は、貸借対照表や財産目録に使う科目です。
具体例で言いますと、期首に資産は現金1万円だけ、負債は預り金が1万円だけの法人があったとします(繰越の正味財産はゼロということです)。
今年は他の取引は全くないものとして、預り金の収入が5万円、預り金の支出が4万円だけあったものとします。期末の現金と預り金の残高は2万円です。
このとき、収支計算書と貸借対照表は次のようになります。ただし、ここで収支計算書の資金の範囲は現金のみとします。短期債権債務まで資金の範囲に含める場合は、預り金は繰越資金の一部となりますので、貸借対照表に表示されるだけとなります。
収支計算書・収入の部
預り金収入 50,000
前期繰越資金 10,000
計 60,000
収支計算書・支出の部
預り金支出 40,000
次期繰越資金 20,000
計 60,000
貸借対照表(期末)
資産の部 現金 20,000
負債の部 預り金 20,000
なお、預り金の収入と支出は相殺して預り金収入1万円だけ表示する方法も認められます。純額表示と言います。
(赤塚)